オリオン大星雲
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オリオン大星雲[1]
Orion Nebula[2][3]

オリオン大星雲 (M42)
仮符号・別名M42
星座オリオン座
見かけの等級 (mv)+4.0[3]
視直径85' x 60'[3]
分類HII領域[2]
輝線星雲反射星雲[3]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 05h 35m 17.3s[2]
赤緯 (Dec, δ)?05° 23′ 28″[2]
赤方偏移0.000096[2]
視線速度 (Rv)28.9 km/s[2]
固有運動 (μ)赤経: 1.67 ミリ秒/年[2]
赤緯: -0.30 ミリ秒/年[2]

距離1,300光年[3](約0.40kpc)

他のカタログでの名称
オリオン星雲[4]

Great Orion Nebula[2]
M 42[2]
NGC 1976[2]
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オリオン大星雲[1](オリオンだいせいうん、M42、NGC 1976)は、オリオン座の小三つ星付近に広がる、天の川銀河内にある散光星雲である[5]
概要

推定年齢は1万年と若く、星が誕生している現場でもある[5]。オリオンのベルトにあたる三つ星の中央下方の小三つ星付近にあり、肉眼で確認できる[5]肉眼で見える星雲の中で干潟星雲(M8)と並び最も明るいものの一つである。地球から約1,300光年の距離にあり[3][5]、約20光年の実直径を持つと考えられている[3]。低倍率の双眼鏡でもはっきりと見ることができる。肉眼では通常緑がかった色に見える。

オリオン大星雲の中心部には、4重星のトラペジウム (Trapezium) を主要な構成メンバーとする、非常に若い星からなる散開星団がある。ハッブル宇宙望遠鏡などの強力な望遠鏡による観測で、オリオン大星雲の中に塵の円盤に包まれた星が多数発見されている。これらの星は周囲に惑星系が形成される非常に初期の段階にあるものと考えられている。

オリオン大星雲は比較的大きい星雲であるため、経験の浅い観測者にとって撮影対象にされる事が多い星雲でもある。70mmF2.8程度の望遠レンズでフィルム感度ISO800で5分間ガイド撮影を行うと比較的容易に撮影できる星雲でもある。さらに、一眼デジタルカメラで撮影をすると、フィルム撮影のような長時間露出による感度低下がないため、露出時間はさらに短くできる(長時間露出をするとノイズが目立ってくるので、短時間で切り上げコンピュータ上で合成するのも常套手段になっている)。

地球に最も近い大質量星形成の領域である。M42星雲の大きさは24光年と推定されている。質量は太陽の約2,000倍である。古い文献では、オリオン星雲を「オリオン座の大星雲」と呼ぶことが多い[7]。

肉眼でも、オリオンの小三つ星の中央の近くにぼんやりとした光のシミに見える。また、双眼鏡では淡い光の広がりが確認できる。トラペジウムに向かう暗黒の切れ込みが確認できる。口径6cm程度の望遠鏡でも、M43と合わせて、鳥が飛んでいる形に見えてくる。トラペジウムも確認できる。口径20センチメートルでは複雑な暗黒帯の切れ込みがよりはっきりとわかりすばらしい眺めである。この口径から次第に緑色が見え始める。天体写真では赤い色を基調に青や黄色など色々な色が混じった写真をよく見るが、通常の天体望遠鏡では光量が不足してモノクロにしか見えないのが普通である。特に赤い色 (Hα) は人間の眼に感知しにくい色である。(小口径でも低倍率で赤い色を見たとの報告もあるが、これには論議がある)口径30センチメートルで条件がかなりよければ、トラペジウムを5つの星に見ることができる。口径40センチメートルでは全体が緑色に見える。口径50センチメートルではほんの少し紅い色が混じってくる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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