オンド・マルトノ
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2011年8月)
オンド・マルトノ(第7世代モデル)
左側が椅子と鍵盤(楽器本体)。その右が各スピーカーで、上部がパルム、下部がプランシパル。このプランシパルは内側の下部にレゾナンスを含む。一番右側がメタリック

オンド・マルトノ (Ondes Martenot) とは、フランス人電気技師モーリス・マルトノによって1928年に発明された、電気楽器および電子楽器の一種である[1]

鍵盤(英名キー key 、仏名クラヴィエ clavier )またはその下につけられたリボン(英名リボン ribbon 、仏名リュバン ruban )を用いて望む音高を指定しつつ、強弱を表現する特殊なスイッチ(英名タッチ touch 、仏名トゥッシュ touche )を押し込むことによって音を発することができる。多くの鍵盤型電子楽器がオルガン同様両手の同時演奏や和音による複数の音を同時に発することができるのに対し、オンド・マルトノはテレミン(テルミン)に類似しており、基本的には単音のみの発音しかできない。

鍵盤とリボンによる2つの奏法、特にリボンを用いた鍵盤に制限されない自由な音高の演奏、トゥッシュと呼ばれる特殊なスイッチによる音の強弱における様々なアーティキュレーション表現、多彩な音色合成の変化、複数の特殊なスピーカーによる音響効果によって、様々な音を表現することが可能である。

発明された時期は電子楽器としては古く、フランスを中心に多くの作曲家がこの楽器を自分の作品に採用した。それらの中には近代音楽以降のクラシック音楽現代音楽の重要レパートリーとなった曲も多く、現在も頻繁に演奏される。

本来は三極真空管を用いた発振回路で音を得るが、第7世代以降は集積回路を用いたモデルも製造された。
歴史

以下の分類はTechnique de l'onde electronique ジャンヌ・ロリオ著に基づくものである[2]

最初オンド・ミュジカル Ondes musicales (音楽電波)と言う名前で発表されたが、後に多くの同様の仕組みの電子楽器が現れたため、発明者の名を取ってオンド・マルトノと呼ばれるようになった。

一般にオンド・マルトノと呼ばれる楽器の形が整ったのは第5世代からで、オンド・マルトノのために書かれたほとんどの作品は第5世代以降の形において初めて演奏可能である。
第1世代(1918年)

第1世代はテレミン(テルミン)を真似てほぼ全く同じ原理のものが作られた。これはもちろんモーリス・マルトノのオリジナルではなく単にテレミンの複製に過ぎないので、オンド・マルトノとは見なされない。詳しくはテレミンの項を参照。

第一次世界大戦において通信技師を務め、三極真空管の発する振動原理に対し興味を持っていたマルトノが、テレミンの構造を伝え聞いて作った楽器である。
第2世代(1928年)

第1世代がテレミンとほぼ同型で、つまりテレミンと同様に空間上の手の位置で音程を変えていたのに対し、第2世代は紐の張力により音程を調節することになった。これがリボンの原型にあたる。まだ鍵盤はなく、楽器本体はただの箱型である。楽器に対しては距離をとり、一歩ほど引いた位置に立って紐を構えた。これはテレミンの演奏における姿勢を踏襲している。そして楽器本体から離れたところにばねの張力によるスイッチを置き、左手で音量を調節した。これがトゥッシュの原型になる。

この世代をもって初めてオンド・マルトノが発明されたことになる。

この楽器を用いて、1928年秋にパリのオペラ座で披露演奏会が行われた。
第3世代(1931年)

第3世代は楽器前面の木枠に鍵盤を模した絵が書かれたが、これは模造品であり、鍵盤としての機能は果たさない。
第4世代(1932年)

第4世代は鍵盤が演奏可能に改良されたが、リボンは相変わらず離れた位置から引っ張って操作するので、鍵盤とリボンを同時に切り替えて演奏することはいまだに全く実用的ではなかった。

伊福部昭の著書「管絃楽法」のオンド・マルトノの項目では、楽器構造の説明に dummy keyboard と書かれているが、この記述はこの第4世代楽器によるものと思われる。また同じ本ではリボン奏法に関して実際の演奏にあつては、このRingの左右移動は右手の担当する処であるが、Martenotにあつては、此の奏法の他に、単にWW1に連る紐を前後に引くもの、叉、鍵盤に手を触れることに依つても発音し得る様に作られたもの等がある。此の様に右手には三種の操作法がある。

と書かれているが(下線部編集者加筆)、この前後に引く紐は第2世代から第4世代まで用いられた。なお下記の第5世代からはこの紐(リボン)を前後に引く奏法は採用されず、現在の操作法はリボンを平行に操る奏法と鍵盤奏法の2種類である。
第5世代(1935年)

これ以降が現行の楽器である。現在我々が目にするオンド・マルトノの主たる外見は、この第5世代で決定された。構造に関しては次章を参照。

オンド・マルトノのために書かれたオリジナル曲は、第2世代のお披露目演奏会に用いられた曲など一部を除いて、ほとんど全てがこの世代以降のモデルを対象としている。

また、樹脂製の細長い板を曲げて、電波を思わせる特徴的なデザインの譜面台も、この第5世代から採用されている。
第6世代(1950年)

後述のメタリック・スピーカーとパルム・スピーカーが初めて標準で付属した。
第7世代(1974年)

発音原理として真空管の代わりに集積回路が採用された。

操作盤がより視覚的に音色を把握できるように改良された。また音色にピンクノイズが追加された。

リボンがリボン製からワイヤー製に変更された(しかし奏法に関しては引き続きリボンと呼ぶ)。
第8世代(1980年代)

アトリエ・モーリス・マルトノが開発した最終モデル。

倍音に基づく三和音を同時演奏可能。これはオルガンのストップの構造を模している。

これ以降アトリエ・モーリス・マルトノでは公式な後継機種を発表していない。しかし別の会社が「オンデア」と呼ばれるさらに発展した後継機種を開発している。下記詳述。
構造と演奏法
トゥッシュ、鍵盤、リボン
トゥッシュ

トゥッシュは後述の操作盤についており、オンド・マルトノの鍵盤よりも分厚く、色は白だがピアノの黒鍵が一本だけついているような形をしている。全体の演奏表現を司るこのトゥッシュはオンド・マルトノの演奏で最も重要な部分であり、弦楽器における弓に相当する。トゥッシュを押し込む際のさわり心地は非常に柔らかく、グランドピアノのように繊細な指の加減が要求される。この感触は内部の和ばさみ型金属ばねと、それに挟まれ伝導率を調整するカーボン粉の袋によるものである[3]

左手は通常トゥッシュに置かれるが、鍵盤を広域に使う奏法(後述のトレモロなど)が必要な場合は両手で鍵盤を演奏する場合もある。このトゥッシュは通常左手人差し指で演奏されるが、ペダルによって足でも演奏可能であり、両手で鍵盤を演奏する場合に使われる。しかし左手で演奏した方がより細かな表情を表現できる。

第7世代モデル以降のペダルは2つが組になっており、5pin DINコネクタで操作盤の左脇に接続する。主に右側のペダルを用いるが、左側のペダルで全体の音量つまり右側のペダルの振幅を調節することも可能である。
鍵盤

鍵盤はC1-B6までの6オクターヴ72鍵ある(7オクターヴに1音足りない)。また鍵盤中央部の下にオクターヴ切り替えスイッチがついており、実質B7まで対応している。ピアノはさらにその下のA0まであるので下方に3本、また上方のC7からC8の13本が足りないものの、通常音楽的に使われるオクターヴは全て対応している。教育用楽器として作られた機種では4オクターブのみを持ち、スイッチによってオクターヴを切り替える機種もある。

この鍵盤の一本一本のサイズはピアノよりも狭く、離れた音程間の跳躍やトレモロに適している。鍵盤全体を左右に指で震わせることによってヴィブラートや微分音程への滑らかな移行も可能である。これらは平均律に調律されている。(クラヴィコードのヴィブラートは鍵盤を押し込んで揺らすので、これとは方法が異なる。)

鍵盤中央部の下には、全体の調律のためのダイヤルがついている。通常はA4=440Hzにチューニングされているが、これを変更することも可能である。

鍵盤はネジで楽器本体の枠に固定されており、このネジを緩めることによって鍵盤による微分音程の移行やヴィブラートのかかる範囲が変わってくる。ネジをきつく締めるとほとんどヴィブラートはかからないが、激しい奏法が要求される際に音程が揺らぐのを防ぐことが出来る。

また鍵盤上で素早いトレモロを演奏しながらレゾナンスまたはパルムスピーカー(後述)を用いることにより、擬似的な和音を奏でることも可能である[4]。これはアンドレ・ジョリヴェのオンド・マルトノ協奏曲の第1楽章カデンツァ、トリスタン・ミュライユの「マッハ2.5」(2台のオンド・マルトノのための)などで効果的に用いられている。複数の鍵盤を同時に押した場合は低い音が優先される。このためトレモロでは一番高い音を常に指で押さえ、低い音を素早く押したり離したりする。3音以上の場合は2番目以下の低い複数音を交互に押さえる。弦楽器に於いて低い音を押さえつつ高い音を断続的に押さえるトレモロ奏法に似ているが高低の関係は逆になる。


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