カイエビ
[Wikipedia|▼Menu]

カイエビ
カリフォルニア・カイエビ
分類

:動物界 Animalia
:節足動物門 Arthropoda
亜門:甲殻亜門 Crustacea
:鰓脚綱 Branchiopoda
亜綱:葉脚亜綱 Phyllopoda
:双殻目 Diplostraca
亜目:カイエビ亜目 Spinicaudata
タマカイエビ亜目
Laevicaudata

英名
Clam shrimp

カイエビ亜目 Spinicaudata

カイエビ科 Cyzicidae

トゲカイエビ科 Leptestheriidae

ヒメカイエビ科 Limnadiidae

タマカイエビ亜目 Laevicaudata

タマカイエビ科 Lynceidae

カイエビ(貝蝦)は、二枚貝に似た小型の甲殻類である。日本では水田に出現する。
特徴

カイエビは、節足動物 甲殻亜門 鰓脚綱 双殻目 カイエビ亜目およびタマカイエビ亜目に属する動物である。全身が二枚貝のような甲羅に覆われ、その隙間から脚を出して泳ぎ回る。水田ホウネンエビカブトエビと共に出現するが、この両者に比べると知名度ははるかに低い。

最も普通に見られるのは和名をカイエビ(Caenestheriella gifuensis)という種である。外見的には全くの二枚貝である。ただし、殻は薄く、内部がやや透けて見える。大きさは長さが約1cm、褐色かオリーブ色をしている。外敵に触れた場合などはこの殻を完全に閉じることができるが、ふだんはやや隙間を開ける程度に開き、そこから脚を出して泳ぎ回る。

全身は殻の中にあって、頭部と閉殻筋で殻とつながっているほかは、ほぼ自由に動かせる。頭部には大きい複眼が一対あり、眼には柄はない。口は下面後方の胸の側にある。頭部の側面からは第二触角が伸びる。第二触角は太い腕の先に二本の枝を出し、そこに多数の毛が並んでおり、遊泳に使う。頭部に続く体は節が多く、鰓脚のついた胸部と鰓脚のない短い腹部に分かれる。胸部は30節にも達し、それぞれに一対の鰓状の付属肢がある。腹部は短く、最後は前に曲がった鉤状の突起で終わる。これは鰓脚を掃除するのに使われる。これらの構造は、ミジンコの仕組みとやや似ていて、ミジンコの場合、これをはるかに小さく、体節を少なくしたようなものである。

雌雄はよく似た姿をしていて、外見での区別は難しい。時折一頭の腹部に頭部を付着させた姿で、二頭がつながって泳いでいるのを見かける。卵は殻の中、背中側にかためて保護される。
生息環境

水田に多く出現する。たいていは、カブトエビ・ホウネンエビと共に出現する。主として一時的な水たまりに出現する。世界的には、約200種が知られている。
分類

日本では7種ほどが知られる。場合によっては同一の水田に混在している。最も普通種であるカイエビによく似て、やや小型のものにトゲカイエビがある。正確には頭部を見なければならない。

カイエビは背中のチョウツガイ部が長く、そのため背中側が平坦になっている。これに対して、背中側が丸く弓なりになっているのがヒメカイエビ類で、カイエビよりやや殻が薄い。

タマカイエビは、甲羅がほぼ球形に近いほど丸い形のカイエビで、他のカイエビ類とは異なり、頭部が殻から出ている。タマカイエビ亜目という別の亜目に分類されている[1]

以下に日本産の各属の代表を上げる。

鰓脚綱 Branchiopoda

葉脚亜綱 Phyllopoda

双殻目 Diplostraca

カイエビ亜目 Spinicaudata

カイエビ科 Cyzicidae

カイエビ Caenestheriella gifuensis (Ishikawa, 1895)

トゲカイエビ科 Leptestheriidae

トゲカイエビ Leptestheria kawachiensis Ueno, 1927

ヒメカイエビ科 Limnadiidae

ミスジヒメカイエビ Eulimnadia braueriana Ishikawa

ヤマトウスヒメカイエビ Limnadia lenticularis (Linnaeus, 1761)[2]

タマカイエビ亜目 Laevicaudata

タマカイエビ科 Lynceidae

タマカイエビ Lynceus biformis (Ishikawa, 1895)

関連項目

枝角亜目

カブトエビ

ホウネンエビ

参考文献^ 大塚攻・駒井智幸 「甲殻亜門分類表」 『節足動物の多様性と系統』 石川良輔編、岩槻邦男・馬渡峻輔監修、裳華房、2008年、421-422頁
^ 吉岡翼、小野村一人「ヤマトウスヒメカイエビの島根県地倉沼からの記録」『CANCER』第26号、日本甲殻類学会、2017年、13-15頁、doi:10.18988/cancer.26.0_13、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}NAID 130006107992。 


上野益三,『日本淡水生物学』,(1973),図鑑の北隆館

岡田要,『新日本動物図鑑』,(1976),図鑑の北隆館

外部リンク

園山博・坂東忠司 「鰓脚類の幼生の観察と教材化」 『フォーラム理科教育』2号、3-6頁、2000年。


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:8622 Bytes
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef