オフロキサシン
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
(RS)-7-fluoro-2-methyl-6-(4-methylpiperazin-1-yl)-10-oxo-4-oxa-1-azatricyclo[7.3.1.05,13]trideca-5(13),6,8,11-tetraene-11-carboxylic acid
臨床データ
販売名タリビッド, Floxin, Ocuflox
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オフロキサシン(Ofloxacin)は、第2世代ニューキノロン系の合成抗菌薬である[1][2]。錠剤のほか、点眼液、眼軟膏、点耳液がある。
1980年頃に第一製薬が初めて合成し、1985年4月に日本で製品名「タリビッド」として[3]、1990年12月に米国で承認された。
オフロキサシンはラセミ体であり、薬理学的活性体であるレボフロキサシンを50%とその鏡像異性体であるデキストロフロキサシンを50%含んでいる[4]。
オフロキサシンの副作用として、腱障害(腱断裂を含む)や末梢神経炎(英語版)(時に不可逆性)が知られている。腱障害は治療終了後長期間経ってから生じ、生涯にわたる障害が残る可能性もある[5]。
WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている[6]。 日本で承認されている適応症は[7][8][9][10]、 である。(眼製剤:点眼液・眼軟膏) 錠剤のみに承認を有する疾患は特記しない。 米国では、下記の疾患について承認されている。
効能・効果
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷および手術創などの二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、
膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、
胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、
子宮頸管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、
涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼瞼炎眼製剤のみ、結膜炎眼製剤のみ、眼科周術期の無菌化療法眼製剤のみ、
外耳炎点耳液のみ、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、
ハンセン病
慢性閉塞性肺疾患患者の急性感染症
市中肺炎
合併症のない皮膚・皮膚構造感染症
非淋菌性尿道炎
尿道および子宮頸部の混合感染症
急性骨盤腹膜炎
単純性尿路感染症
複雑性尿路感染症
前立腺炎
急性単純性尿路・子宮頸部淋菌感染症
オフロキサシンは梅毒には無効である[11]。多用されて薬剤耐性がついたため、淋病への第一選択薬ではない[12][13][14]。