オートミール
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えんばく オートミール[1]100 gあたりの栄養価
エネルギー1,590 kJ (380 kcal)

炭水化物69.1 g
食物繊維9.4 g

脂肪5.7 g

タンパク質13.7 g

ビタミン
チアミン (B1)(17%) 0.20 mg
リボフラビン (B2)(7%) 0.08 mg
ナイアシン (B3)(7%) 1.1 mg
パントテン酸 (B5)(26%) 1.29 mg
ビタミンB6(8%) 0.11 mg
葉酸 (B9)(8%) 30 μg
ビタミンE(4%) 0.6 mg

ミネラル
ナトリウム(0%) 3 mg
カリウム(6%) 260 mg
カルシウム(5%) 47 mg
マグネシウム(28%) 100 mg
リン(53%) 370 mg
鉄分(30%) 3.9 mg
亜鉛(22%) 2.1 mg
(14%) 0.28 mg
セレン(26%) 18 μg

他の成分
水分10.0 g
水溶性食物繊維3.2 g
不溶性食物繊維6.2 g
ビオチン(B7)21.7 μg
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2] 別名: オート、オーツ


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。

オートミール(100g中)の主な脂肪酸の種類[3]項目分量 (g)
脂肪8
飽和脂肪酸1.37
一価不飽和脂肪酸2.57
16:1(パルミトレイン酸)0.02
18:1(オレイン酸)2.44
22:10.05
多価不飽和脂肪酸2.47
18:2(リノール酸)2.35
18:3(α-リノレン酸)0.1
20:4(未同定)0.01

オートミール(英語: oatmeal)とは、エンバク(燕麦、オート麦)を脱穀して調理しやすく加工したものである。

アングロアメリカでは燕麦を押し潰すかカットした加工品をオートミールと呼ぶ。また、状に調理したものを指す。それ以外の英語圏では燕麦を挽いた粉製品を意味する。

オートミールは加工の仕方によって種類があり、粒をそのまま残した「トラディショナル」、ひきわりの「クイッククッキング」、そしてさらに細かい「インスタント」に分かれる[4]
概要

全粒穀物であるため栄養が豊富である。牛乳豆乳などで煮て粥状にして食べる。このほか、料理の副材料や化粧品などの非食品の添加物として追加されることもある。完全に乾燥した状態から、軽く煮るだけで状になり、食べることができるので、朝食用のシリアルに用いられることも多い。

粥状にして食べる場合は、好みで砂糖バタージャムなどを加える。中華粥のように味をつけたり、具を混ぜ込んで調理することもある。塩だけで調味する場合は、粘り気のある白粥のような味であるので、朝食に焼いたソーセージなどと一緒に食べられることが多い。

日本では2019年頃よりお湯を入れる調理法ではなく、前日夜に牛乳や豆乳などに浸すオーバーナイトオーツの人気が高まった。

オートミールに、砂糖や蜂蜜などの甘味料植物油をからめてオーブンで焼けば、グラノーラができる。オートミールをまたは牛乳でふやかし、果物ナッツを混ぜたシリアル食品がミューズリーである。

菓子の材料として、パンクッキーケーキの生地に混ぜ込まれることも多く、オートミールが配合された生地は、しっとりとして歯ごたえのある食感を有する。オートミール・クッキーやオートミール・マフィンは、代表的なアメリカの「おふくろの味」の一つである。

オートミールから、特に水溶性食物繊維に富む外皮のみを取り出したものを「オートブラン」(oat bran) といい、アメリカなどでは水溶性食物繊維の王様としてよくスーパーマーケットなどで販売されており、オートミールも含め生産消費も旺盛であることから、日本より遥かに安価である。
主な調理方法

東欧北欧などヨーロッパの寒冷な地方では、古くからオートミールのポリッジ()が平民の主食とされた。たとえば、東欧の家庭的な粥料理であるカーシャはしばしばオートミールで作られる。
ポリッジ(粥) (porridge)
現在では調理時間の短縮のために、押し燕麦やつぶし燕麦、その他のインスタントオートミールが、利用されることも多い。伝統的な料理法に比べると味や食感に劣る。または、オートミールにお湯を注ぎ、電子レンジで柔らかくして、お粥状にし、好みの食材でアレンジすることも行われる。
伝統的なオートミール・ポリッジの料理法

1人あたり1/2パイント(約284ml)の水を鍋に入れて中火にかける。塩はいつ入れてもよい。

鍋を、木べらまたはスパートル(英語版)という木の棒で時計回りにかき混ぜながら、中挽きのオートミールを一人あたり手のひらに1、2杯ずつ加える。

ポリッジが粥状になるまでかき混ぜ続け、粥状に煮えたら火力を最弱にして、もう10分置く。
また、粗挽きのオートミールを塩水に一晩浸けてから、翌朝火にかけて粥状になるまで弱火で煮ることも多い。ポリッジを小さめの器に盛り、冷たい乳を入れたカップを添え(アウターヘブリディーズ諸島式)、熱いポリッジをスプーンに半分ほどすくい、乳にひたして食べる。スコットランド本土ではポリッジは立って食べるべきであるという伝統があるため、上記のように乳に1さじずつ浸して食べるのが難しくなる。
グルーエル (gruel)
オートミールを冷水と混ぜて濾し、加熱した重湯。幼児食や病人食とする。
ブローズ (brose)
未調理のオートミールをバターまたはクリームと混ぜ、ポリッジのようにして食べる。

パン、バノックオートケーキなどの材料。残ったオートミール・ポリッジに小麦粉を加えて捏ね、パンを作ることもある。

カボックチーズ(英語版)の表面にまぶす。

家禽ローストの詰め物

スコットランド

スコットランドの冷涼な気候と比較的短い日照時間は小麦よりも燕麦の栽培に適している。当地では燕麦は小麦よりも健康的で栄養価が高いと広く考えられており、燕麦を粗い粉に挽いてオートミールが作られる。製品の挽き具合は、「粗挽き」(coarse)、「ピン」または「ピンヘッド」(Pin (head))、「細挽き」(Fine) に分けられる。

スコットランド料理「スカーリー(英語版)」やチップショップの「ミーリープディング」(mealy pudding) の主な材料

、塩、胡椒と混ぜてハイランド・ブラックプディングブラッドソーセージ)を作る。

アウターヘブリディーズ諸島では、オートミールを脂肪、水、玉葱調味料と混ぜて羊のに詰めて茹でたホワイトプディングの一種、「マラグ・ギール」を作り、スライスして朝食の卵料理に添える。

アイルランドでも、オートケーキやブラックプディングを作る習慣がある。
アメリカ合衆国

オートミールは以下の種類に分けられている。
インスタント・オートミール
お湯を注ぐだけでポリッジ(粥)になるようにアルファ化
加工したもの。子供用に甘味や果物の風味などをつけ、ビタミン類を添加した商品も販売されている。
ロールド・オーツ(英語版)
燕麦を蒸した後ローラーでつぶして押麦状にしたもの。
スティール・カット・オーツ(英語版)
燕麦の1粒を2つから3つにカットしたもの。ロールド・オーツよりも調理に時間がかかる。玄米に近い。全粒穀物の一種。

オートミールのポリッジは、子供向け教育番組『セサミストリート』に登場するバートの好物である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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