オムニ_(雑誌)
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オムニ
Omniカテゴリ科学、
サイエンス・フィクション
創刊者キャシー・キートン
ボブ・グッチョーネ
創刊号1978年10月 (45年前) (1978-10)
最終号1997年
発行元ジェネラル・メディア
アメリカ合衆国
拠点ニューヨーク
言語英語
ウェブサイト ⇒omnimagazine.com
ISSN0149-8711
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オムニ(Omni)は、アメリカ合衆国イギリスで発行されていた科学・SF雑誌である。科学、超心理学の記事や、SFやファンタジーの短編が掲載されていた[1]。1978年10月から1995年まで印刷版として発行された。1986年にCompuServeで最初のオンラインマガジン(英語版)が発行され、1996年にはオンラインでの発行に移行した[2][3]。1997年後半、共同創立者のキャシー・キートンの死後、突然発行を中止した。翌年4月に雑誌のウェブサイトの更新も停止した[4][5]
歴史
コンセプト

『オムニ』は、キャシー・キートンと、彼女の長年の協力者であり後に夫となるボブ・グッチョーネ(『ペントハウス』誌創刊者)によって創刊された[6]。キートンは、「科学と超常現象のあらゆる領域を探求し、未知の世界の隅々まで掘り下げ、その発見の一部をフィクションに投影する雑誌」の発行を望んでいた[7]

作家で『グッド・ハウスキーピング(英語版)』誌の元編集者であるディック・テレシ(英語版)が雑誌の企画書を書いた[6][8]。当初は「ノヴァ」(Nova)という名前で宣伝をしていたが、PBSの科学番組「ノヴァ(英語版)」と同名だったため、創刊前に変更された[1][9][10]。グッチョーネはこの雑誌を、「科学的事実、フィクション、ファンタジー、超常現象を混ぜ合わせた、物議を醸すことはないにしても独創的な雑誌」と表現した[11]。第1号には有名な物理学者フリーマン・ダイソンの独占インタビューが掲載され、第2号には未来学者で『未来の衝撃(英語版)』の著者のアルビン・トフラーのインタビューが掲載された。

雑誌の大半は空想家や科学や科学者の意見を元としたゴンゾースタイルの科学ジャーナリズムの記事であった。『オムニ』のインタビューは進化生物学から宇宙のカオス理論までの広範囲に渡り20世紀の科学のもっとも偉大な思索家の言葉を集成している。『オムニ』は不遜にも科学を娯楽として供給した。このような試みは後の雑誌『WIRED』と比較されることがある。
SF

『オムニ』は創刊当初、オースン・スコット・カードの「無伴奏ソナタ」、ウィリアム・ギブスンの「クローム襲撃」、「ニュー・ローズ・ホテル」「記憶屋ジョニィ(英語版)」、ジョージ・R・R・マーティンの「サンドキングズ(英語版)」など、今日ではSFの古典となった作品を多数掲載していた。また、ウィリアム・S・バロウズジョイス・キャロル・オーツジョナサン・キャロルフリオ・コルタサル、T・C・ボイル(英語版)などの主流作家によるオリジナルのSFやファンタジーも掲載されていた。この雑誌は、スティーブン・キングの小説「ファイアスターター」を連載し、短編小説「争いが終るとき(英語版)」も掲載した。また、H・R・ギーガー、デ・エス・シュワートバーガー(英語版)、ラレ(英語版)など、多くの画家の作品も読者の注目を集めた。1980年代初頭には、『オムニ』の人気小説がThe Best of Omni Science Fiction(オムニSF選集)シリーズで復刻され、ロバート・マッコール(英語版)ら宇宙アーティスト(英語版)によるアートが特集された。
市場

『オムニ』は、科学誌の新規市場として、教育を受けているが科学を職業としていない読者層の開拓を図った。『サイエンス・ダイジェスト』や『サイエンス・ニュース』は高校教育レベルの読者を購買層にしており、『サイエンティフィック・アメリカン』や『ニュー・サイエンティスト』が専門家向けだったのに対し、『オムニ』はその技術的内容にもかかわらず「趣味の科学者」をターゲットにした最初の雑誌であった。しかし、翌年にはタイム社が『ディスカバー』を、米国科学振興協会(AAAS)が『サイエンス80』を創刊した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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