オクトレオチド
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オクトレオチド

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(4R,7S,10S,13R,16S,19R)-10-(4-aminobutyl)-19-
[[(2R)-2-amino-3-phenyl-propanoyl]amino]-16-
benzyl-N-[(2R,3R)-1,3-dihydroxybutan-2-yl]-7-
(1-hydroxyethyl)-13-(1H-indol-3-ylmethyl)-6,9,12,
15,18-pentaoxo-1,2-dithia-5,8,11,14,17-
pentazacycloicosane-4-carboxamide

臨床データ
販売名Sandostatin
Drugs.commonograph
胎児危険度分類

AU: C

US: B




法的規制

AU: 処方箋薬(S4)

CA: ?-only

UK: 処方箋のみ (POM)

US: ?-only

投与経路Subcutaneous, intramuscular, intravenous
薬物動態データ
生物学的利用能60% (IM), 100% (SC)
血漿タンパク結合40?65%
代謝Hepatic
半減期1.7?1.9 hours
排泄Urine (32%)
識別
CAS番号
83150-76-9 
79517-01-4 (acetate)
135467-16-2 (pamoate)
ATCコードH01CB02 (WHO)
PubChemCID: 448601
IUPHAR/BPS2055
DrugBankDB00104en:Template:drugbankcite
ChemSpider395352
UNIIRWM8CCW8GP 
KEGGD00442
ChEMBLCHEMBL1680en:Template:ebicite
化学的データ
化学式C49H66N10O10S2
分子量1019.24 g/mol
SMILES

C[C@H]([C@H]1C(=O)N[C@@H](CSSC[C@@H](C(=O)N[C@H](C(=O)N[C@@H](C(=O)N[C@H](C(=O)N1)CCCCN)Cc2c[nH]c3c2cccc3)Cc4ccccc4)NC(=O)[C@@H](Cc5ccccc5)N)C(=O)N[C@H](CO)[C@@H](C)O)O

InChI

InChI=1S/C49H66N10O10S2/c1-28(61)39(25-60)56-48(68)41-27-71-70-26-40(57-43(63)34(51)21-30-13-5-3-6-14-30)47(67)54-37(22-31-15-7-4-8-16-31)45(65)55-38(23-32-24-52-35-18-10-9-17-33(32)35)46(66)53-36(19-11-12-20-50)44(64)59-42(29(2)62)49(69)58-41/h3-10,13-18,24,28-29,34,36-42,52,60-62H,11-12,19-23,25-27,50-51H2,1-2H3,(H,53,66)(H,54,67)(H,55,65)(H,56,68)(H,57,63)(H,58,69)(H,59,64)/t28-,29-,34-,36+,37+,38-,39-,40+,41+,42+/m1/s1

Key:DEQANNDTNATYII-OULOTJBUSA-N

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オクトレオチド(Octreotide)はソマトスタチン模倣オクタペプチドである。ソマトスタチンよりも成長ホルモングルカゴンインスリン阻害作用が強い。商品名サンドスタチン。
効能・効果

筋注(筋)と皮下注(皮)で効能・効果が異なる[1][2]

(筋・皮)消化管ホルモン産生腫瘍(VIP産生腫瘍、カルチノイド症候群の特徴を示すカルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍)の諸症状の改善

(筋・皮)先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合または施行が困難な場合)における成長ホルモン、ソマトメジンC分泌過剰状態および諸症状の改善

(筋のみ)消化管神経内分泌腫瘍

(皮のみ)進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状の改善

腫瘍

オクトレオチドは成長ホルモン産生腫瘍(先端巨大症および巨人症)、甲状腺刺激ホルモン産生脳下垂体腫瘍、カルチノイド症候群(英語版)による下痢および潮紅(英語版)、血管作動性腸管ペプチド産生腫瘍(VIPオーマ(英語版))による下痢の治療に使われる。
食道静脈瘤出血

オクトレオチドはしばしば肝硬変門脈圧が亢進している場合食道静脈瘤からの急性出血の治療に静脈注射で用いられるが、効果は限定的であり生存率の向上には繋がらない[3]
放射線標識化「オクトレオチドスキャン(英語版)」も参照

オクトレオチドにキレート剤を結合して111Inを担持させた薬剤はソマトスタチン受容体を発現している神経内分泌腫瘍などの非侵襲的シンチグラフィに用いられる[4]。最近は11C[5]68Gaを用いたポジトロン断層法(PET)も実施され、解像度や感度の改善に寄与している。

オクトレオチドは90Y177Luなどの種々の放射性核種をキレートして切除不能の神経内分泌腫瘍の放射性核種標識ペプチド治療(Peptide receptor radionuclide therapy、PRRT)に応用されている[6]
標的受容体

オクトレオチドはSRIF受容体とも呼ばれるソマトスタチン受容体に結合する。SRIF受容体は神経内分泌腫瘍(NET)等で特に過剰発現している。SRIF受容体には5種類(SSTR1?SSTR5)が知られており、腫瘍のタイプ毎にどの種類が発現しているかが異なる。例えば胃腸膵管系神経内分泌腫瘍(GEP-NET)ではSSTR2の発現が多く、SSTR1とSSTR5は少ない[7]
禁忌

オクトレオチドの小児・妊婦・授乳婦に対する影響は検討されていない。これらの患者には、危険便益分析(英語版)で便益の方が高いと判断された場合にのみ使用すべきである[8][9]
副作用

添付文書に記載されている重大な副作用は、アナフィラキシー(頻度不明)と徐脈(0.1%)である[1][2]

10%以上の患者に、頭痛、甲状腺機能低下症刺激伝導系変化、消化器系症状(腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、便秘等)、胆石インスリン分泌低下、高血糖症[10]低血糖症、(一過性の)注射部位反応が発生する。また1%以上の患者に徐脈?痒などの皮膚反応、ビリルビン上昇、甲状腺機能低下症眩暈呼吸困難が発生する。稀な副作用としては、アナフィラキシー膵炎肝炎が知られている[8][9]関節リウマチとの関連を示唆した研究もある[11]脱毛の報告もある[12]。ラットも用いた1998年の実験では、勃起不全が見られた[13]


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