オベロン_(衛星)
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オベロン[1]
Oberon

ボイジャー2号が撮影したオベロン。中央の黒点は衛星中最大のハムレットクレーター。
仮符号・別名Uranus IV[2]
見かけの等級 (mv)14.1[3]
分類天王星の衛星
発見
発見日1787年1月11日[4]
発見者ウィリアム・ハーシェル
軌道要素と性質
軌道長半径 (a)583,520 km[5]
離心率 (e)0.0014[5]
公転周期 (P)13.463234 日[5]
軌道傾斜角 (i)0.058°[5]
天王星の衛星
物理的性質
平均半径761.4 ± 2.6 km[6]
(0.1194 地球半径)
表面積7,285,101.53 km2[4]
体積1,848,958,769 km3[4]
質量3.014×1021 kg[7]
(5.056×10?4 地球質量)
平均密度1.63 ± 0.05 g/cm3[7][8]
表面重力0.346 m/s2
脱出速度0.727 km/s
自転周期13.463234 日
(公転と同期と推定)[9]
アルベド(反射能)0.31 (幾何アルベド)
0.14 (ボンドアルベド)[10]
表面温度70-80 K[11]
大気圧0 kPa
Template (ノート 解説) ■Project

オベロン[1][12][13](Uranus IV Oberon)は、天王星の第4衛星で、天王星の5大衛星の1つである。天王星の衛星の中ではチタニアに次いで大きい。
発見と命名

オベロンは、1787年1月11日にウィリアム・ハーシェルによって発見された。同じ日にハーシェルは天王星の最も大きい衛星であるチタニアも発見している[14][15]。なお、ハーシェルはこの後さらに4つの天王星の衛星を発見したと主張したが[16]、これらに関してはその後存在が確認されず、発見は誤りであったと考えられている[17][18][19]。オベロンとチタニアは発見後50年近くにわたってハーシェルが用いた観測装置以外では観測されていなかったが[20]、現在では高性能のアマチュア望遠鏡を用いて観測することができる[3]

天王星の全ての衛星は、ウィリアム・シェイクスピアもしくはアレクサンダー・ポープの作品にちなんで名づけられている。オベロンは、シェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』に登場する、チタニアの夫である妖精の王オベロンにちなんで名付けられた[21]。この名前は、1852年に発見者ウィリアム・ハーシェルの息子ジョン・ハーシェルが、同じく天王星の衛星アリエルウンブリエルを発見したウィリアム・ラッセルの要請を受けて提案したことが知られている[22][23]

チタニアは初めのうちは「天王星の2番目の衛星」として知られており、1848年にはウィリアム・ラッセルによって Uranus II という番号が与えられた[24]。しかしラッセルは時折ウィリアム・ハーシェルによる番号を用いることもあり、こちらはオベロンが IV、チタニアが II であった[25]。最終的に1851年にラッセルが当時発見されていた4つの衛星に対して、天王星から近い順番にローマ数字による番号を与え、それ以降は Uranus IV が用いられることとなった[23]
軌道

オベロンは天王星からおよそ 584,000 km 離れた軌道を公転しており、天王星の5大衛星の中では最も遠方を公転している。オベロンの軌道離心率は小さく、また天王星の赤道に対する軌道傾斜角も非常に小さい[5]。軌道周期はおよそ13.5日で、自転周期と同期している。そのため、地球と同様に常に同じ面を天王星に向けながら公転している。これは潮汐固定と呼ばれる状態である[9]

天王星の5大衛星のうち4つは完全に天王星の磁気圏の中を公転しているのに対し、オベロンは軌道の大部分は磁気圏の外部にある[26]。その結果、オベロンの表面には太陽風が直接吹き付けることになる[11]。磁気圏の内部を公転する衛星の場合、天王星と同じ角速度で回転する磁気圏のプラズマが衛星の後行半球に衝突する[26]。これにより後行半球の表面は暗くなると考えられるが、実際にオベロンを除く5大衛星ではこの影響が現れていることが分かっている[11]

天王星と同様に横倒しの軌道で公転しているため、夏至の際には北半球が直接太陽の方向を向くことになり、逆に南半球は太陽とは反対方向を向くことになる。そのためオベロンは極端な季節変化を経験する。地球の場合は、極域が夏至や冬至の前後に白夜極夜を経験するが、その極端な状態と言える。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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