オトロクまたはパスィノク、デトスキー(ロシア語: Отрок、またはпасынок 、детский[1])は、中世ルーシの軍事的役職・階級の1つであるドルジーナのうちの下位層もしくは若年層を指す言葉である。日本語文献では下僕[2]・下級従士[3]・少年の従士団員[4]などと訳され、西欧のペイジに類似する。ドルジーナの中で最も低い階級に位置した。
一般的に、ドルジーナの下位層は公(クニャージ)や貴族層(ボヤーレ)、あるいは上位のドルジーナの子弟から構成された。オトロクは、それら若年の者がその任につき、宮廷において低位の任務に就いた。ただし例外的に、上位層のドルジーナから構成される評議会にも招集されることがあった[5]。成人のオトロクはグリヂ(ru)
とも呼ばれた。また、一定の功績を挙げるか、クニャージの直営地においては、ドゥムツィ(ru)と同等の地位に昇格することができた[6]。