オフサイド_(漫画)
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オフサイド
ジャンル
サッカー漫画
漫画
作者塀内夏子(塀内真人)
出版社講談社
掲載誌週刊少年マガジン
発表号1987年6号 - 1992年17号
アニメ
原作塀内夏子
監督奥田誠治
シリーズ構成小山高生
キャラクターデザインとみながまり、新井豊
音楽坂本昌之
アニメーション制作葦プロダクション
製作葦プロダクション
アニマックスブロードキャスト・ジャパン
放送局アニマックス
放送期間2001年5月10日 - 2002年1月31日
話数全39話
OVA:オフサイド
原作塀内夏子
総監督四辻たかお
監督阿部恒
キャラクターデザイン阿部恒
音楽高田三郎
製作すずきまさかつ、田中重年
発売日1993年1月22日
話数全1話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『オフサイド』は、塀内夏子(塀内真人)による日本漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて1987年6号から1992年17号まで連載された。

高校サッカーを題材とした作品で、主人公の熊谷五郎がチームメイトの薬丸秀樹、佐藤真悟とともに弱小サッカー部を牽引し、強豪校へと成長していく姿が描かれている[1]。タイトル名はサッカー競技規則に定められた反則用語だが「うまくいきそうだったのに笛が鳴って中断されてしまう、もどかしい青春」という意味が込められている[2][3]

連載中の1990年に第68回全国高等学校サッカー選手権大会の大会ポスターに起用[4]。連載終了後の1993年にOVA化[5]、2001年にテレビアニメ化がされた[6]
作品背景

作者の塀内はテニス漫画『フィフティーン・ラブ』で一定の評価を得た後、サッカー漫画を描くことになった。その理由については掲載誌の『週刊少年マガジン』で編集長が交代したこともあり自身でも「もう少し大きな勝負がしたい、もう一つ上のランクにいきたい」と意気込んだこと[3]、連載開始の時期にあたる1980年代中期にはクラブ活動としてサッカーを選択する生徒が野球を上回り始めたと報じられていたことなどが挙げられ[2]、それまで『週刊少年マガジン』誌上でサッカー漫画のヒットに恵まれていなかったことも動機付けとなった[3]

構想にあたっては当時、『週刊少年ジャンプ』誌上で連載され人気作品となっていた『キャプテン翼』を意識し、同作が小学生や中学生年代のサッカーを題材としていたことから、自身はもう一世代上の高校サッカーを選択した[3]。これについては「少しでも違う切り口にして『違うもの』を描きたい」という希望と、『キャプテン翼』と比較して「違うものにしないと勝負にならなかった。とても太刀打ちできないし、後から…というのはどう考えても不利」という考えがあったためとしている[3]

1980年代後半の『週刊少年マガジン』では従来のラブコメディ路線を放棄し、往年のスポ根路線に回帰する動きが見られ、野球漫画の『名門!第三野球部』(むつ利之)や、変形スポ根ものの『ミスター味っ子』(寺沢大介)や『スーパードクターK』(真船一雄)などの作品が人気となった[7]。後述するように塀内は本作を「男性作家が気がつかない男子の魅力」を取り入れた女子目線の部活ものと位置付けているが、本作についてもスポ根回帰の流れの中で生まれた作品のひとつという見方もある[7]
表現手法
女子目線から見た部活もの

本作品の特徴として、身近な部活動の日常風景[8]、サッカー描写以上に力の入った試合外のエピソードの数々が挙げられる[2]。塀内は「教室で隣にすわっている男の子が行く場所は“キラキラ輝いているよ”っていう感覚や、合宿でみんながさわいでいるような風景を描いていきたかった」と語っている[8]

こうした日常風景にも焦点を当てた部活ものは当時の少年漫画の世界には少なく、ちばてつや水島新司によって手掛けられた先行する作品群について、塀内は「現実の『部活』とは少々解離がある」と評している[3]。また、この当時のスポーツ漫画の多くは根性要素の強いスポ根であり、部活動の日常をリアリティのある描写で描くことは希だったという[2]。そのため、自身が中学や高校時代に目撃した隣の野球部やサッカー部員たちの「授業中に早弁をする」「部活後に近所の店で買い食いをする」などの日常風景、「となりの男の子が気が付くと背が伸び、体形も大人に変化した」などの男性作家が気がつかない男子の魅力、そういった要素を取り入れれば、漫画としての強みになると考えたという[3]
キャラクター造形

本作品の主人公・熊谷五郎は控えめな性格で、闘志を内に秘めるタイプとして描いている[8]。これについて塀内は「あの頃は控えめなタイプが一番好きだった」こと、中学時代に経験した「同級生のサッカー部員が先輩に憧れる感情」を反映し「お兄さんみたいな人を描きたかった」ためだとしている[8]

また、「ひとりひとりの英雄体験」を最も伝えたかったとし、個々の登場人物たちが、苦境から這い上がる姿を丁寧に描いた[8]。これについては「例えばサッカーの試合で、一度でも気持ちいい思いができれば、大人になってからもちゃんとやっていけるのだろうなって。だから、それぞれにいいシーンを出したいって、一つ一つ見せ場を作ろうって思っていました」と語っている[8]

なお塀内は連載当時、顔は日比野慶彦と勝彦、性格は阿部弘志と島本守が描きやすかったが、一方で五郎については「何考えてんだか、時々分からなくなる」と評していた[9]
サッカー描写

本作については「必殺技などの派手な描写はないが、丁寧に構成されている」との評価もあるが[1]、塀内は連載を始めるに辺り「手を使っちゃいけない、とかゴールすると1点」といったごく初歩的なルールは理解していたものの、さらに踏み込んだルール、戦術やフォーメーションとなるとよく理解していなかった[2][3]。タイトルとなったオフサイドのルールに至っては「存在するのは知っていたけれど中身は…」という状態だったといい、そのためサッカー経験者などに聞き取りを行ったという[3]。ただし、そうして身につけた知識を作中に反映させるとなると「あまりに説明調だとセリフのリズムを壊すし不自然だ…かといってまったく触れないのも」と考えるようになり、担当編集からの「多分子供(読者)はオフサイドのルール知ってるよ」という後押しもあり、特にルールの説明をせず物語を進めていくことになった[3]。これについて塀内は「だいたい自分でもよくわかっていないものを説明なんてね…」と語っている[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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