オレゴン・ワイン
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オレゴン(ワイン原産地)
正式名称
オレゴン州
タイプ
原産地の創立1859年
ワイン産業1965年–現在
アメリカ合衆国
所属原産地アップルゲート・ヴァレーAVA、チュヘイラム・マウンテンズAVA、コロンビア・ゴージAVA、コロンビア・ヴァレーAVA、ダンディ・ヒルAVA、エオラ・アミティ・ヒルズAVA、マクミンヴィルAVA、レッド・ヒル・ダグラス・カウンティAVA、リボン・リッジAVA、ローグ・ヴァレーAVA、スネーク・リバー・ヴァレーAVA、サザン・オレゴンAVA、アムクワ・ヴァレーAVA、ワラ・ワラ・ヴァレーAVA、ウィラメット・ヴァレーAVA、ヤムヒル・ カールトン・ディストリクトAVA
気候区分I-III
総面積98,466平方マイル (255,026 km2)
ブドウ園面積14,100平方マイル (36,519 km2)
ブドウの品種バコ・ノワール、バルベーラ、ブラック・マスカット、カベルネ・フランカベルネ・ソーヴィニョンシャルドネ、シュナン・ブラン、ドルチェット、ガメゲヴュルツトラミネールグルナッシュ、フクセルレーベ、マルベック、マレシャル・フォシュ、メルロー、ミュラー=トゥールガウ、マスカット・カネリ、プチ・ヴェルド、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ムニエ、ピノ・ノワールリースリング、サンジョベーゼ、ソーヴィニョン・ブラン、ショイレーベ、セミヨンシラー、ヴィオニエ、ジンファンデル[1]
ワイナリー数303ヶ所
補足全て2005年のデータ
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オレゴン・ワイン(Oregon wine)は、アメリカ合衆国オレゴン州で生産されているワインである。オレゴン州をはじめとして州境をまたいだワシントン州アイダホ州の一部にはブドウの栽培に適した地域が数多く存在しており、1840年代よりワイン生産が行われていた。1960年代に入り、これらのワインは商業用の生産が開始された。

オレゴン州にあるアメリカブドウ栽培地域(American Viticultural Area, AVA)のうち、その全域が州内に含まれる地域に、ウィラメット・ヴァレーAVA、サザン・オレゴンAVA、アムクワ・ヴァレーAVA、ローグ・ヴァレーAVAなどがある。一方、部分的にオレゴン州に属している地域は、コロンビア・ゴージAVA、ワラ・ワラ・ヴァレーAVA、スネーク・リバー・ヴァレーAVAである。オレゴン州で栽培される最も重要なブドウ種はピノ・ノワールピノ・グリ(Pinot gris)で、2005年には16,000トン(14,515メートルトン)以上が収穫された。

オレゴン州には303のワイナリー(ワイン醸造所)があり、ワイン・テイスティングを中心に観光業が発展した。このような観光業は、ポートランド南西に広がるヤムヒル渓谷で、特に著しい。2004年にはワイン観光業の総売り上げが9200万米ドルに達した。
オレゴン・ワイン生産の歴史詳細は「オレゴン・ワイン生産の歴史」を参照

オレゴン・ワインは、オレゴン準州が成立した1840年代から生産されていたが、ワイン生産が州の主要産業として興隆を迎えたのは1960年代に入ってからである。1847年に初めてブドウの栽培が始まり、記録上最も古いワイナリーは1850年にジャクソンヴィルで設立した。19世紀の間は、さまざまな品種のブドウが移民によって実験的に栽培された。1904年、オレゴンのワインメーカーがセントルイス万国博覧会で入賞を果たした。その後、禁酒法でワイン生産は一時中断した。他の州と同じく、オレゴンのワイン産業は禁酒法廃止後の30年間、休止期が続いた[2][3]ジ・アイリー・ヴィンヤーズのデイヴィッド・レット

オレゴン州のワイン産業は1960年代に再編が始まった。1960年代にはカリフォルニア州のワインメーカーも幾つかのブドウ園をオレゴン州に開園している。ウィラメット渓谷は、それまでブドウ栽培には寒すぎると永らく考えられてきたが、この時期になってピノ・ノワールの栽培が始まった。1970年代に入ると、さらに多くの州外ワインメーカーがオレゴン州にブドウ園を開園している。土地利用に関する州法は、地方丘陵の宅地利用に制限をかけ、ブドウ園に適した広大な土地を保護した。1979年、ジ・アイリー・ヴィンヤーズがワイン・オリンピックの1975年製ピノ・ノワール部門に出場。同地域のワインとしては初めて、世界最高級の評価を獲得した[2][3]

1980年代に入っても高い評価は変わらず、オレゴン州にワイナリーとブドウ園が次から次へと設立した。オレゴン・ワイン産業は発展を続け、州内で初めてとなるアメリカブドウ栽培地域(American Viticulture Areas, AVA)が確立。またオレゴン州はフランスブルゴーニュ地域との関係を強めていく中で、オレゴン州知事がブルゴーニュへの公式訪問を果たし、フランスの優れたワイン農家がオレゴン州のダンディーに土地を購入するに至った[2][3]

1990年代初頭、オレゴン州のワイン産業はブドウネアブラムシ(Phylloxera)の大発生に苦しんだが、ワインメーカーはすぐさま耐久性に優れた台木(rootstock)を使用し、深刻な被害の回避に尽力した。州議会はワイン生産と流通を高めるように作られた新法を制定した。州は「グリーンなワイン生産」と呼ばれる環境に優しいワイン産業を目指した生産形態に着目した。新しいAVAも設立され、2005年までに314のワイナリー、519のブドウ園が州内で稼働している[2][3]
ワインのブドウ品種

アメリカ合衆国で生産されている他のワインと同じく、オレゴン州のワインは、単一品種のブドウで作ったワインが市場に出ている。オレゴン州法は、オレゴン州で生産されるワインは原材料となったブドウ品種を明示しなければならず、またその品種を90%以上含まなければならない、と規定している。オレゴン州法は長期間に渡り原産地以外の地名を用いることを禁止している。オレゴン・ワインはピノ・ノワールと呼ばれるブドウ品種が最も有名で、州内の全域で生産されている。特にウィラメット・ヴァレー産のピノ・ノワールは、ワインの愛好者や評論家から多大な称賛を得ており、オレゴンは今や世界でも一級のピノ生産地域としての評価を確立している[4]

2005年にオレゴン州で生産された品種の上位5種:

ピノ・ノワール 7,974エーカー(32 km2)、12,086ショートトン(10,964メートルトン)

ピノ・グリ(Pinot gris) 1,184エーカー(5 km2)、4,317ショートトン(3,916メートルトン)

シャルドネ 842エーカー(3.4 km2)、1,568ショートトン(1,422メートルトン)

メルロー 550エーカー(2.2 km2)、675ショートトン(612メートルトン)

リースリング 524エーカー(2.1 km2)、1,000ショートトン(907メートルトン)

他にオレゴン州で生産されている主要な品種に、カベルネ・ソーヴィニョンゲヴュルツトラミネール、ミュラー=トゥールガウ、ピノ・ブランソーヴィニョン・ブランセミヨンシラーがある。

少量ながらも生産されているV. vinifera(ヨーロッパ・ブドウ)のワインに、アルネイス、バコ・ノワール、カベルネ・フランシュナン・ブラン、ドルチェット、ガメ・ノワール、グルナッシュ、マレシャル・フォシュ、マルベックマスカットネッビオーロ、プティ・シラー、サンジョヴェーゼテンプラニーリョヴィオニエジンファンデルがある。

また、スパークリング・ワイン、レイト・ハーベスト・ワイン、アイス・ワインデザート・ワインも生産されている[5]


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