オリエンタル写真工業
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オリエンタル写真工業株式会社
Oriental Photo Corporation
種類株式会社
市場情報東証1部 4903
1949年5月16日 - 1963年9月30日東証2部 4903
1963年10月1日 - 1995年8月15日
本社所在地 日本
東京都千代田区神田紺屋町11番地 鈴野ビル
設立1919年
法人番号9010001069471
事業内容写真フィルム印画紙等の製造および販売
関係する人物菊地東陽
植村澄三郎
勝精
五十嵐与七
渋沢秀雄
渋沢栄一
中鉢直綱
福島格
外部リンク ⇒cybergraphics.co.jp
ilfordphoto.jp
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オリエンタル写真工業株式会社(オリエンタルしゃしんこうぎょう)は、写真フィルム印画紙等の感光材料の製造および輸入販売を行なう日本の企業である[1]

1919年(大正8年)、オリエンタル写真工業株式会社として創立[1][2][3]。2000年(平成12年)から2023年(令和5年)まではサイバーグラフィックス株式会社と称した[4]。1997年(平成9年) - 2003年(平成15年)の間、プラザクリエイトの子会社であった[5]

2003年(平成15年)にMBOにより再独立[1][5]、「オリエンタル」は現在も同社のブランド名であり登録商標である[6]。2008年(平成20年) - 2023年(令和5年)の間、イルフォード・フォト製品、ケントメア・フォトグラフィック製品等の日本での総代理店であった[4]
沿革

日本での写真の歴史は、明治時代から感光材料を輸入に依存しており、この国産化を志した菊池東陽が、1904年(明治37年)にアメリカ合衆国に渡り、1918年(大正7年)、長年の研究の結果、感光乳剤の製法を完成して帰国したところから、同社の歴史は始まる[7][3]

翌1919年(大正8年)9月、菊池は、実業家渋沢栄一に紹介された大日本麦酒常務取締役の植村澄三郎[8]を会長に据え、オリエンタル写真工業を設立[1][9][3]、取締役技師長に就任する[3]。所在地は、東京府豊多摩郡落合村字葛ヶ谷660(現在の東京都新宿区西落合2-18)[10]。資本金60万円、創業当時は取締役、事務営業系社員、職工あわせて25人程度、工場は300坪で、印画紙製造から始めた[11]

渋沢の家の写真師であった五十嵐与七(江木写真店)も取締役として、経営に参加している[12]。1921年(大正10年)には、国産初の人像用の印画紙の製造・販売を開始[3]、輸出も開始する[13]

1924年(大正13年)には、同社企画宣伝課内にフォトタイムス社を設置、前年に入社した木村専一を編集長に、写真雑誌『フォトタイムス』を創刊し、写真についての啓蒙を推進する[1][10][14]。1929年(昭和4年)には、菊地が同社取締役社長に就任[3]オリエンタル写真学校を開設、写真家や技術者の育成を行なった[1][15]。同校は、映画監督の木下恵介(1930年入学)[16]、写真家の植田正治(1932年入学)[17]、同じく写真家の林忠彦(1938年入学)らを輩出した。1932年(昭和7年)には、工場敷地内に オリエンタル映画社を設立してトーキー用の撮影所を設置、日本のウェスタン式トーキー第一作『浪子』を製作、パラマウント映画日本支社)が配給して東京の帝国劇場等で公開したが、同映画社は同作一作のみで閉じられた[18][19]

1939年(昭和14年)4月5日、社長の菊地が死去した[3]。1940年(昭和15年)12月号をもって『フォトタイムス』が休刊、太平洋戦争の戦時体制となる翌年1941年(昭和16年)1月に創刊された『報道写真』に統合され[1][10]、1945年(昭和20年)5月の空襲で工場と写真学校を焼失、学校は廃校とならざるを得なかった。

太平洋戦争の終結後は、1949年(昭和24年)5月16日に東京証券取引所一部に上場、日本最初のカラーネガティヴフィルム「オリカラー」および「オリエンタルカラーペーパー」を発売している[1]。1963年(昭和38年)10月1日には、東京証券取引所一部から二部上場に変更している。1983年(昭和59年)10月には新工場を静岡県御殿場市に竣工、西落合を撤収し移転、また同じころに神奈川県平塚市に合理化工場を竣工している[20]

1995年(平成7年)8月15日、会社更生法適用を申請し、東京証券取引所二部を上場廃止に至り、2年後の1997年(平成9年)には、子会社の「オリエンタル写真商事」「株式会社オリエンタルカラー」とともにプラザクリエイトに買収された[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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