オキナワモズク
食用とされるオキナワモズク
分類
オキナワモズク(沖縄水雲、沖縄海蘊、学名: Cladosiphon okamuranus)はシオミドロ目ナガマツモ科に属する褐藻の1種であり、「もずく、モズク」の名で食用とされる海藻の大部分は本種である。柔らかく細長い胞子体と微小な盤状の配偶体の間で異型世代交代を行い、食用とされるのは胞子体である。南西諸島に分布し、また大規模に養殖されている。
もずく、本もずく[注 2]、太もずく[注 1]とよばれることもある。ただし種としてのモズク(Nemacystus decipiens)は別属の褐藻であり、これも食用とされるが流通量はオキナワモズクにくらべてはるかに少ない。日本では、他に別属のイシモズクやフトモズクなども食用とされる。 大型で複相(染色体を2セットもつ)の胞子体と微小な単相(染色体を1セットもつ)の配偶体の間で異型世代交代を行う[7]。 胞子体は柔らかく、細長い円柱状または管状であり、太さは1.5-3.5ミリメートル、高さはふつう20-35センチメートルだがときに1メートル以上になり、互生的に分枝する[2][8]。基部は小さな盤状付着器で基物に付着している[2][8]。藻体は基本的に茶褐色で粘液質に富むが、曇天が続くと暗褐色で粘液が減少し、晴天が続くと黄褐色で粘液が増加する[2][7]。 藻体の中軸は髄層からなり、それを取り囲む同化糸が皮層を形成し、髄層と皮層の境界は明瞭[8][2]。髄は偽柔組織であり、構成する細胞糸は直径16 - 96マイクロメートルで長さは直径の1-12倍[8]。同化糸は基部で叉状に分枝し、長さ200-220マイクロメートル、10 - 20細胞からなり、下部の細胞は直径7 - 8マイクロメートルで長さは直径の2 - 4倍、上部の細胞は直径約12マイクロメートル、長さは幅の約2倍である[8]。褐藻毛は直径約10マイクロメートル、基部に鞘がある[8]。 胞子体が同化糸の先端に複子嚢(中性複子嚢)を形成し、遊走子(中性遊走子)を放出、これが再び胞子体へと発生する無性生殖を行うことがある[7]。中性遊走子は2本鞭毛性で長さ10-12マイクロメートル、幅6-8マイクロメートル、弱い正の走光性を示す[9]。
特徴