オリエンタリズム
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この項目では、思考様式について説明しています。エドワード・サイードの著作については「オリエンタリズム (サイード)」をご覧ください。
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2012年12月)
ウジェーヌ・ドラクロワの「アルジェの女達」。退廃的で官能的でもある、この作品は西ヨーロッパ人の持った東方世界のイメージの現れである。

オリエンタリズム(: Orientalism、: Orientalisme)または逆オクシデンタリズム: reverse Occidentalism)[1]とは、東方趣味[2]東洋趣味[3]異国趣味[2]。「オリエント世界(西アジア)へのあこがれに根ざす、西欧近代における文学芸術上の風潮」とされる[3]。反東洋思想ともいう[4]。または西洋の人々が東洋の人々を偏った見方で捉えようとする態度のことを指す。[5]

オリエンタリズムは「世界を西洋と東洋に分けて考える考え方」とも[6]、「二項対立」とも呼ばれる[7]。オリエンタリズムを批判する立場は「『東洋(オリエント)』と『西洋(オクシデント)』といった呼称を完全に否定する、極端な立場」とされている[8]。オリエンタリズムで言う「オリエント」は、考古学歴史学上のオリエントほど厳密ではなく、ヨーロッパから見た東方世界全体(極東アフリカ北部含む)を指す[9]。この「オリエント」は「第三世界」ともいう[10]。元来、特に美術の世界において、西ヨーロッパにはない異文明の物事・風俗(それらは“東洋”としてひとまとめにされた)に対して抱かれた憧れや好奇心などの事を意味する。西洋史美術史などの分野では「東方趣味」「東洋志向」などの訳語が与えられてきた。しかしながらパレスチナ出身のアメリカの批評家、エドワード・サイード(1935-2003)が、著書『オリエンタリズム』Orientalism(1978年)において、今日的で新たな意味をこの言葉に附与した。後者の概念で使われるときには、翻訳ではそのまま「オリエンタリズム」と表記されることが多い。
概要

サイードによれば「オリエント(東方・東洋)」とは、二分法から生まれた、幻想想像上の非現実的世界である[11]。オリエントに対する見方や考え方を「オリエンタリズム」と言い、それは長期に渡って継承されてきた思考様式を指す[12]
オリエンタリズムによるロマン主義的支配

オリエンタリズムという概念は、エドワード・サイードの著作『オリエンタリズム』(1978年)によって一躍有名になった[11]。サイードはここで、従来に無かった鋭い問題意識と視点に基づき、厳しい批判と考察を行った[13]

伝統的に西欧で継承されてきた「オリエンタリズム」という概念は、東洋人のイメージとして好色・怠惰、自分の言語や地理等を把握できず、独立国家を運営もできず、肉体的にも劣った存在というイメージを作る[12]。こうしたオリエンタリズムはロマン的・異国情緒的・軽蔑的にすぎず、それは西欧(オクシデント)の文芸や絵画上の流れの一つだった[12]。サイードはオリエンタリズムを、オリエントに対するヨーロッパの思考様式であると同時に、支配の様式でもあると見なす[12]。すなわち「知」と「力」が結合して、オリエンタリズムは支配の様式にもなる[12]

サイードによればオリエンタリズムの根底には、オリエント(東方)とオクシデント(西方)との間に「本質」的な違いが存在するのではないか、という漠然とした見方がある[12]。そうした曖昧な概念が、一定のイメージ図式等によって表現され続けるうちに、あたかもそれが「真実」であるかのように思い込まれ、それが長い間に人間の心理に深く浸透し強化されて、オリエントへの特定の見方や考え方が形成され、次第に独り歩きを始めるに至った[12]。その結果、オリエンタリズムから自由に現実を見ることはできなくなる[12]

こうしたサイードの書物『オリエンタリズム』は、東方に対する見方を一変させる「事件」だった[12]。その結果、一方では西洋式近代化への懐疑が起こり、他方では東洋と西洋の相違・類似に関する研究や異文化融合論、人類共生への模索等が議論されるに至った[12]
オクシデンタリズムとの関係詳細は「オクシデンタリズム」を参照

「オクシデンタリズム(Occidentalism)」または「逆オリエンタリズム(reverse Orientalism)」[1]とは、オリエンタリズムの片割れ[14]


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