オスカー像
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オスカー像のレプリカ

オスカー像(オスカーぞう、: Oscar Statuette)は、アカデミー賞の副賞で、裸の男性の立像である。

アカデミー賞各賞の受賞の際に、刻印され贈呈されている。
名称

正式名称はAcademy Award of Merit[1](アカデミー・アワード・オブ・メリット[2])。

オスカーとは、あくまでも愛称であるが、授賞式の前に「Who's going home with Oscar?」(オスカーと家に帰るのは誰なのでしょうか?)とレポーターが喋ったり[3]、各賞発表の際にプレゼンターが最近の決まり文句として「And, the Oscar goes to...」と言ったり[注釈 1]、アカデミー賞を獲得する事を「オスカーを獲得した」など、ほぼ公式な名称と呼んでも差し支えないほどに定着している。
デザインメトロ・ゴールドウィン・メイヤー社に勤務していたチャック・ジョーンズ(1978年)。オスカー像を持っている。

デザインはメトロ・ゴールドウィン・メイヤー社(MGM)の美術監督だったセドリック・ギボンズ[4]。足元にフィルムのリール、十字軍の剣を持った騎士アール・デコ様式で表現している。一説によると会議中に殴り書きしたスケッチが原画となったという。

モデルはメキシコ人俳優エミリオ・フェルナンデスというのが定説である。メキシコ革命後に不法に米国に渡った移民だという[5]
製作

像はシカゴ所在のR・S・オーエン社が主宰者から受託を受けて生産している。像は台座を含め全高34.3cm、重さ3.86kg。92.5%のと7.5%のの合金で出来ており、上から24金メッキが施されている。第二次世界大戦中は石膏塑像されていた[4]。そのため、大変壊れやすく、第17回で助演男優賞を受賞したバリー・フィツジェラルドは自宅でゴルフクラブを振って練習をしていたところ、誤って近くにあったオスカーに命中し割ってしまったというエピソードが残っている。
由来

「オスカー」という名称が登場する最も古い記録は、1934年に開催された第6回授賞式の報道である[1]。呼称の由来については諸説あるが、どれも明確な根拠がなく現在もはっきりとしていない。映画芸術科学アカデミーが公式に使い始めたのは1939年だという[5][1]

由来については下記の3つが最も有力とされる。
オスカーおじさん説
アカデミー賞事務局のマーガレット・ヘリック局員が事務局に届いた像を見て、『自分のおじさんのオスカーにそっくりだ』と言ったことが広まったという説[1][3]。ただし記録が残っているわけではない。オスカーという呼称は下記のスコルスキー説より以前からあったという説も根強く、その代表的なエピソードとされる。
スコルスキー説
第6回授賞式でオスカーの名を初めて文字に残したジャーナリストのシドニー・スコルスキー自身が考えたという説。彼が書いた「オスカー君はヘプバーン(キャサリン・ヘプバーン)へ」と書いた記事が最古とされる[1]。このオスカーの語源について、スコルスキーは、自身が大好きだったとある大衆舞台劇で、キャストが劇中、舞台下でバンドを指揮して劇の音楽を生演奏している指揮者オスカーに向かって「おい、ところで葉巻でもやるか?オスカー」と突然話しかけ曲を脱線させて笑いをとるネタから名前を取ったという。なぜオスカーなのかという理由についてスコルスキーは、「かねてアカデミー賞のお高くとまった印象を快く思っていなかったので、せめて人間らしい印象で扱ってやろうと思った」と述懐。
ベティ・デイヴィス説
女優のベティ・デイヴィスが1936年に、『青春の抗議』で初の主演女優賞第8回)を受賞した際、客席にいた夫(当時)のハモン・オスカー・ネルソンに向かって、「オスカー、やったわよ!」と叫んだことから広まったという説。あるいはトロフィーの後ろ姿が、夫のハモン・オスカー・ネルソンの後ろ姿にそっくりなことについて仲間内と談笑したことに端を発し、やがて業界の隠語として広まったものが一般化したという説。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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