オートマチック・リボルバー(Automatic revolver)とは、回転式拳銃(リボルバー)のうち、射撃時のエネルギーを用いてハンマーおよびシリンダーを動作させるものを指す分類である。一般的なリボルバーでは、シングルアクションとダブルアクションのいずれの方式でも、これらの部品は射撃の度に手動で動作させる必要がある。純粋な半自動式を実現したリボルバーの例は稀である。また、自動排莢機構を備えた中折れ式リボルバーを指してこの語が使われることもある。 一般的なリボルバーは「手動式」(manually operated)の火器で、ハンマーをコッキングすることでシリンダーを回転させるシングルアクション、あるいはトリガーを引く力でシリンダーの回転とハンマーのコッキングを行うダブルアクションの2方式に大別できる。前者は射撃ごとにコッキングを行う必要があり、また後者は射撃と同時にコッキングも行われるものの、トリガープル(トリガーを引ききるのに必要な力)が重くなり、射撃精度に悪影響を及ぼすという欠点がある。 オートマチック・リボルバーの根底にあるアイデアは、ハンマーのコッキングとシリンダーの回転という2つの動作を自動化することで、シングルアクションのように引き金が軽く、かつダブルアクションのようにコッキングせず続けて射撃することが可能という、2つの方式の長所を兼ね備えたリボルバーを実現するというものである。多くの場合、自動化は前後に往復動作するスライドをフレーム上部に設けることで実現され、これは典型的な半自動式拳銃の仕組みとよく似ている。 1841年、イギリスの特許代理人モーゼス・プール(Moses Poole)がオートマチック・リボルバーに関する特許を受け取った記録が残されているが、考案者の身元は不明である[1]。また、1854年にはイギリスの特許代理人ウィリアム・エドワード・ニュートン(William Edward Newton)が、アメリカ人のマーションとホーリングスワースから別のオートマチック・リボルバーに関する特許を受け取っている[2]。これら2つの設計は、どちらもゼンマイ仕掛けを利用して半自動動作を実現していた。1895年に設計されたウェブリー=フォスベリー・オートマチック・リボルバーは、商業的な販売が行われ、また広く存在が知られた最初のオートマチック・リボルバーとなった。
概要
歴史
オートマチック・リボルバーの例
マーション&ホーリングスワース・セルフコッキング・リボルバー(Mershon & Hollingsworth Self-Cocking Revolver)は、アメリカのラルフ・S・マーション(Ralph S. Mershon)とジェフ・ホーリングスワース(Jehu Hollingsworth)によって設計され、1863年に「セルフコッキング・リボルバー火器の改良(Improvement In Self-Cocking Revolving Fire-Arms.)」という名称で特許取得が認められた。コルト・アーミーモデル M1860(英語版
ランスタ・リボルバー