オーデマ(オドマール)・ピゲ(Audemars Piguet ⇒発音例 、略称AP)は、スイスの時計・宝飾品メーカー。パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンとともに世界三大高級時計メーカーの一つに数えられている[1]。本社はジュー渓谷のル・ブラッシュ(Le Brassus、ヴォー州)にある。
1875年、ジュール=ルイ・オーデマ(オドマール)(Jules-Louis Audemars 、1851年-1918年)とエドワール=オーギュスト(オギュスト)・ピゲ(Edward-August Piguet 、1853年-1919年)によって高級時計ムーブメント製作会社として設立。その後自社ブランドの時計の製作を始め、トゥールビヨン、ムーンフェイズなど複雑な機構を備えた高級時計メーカーとして知られるようになった。代表的モデルとしてロイヤル・オークがあり、その他楕円形ケースのミレネリーなどが存在する。
パテック・フィリップ同様、創業以来製造したすべての時計の修理を保証しているほか、本社のあるジュウ渓谷にあった現存しない時計会社の懐中時計の修理も受け持っている[2]。
ロイヤル・オークロイヤルオーク・クロノグラフ
代表的なモデルとして、ロイヤル・オークと呼ばれるスポーツウォッチがある。ステンレス製の八角形のベゼルとケース、裏蓋が貫通して固定され、ネジ底が剥き出しとなっている八本のネジが特徴的である。さらに、文字盤には格子状に溝を刻んでいる。名前は、イギリスの清教徒革命の戦いにおいて皇太子チャールズ(チャールズ2世)が身を隠し、追手をかわしたとされる木ロイヤル・オーク、および、この木から名付けられた複数の戦艦ロイヤル・オーク(HMS Royal Oak)に由来するとされている[3][注釈 1]。
この時計はジェラルド・ジェンタがデザインを手がけ、クォーツショック直後の1972年にデビューした。ロイヤル・オークのデザインは、たった一日でデザインしたと言われている。「鋼へのオマージュ」というキャッチフレーズと共に、『スポーティー・ラグジュアリー』というコンセプトで発売された。ステンレス製の「高級時計」は当時例がなく、衝撃的なデザイン、39mmという当時としては大きいサイズ(今では「デカ厚」と呼ばれる大型の時計が広く市民権を得ている)とともに受け入れられ大ヒットし、世界中に多くのファンを持っている。
2005年には自社製のムーヴメントであるCal.3120を搭載したリニューアルモデルが発売された。2012年には、ほぼ1972年のオリジナルの文字盤を再現しつつムーブメントを薄型にした復刻モデルも発売されているが、他のモデルよりも高額となっている(2012年時点で183万7500円)[4]。
また派生モデルとしてクロノグラフ機能を持つ「ロイヤルオーク・クロノグラフ」、クロノグラフ機能を持ち耐磁防水性能をアップさせた「ロイヤルオーク・オフショア」などがある。
パートナーシップ
チームアリンギ - アメリカスカップに出場するチームアリンギのスポンサーを務め、コラボレーションモデル「ロイヤルオーク・オフショア ポラリス アリンギ」「ロイヤルオーク・オフショア レディ クロノグラフ」をリリースしている。
マセラティ - イタリアの自動車メーカー、マセラティとパートナーシップを締結し、同社のGTレース出場マシン、MC12のオフィシャルスポンサーともなっている。コラボレーションモデルは「ミレネリー デュアルタイム マセラッティ」「ミレネリー MC12 トゥールビヨンクロノグラフ」がある。
クイーンエリザベス2世カップ - 1999年よりクイーンエリザベス2世カップのスポンサーになり、香港ジョッキークラブと共催している。
アーノルド・シュワルツェネッガーは熱心なファンとして知られ、自身が主演した映画『エンド・オブ・デイズ』『ターミネーター3』のコラボレーションモデルを製作し劇中に登場させている。
各国の代理店及び現地法人にアンバサダーの認定を任せているため、ローカルスターの個人モデルが豊富に存在する (日本では*魔娑斗 ) いわゆる有名時計ブランドでは非常に珍しく創業以来創業家による経営が続いているが、資本投下を行なっていたジャガー・ルクルトがリシュモンに買収されたことからリシュモングループとの交流が深く、今でもジャガー・ルクルトの株式は一部持ち続けている。またムーブメントの開発と製造を行う専門メーカー、ルノー・エ・パピ(Renaud et Papi )を傘下に収めている。
アンバサダー
ルーベンス・バリチェロ
ヤルノ・トゥルーリ
セバスチャン・ブエミ
ミハエル・シューマッハ
資本
注釈^ ベゼルの形状が戦艦ロイヤル・オークの舷窓に由来するとも言われるが、デザイナーのジェラルド・ジェンタは潜水服のヘルメットから着想を得たと語っている。
脚註^ 並木浩一『腕時計一生もの』光文社〈光文社新書〉、2002年、207頁頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-334-03148-X。
^ 付録『【ブランド別 完全カタログ VOL.1】オーデマ ピゲ』P.7、「時計Begin
^ “時計にまつわるお名前事典 / オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」”. webChronos. 2020年4月4日閲覧。
^ ⇒オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク 復刻モデル、『クロノス』2012年9月号
外部リンク
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