音楽雑誌(おんがくざっし)は、音楽と音楽文化を主なテーマとした雑誌である。この種の雑誌が典型的に収録している内容には、音楽ニュース、インタビュー、写真、エッセイ、レコード評、コンサート評などが含まれ、時には録音物を収めた媒体が付録とされることもある。
新聞に準じた体裁となっているものについては、音楽新聞、音楽紙などと称される場合もある[注釈 1]。 イギリスでは、音楽雑誌が非常に多く出版されているが、『ニュー・ミュージカル・エクスプレス (NME
著名な音楽雑誌
イギリス
イギリスで最も歴史が長い音楽雑誌は、1903年にクリフォード・エセックスによって創刊された『BMG』である[3]。誌名の『BMG』は、バンジョー、マンドリン、ギターの頭文字であり、フレット付きの弦楽器に関する最古の雑誌であり、積極的にあらゆる種類のアコースティック楽器類の普及に取り組んでいる。 アメリカ合衆国の主要な音楽雑誌には、『ローリング・ストーン (en:Rolling Stone
アメリカ合衆国
なお、一般的な音楽愛好家向けではなく、音楽業界関係者を主な読者とする『ビルボード (Billboard)』は、「間違いなく現存する最大の音楽誌」とされることもあるが[4]、そのチャートは他の紙媒体や放送を通じて広く普及しているものの、通常の音楽雑誌と同列には扱われないこともある。同様に、もっぱら掲載する音楽チャートによって知られていた『ラジオ&レコーズ (Radio & Records)』、『キャッシュボックス (Cashbox)』、『レコード・ワールド (Record World)』などにも同じような事情があてはまる。なお、アメリカ合衆国における、音楽雑誌が編集する音楽チャートの先駆的事例として、1939年に読者による投票でジャズの年間トップ・インストゥルメンタリストを選定した『メトロノーム (Metronome)』が言及されることがある[4]。『ビルボード』が音楽チャートを掲載し始めるのは1940年からであるが、これより早い1936年1月4日付には、独自の集計ではなく、各レコード会社から提供されたデータに基づいた、レコード会社ごとのトップ10を記事として掲載していた[5]。 ドイツを中心としたドイツ語圏では、いち早く18世紀後半から音楽雑誌が存在していたが、特に1815年から1914年の100年間は、音楽雑誌が数多く創刊され、音楽に関する情報の流通が拡大し、音楽ジャーナリズムが形成された時期であった[6]。中でも『アルゲマイネ・ムジカリッシェ・ツァイトゥング (Allgemeine musikalische Zeitung
ドイツ