オール沖縄(オールおきなわ)とは、辺野古基地建設を止め、オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖撤去、県内移設断念を求めた「建白書」の精神を実現させるために結成された団体である[1]。
概説「普天間基地移設問題」および「2014年沖縄県知事選挙」も参照
自民党沖縄県連の幹事長[2][3][4]や那覇市長(2000年?2014年)[4]を務めた「沖縄を代表する保守政治家」[5][6][3][7]の翁長雄志が、那覇市長に在任中の2012年の秋頃から「沖縄の保守が革新を包みこむ」[5]・「保革を越えた沖縄」[8]・「保守と革新を越えた沖縄」・「保革の壁を越えた沖縄県政」[9]という意味で掲げた政治スローガン及びそれを掲げたグループである。オール沖縄支援で沖縄県知事(2014年?2018年)を務めたが、自民党沖縄県県連幹事長を務めていた沖縄保守出身の翁長知事が死去した後はオール沖縄の保守革新バランスが左翼革新系色に傾き、沖縄保守陣営の離脱が相次いでいる[10][11][12]。
政治勢力としての「オール沖縄」は、2014年沖縄県知事選挙の際に、辺野古移設反対派の保守政治家の翁長雄志を支援する枠組みとして始まった。それまで沖縄では、革新勢力による革新統一は頻繁に行われていたものの、この県知事選で初めて革新勢力に加えて辺野古移設反対派の保守勢力も参加した共闘が組織された。
以後、沖縄県内のあらゆる選挙において選挙協力・候補者調整・統一候補擁立を行っており、2015年12月には稲嶺進名護市長、市民活動家の高里鈴代、呉屋守將
金秀グループ会長(2018年に共同代表を辞任)の3氏を共同代表とし、辺野古移設反対を掲げる約20の団体をまとめる新組織「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が発足した。共同代表にはその後シールズ琉球の玉城愛(名桜大4年)も加わっている。この「オール沖縄会議」には、社会民主党・日本共産党・自由党・沖縄社会大衆党・那覇市議会新風会・沖縄県議会おきなわ(旧称「県民ネット」)などの政党・会派が参加している。また、沖縄県知事・那覇市長・名護市長といった首長も参加し、2016年(平成28年)5月以降は沖縄県議会と那覇市議会において過半数の勢力を確保している[13][14]。
ただし、革新勢力が保守系辺野古移設反対派を取り込むために辺野古移設反対を最優先としているためか、未使用状態の名護市内の米軍基地返還問題や那覇軍港の浦添移設問題について保守系首長が米軍基地の存在を前提とする主張を取る等して日米安保破棄とは異なる政治姿勢を見せていることについて、彼らを擁立した革新勢力はオール沖縄が擁立した保守系首長を退任させたり別の候補を擁立する動きを見せることはない。 翁長は出馬した2014年の沖縄県知事選挙においても「イデオロギーよりアイデンティティ」[2][6][15]・「誇りある豊かさ」[15]・「保守だが、沖縄の保守」[15]と並ぶ自身の選挙スローガンとして「オール沖縄」を掲げ、自民党を割って革新勢力と共闘し[16]、当選した[8][2][6][3][15][17][9]。 翁長は、自民党に在籍していた2014年までは、自民党沖縄県連が戦う主要な選挙戦(過去の県知事選挙を含む)をことごとく取り仕切っていた中心人物であり[18]、また、やはり那覇市長に在任中の2012年9月9日に宜野湾海浜公園多目的広場で開催された「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」の実行委員会の共同代表[5]として、沖縄県内の全41市長村長・議会議長らが署名した、オスプレイの沖縄県への配備に反対する安倍晋三内閣総理大臣宛の「建白書」を取りまとめ、翌2013年1月28日に首相官邸で安倍総理及び菅義偉官房長官に直に手渡すなど[8][17][9]、県内外の政財界に対する卓越した調整能力に定評のある人物だった[18]。
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