オランダ語から日本語への借用(オランダごからにほんごへのしゃくよう)とは、オランダ語から日本語に入った借用語や翻訳借用のことである。 オランダ語はポルトガル語、スペイン語などに次いで日本に伝来したヨーロッパの言語である。1609年(慶長14年)、オランダ(当時はネーデルラント連邦共和国)の東インド会社は、平戸にて貿易を開始した。それから30年ほどを経た1640年(寛永17年)に同社は長崎の出島に移り、鎖国となってからもヨーロッパで唯一交易を保ち、彼らの文物を日本に伝え続けた。その過程においてオランダ語の数多の名詞が流入、定着した。 日本語オランダ語備考
概要
借用語の一覧
アスベストasbest
アルカリalkali元はアラビア語。
アルコールalcohol元はアラビア語。
インキinkt
エゲレスEngelsch「イギリス」はポルトガル語由来。
エキスextract
エーテルether
エレキ(エレキテル)elektriciteit
お転婆ontembaar原義は「手に負えない」の意。オランダ語由来でないとする説もあり。
オルゴールorgel
オレーフolijf
ガスgas
カバンkabas
ガラスglas
カランkraanドイツ語の「kran」が語源。
カリウムkalium
カンkan
カンテラkandelaar原義はろうそく(キャンドル)の意。
カンフルkamfer
キナkina
キニーネkinine
ギプスgips
コックkok
コップkopポルトガル語の「copo」が先に由来するという説もある。
コーヒーkoffie
ゴムgom
コルクkurk
コンパスkompas
サーベルsabel
サフランsaffraan
シロップsiroop
ジャガタラJacatraジャガイモも同語源。
スコップschop
ズックdoek
スポイトspuit
ソーダsoda
ソップsop
タラップtrap
ダンスdans
チンキtinctuur
デッキdek
ドイツDuits(land)ドイツ語の「Deutschland」に由来するという説もある。
ドックdok
どんたくzondag半ドンも同語源。
ニッケルnikkel
ビーカーbeker
ピストルpistool
ビールbier
ピンセットpincet
ピントbrandpunt
フラフ
ブリキblik
ペストpest
ベルギーBelgie
ペンpen
ベンガラBengala
ペンキpek
ホックhaak
ホップhop
ポマードpommade
ポルダ
ホースhoos
ボール盤boor bank
ポン酢pons原義は柑橘類の果汁を指し、転じて合わせ酢を指すようになった。ポン酢醤油の略称としても使われる。飲み物の「ポンチ(パンチ)」も同語源。
ポンドpond
ポンプpomp
マストmast
マドロスmatroos
マホメットMahomed
マラリアmalaria
マントmantelポルトガル語の「manto」が先に由来するという説もある。
メスmes
モルモットmarmot
モルヒネmorfine
八重洲Jan Joostenオランダ人船員ヤン・ヨーステンの日本名、「耶楊子(ヤヨス)」が転じたもの。
ヨードjodiumドイツ語の「Jod」に由来するという説もある。
ヨードチンキJoodtinctuur
ヨーロッパEuropa
ランドセルransel
ランセットlancet
ライスターフェルrijsttafel
ランプlamp
リウマチrheumatisch「ロイマチス」はドイツ語の「Rheumatismus」から。
リュックサックrugzak
ルーデサックroede-zak
レッテルletter
レトルトretort
レンズlens
ロストル