オート・メラーラ 127mm/54C
護衛艦「おおなみ」の54口径127mm単装速射砲から砲弾が発射された瞬間
種類艦砲
原開発国 イタリア
運用史
配備期間1972年 - 現在
配備先採用艦艇を参照
開発史
開発期間1965年 - 1971年
製造業者オート・メラーラ社
諸元
重量
コンパット砲: 37.5トン[1]
アレッゲリト砲: 27トン[1]
ブルカノ砲: 30 - 34トン[1]
要員数遠隔操作
砲弾重量31.75 kg
口径127 mm (5.0 in)
銃砲身単装
仰角
コンパット砲
俯仰範囲: -15°/+83°
俯仰速度: 30°/s
旋回角
コンパット砲
旋回範囲: 330°
旋回速度: 40°/s
発射速度
オート・メラーラ 127 mm 砲(Oto Melara 127mm gun)は、イタリアのオート・メラーラ社(現レオナルド社電子機器・防衛&セキュリティシステム部門)が開発した艦載砲システム。高発射速度と軽量化を両立し、優れた性能を有する。
従来使用されてきた54口径長モデル(127/54 Compact)に加え、近年、新型の長射程弾に対応した軽量化64口径長モデル(127/64 Light Weight)も開発された。 1960年代より、欧米各国では、砲塔の無人化を図った軽量自動砲の開発が盛んになっていた。イタリア海軍もこの趨勢にあわせて、1965年10月より、オート・メラーラ社と共同で新型軽量自動砲の開発を開始した[3]。 これによって開発されたのがコンパット砲(Compatto)であり、1969年5月には最初のプロトタイプが完成し、陸上射撃試験を経て、1971年12月には洋上性能試験が行われた。成績は良好であり、1972年にはイタリア海軍で制式化され、同年に竣工した同海軍のアウダーチェ級駆逐艦に搭載された[3]。 その後も改良が進められ、1993年夏には、レーダー反射断面積の低減と軽量化を図った新型砲塔が開発され、アレッゲリト砲(Alleggerito)として発表された[2]。また、これを元に長砲身化するとともに誘導砲弾の運用にも対応した発展型としてブルカノ砲(Vulcano)も開発され[1]、2013年竣工のカルロ・ベルガミーニ級フリゲートに搭載されて装備化された[4]。 コンパット砲は、先行して同社が開発していた62口径76mm単装速射砲(76mmコンパット砲)のスケールアップ・モデルにあたる[5][1]。露天甲板上の砲塔部と、その直下の即応弾マガジン・ドラム、さらにその下の下部揚弾ホイストおよび管制室より構成される[3]。 弾薬は、弾火薬倉から人力で取り出されて2系統の下部揚弾ホイストに給弾され、即応弾マガジン・ドラムに装填される。使用する弾薬は半固定弾薬で、Mk.42などで使用されるアメリカ海軍の54口径127mm砲とも互換性がある。即応弾マガジン・ドラムは3つ設置されており、砲塔旋回軸を中心に等間隔で配置され、各22発(計66発)が装填されている。各ドラムには異なった種類の弾薬を装填可能であり、従って、最大で3種類の弾種を即応準備弾として用意することができる[3]。 マガジン・ドラムに装填された弾薬は、コントロール・パネルの操作で必要な弾種が選択され、砲塔軸上に設置された上部揚弾ホイストによって砲塔内に運弾される。砲塔内の弾薬装填装置上で信管が調整され、砲に装填されることになる。発砲後、薬莢は砲身下部の排出口より砲塔外に排出される[3]。 砲塔は完全防水構造の強化プラスチック製シールドを備えており、Mk.45と同様、砲塔内は無人化されている。ただし下部揚弾ホイストへの給弾は人力であり、各ホイストあたり少なくとも2名の給弾手が必要であり、最大発射速度で発砲する場合、8名が配置される[3]。 主な艦砲の比較AGSH/PJ-45A-192MMk45 Mod 4127mm/54CMk8 Mod 1Mle.6876mm C/SRMk110
来歴
設計
コンパット砲たかなみ型護衛艦搭載の127mm砲
砲身数単装[6]
口径155 mm130 mm127 mm113 mm100 mm76 mm57 mm
砲身長62口径70口径62口径54口径55口径62口径70口径
重量106 t50 t[6]24 t28.924 t37.5 t[1]26.4 t22 t12 t7.5 t[7]
要員数完全自動不明3名6名[注 1]2-8名[3]給弾手2名無人[注 2]給弾手3名完全自動
仰俯範囲+70°/ -5°+75°/ -12°+65°/ -15°+83°/ -15°+55°/ -10°+29°+85°/ -15°+77°/ -10°[7]
旋回範囲全周不明340°330°340°40°全周
発射速度10発/分40発/分[6]30発/分16-20発/分45発/分[1]25発/分78発/分80発[注 3]/分(C)
120発/分(SR)220発/分[7]