オキシコドン
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
(5R,9R,13S,14S)-4,5α-epoxy-14-hydroxy-3-methoxy-17-methylmorphinan-6-one
臨床データ
販売名Roxicodone, OxyContin, Oxecta, OxyIR, Endone, Oxynorm, OxyNEO
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オキシコドン(英: oxycodone)とは、オピオイド系の鎮痛剤のひとつで、アヘンに含まれるアルカロイドのテバインから合成される半合成麻薬。商品名オキシコンチン(OxyContin)やパーコセット(Percocet)などが有名。1996年のWHO方式がん疼痛治療法においては、3段階中の3段階目で用いられる強オピオイドである[2][3]。
麻薬及び向精神薬取締法における麻薬で、劇薬でもある。 モルヒネ、フェンタニルと並んでがん性疼痛治療第3段階に用いられる、強オピオイドで、オピオイド受容体μとκのアゴニスト[2]。鎮痛作用は経口投与でモルヒネの1.5倍、硬膜外投与で1/10程度である[4]。 主として肝臓の代謝酵素CYP3A4で代謝され、一部はCYP2D6で代謝される。 オキシコドンの徐放剤オキシコンチンが塩野義製薬から発売されており、散剤や注射剤など、各社から様々に出ている。日本では、ヒドロコタルニンとの合剤の注射剤、アトロピンとの合剤の注射剤も販売されている。 副作用(吐き気・便秘など)で、モルヒネを十分量使用することができない場合の薬として、2002年にフェンタニルの貼り薬、「デュロテップパッチ」が登場した。副作用が比較的少なく、効果が長続きするが、反面効果が安定するまでに時間がかかり、また一定量のモルヒネを使用した後でないと、パッチへの変更ができないというデメリットもあった。その点を考慮に入れ、一定量に満たないモルヒネを服用している場合でも代用できる薬として、モルヒネと同じオピオイドで、1916年に合成され、欧米で鎮痛剤として広く使われてきたオキシコドンが注目されるようになった。それまで日本ではオキシコドンは注射薬しかなかったが、2003年に経口投与が可能な徐放剤「オキシコンチン錠」が発売された。オキシコドンの錠剤 オキシコンチンは、概して中程度から強い痛みを取るための薬剤であるため(モルヒネは強い痛みの場合に使用)、モルヒネを使用する程ではない痛みを抑える時にも使うことができる。他に、モルヒネとの相性がよくなく、一定量のモルヒネを使用していないため貼り薬に変更できない場合でも、このオキシコンチンを使うことができる。モルヒネから変更する場合は、それまで服用していたモルヒネの分量に合わせて、どの容量の錠剤を使うかが決まる。オキシコンチン錠は、効果が表れるまでの時間がモルヒネよりも長いため、オキシコンチンを服用していても痛みを感じる場合には、少量のモルヒネを併用することがある。持続効果は12時間である。また、モルヒネ同様に吐き気・嘔吐、眠気、便秘などの副作用があるが、痛み止めの成分をモルヒネからオキシコンチンに変更することで副作用が軽くなった例もある[5]。 2007年、アメリカ合衆国におけるオキシコンチンの販売者であるパーデュー・ファーマ社(Purdue Pharma)に対し、誤解を招くようなブランド戦略に対して6億ドルの罰金が科された[6]。同社は、オキシコンチンは長時間型の放出製剤であるので、短時間作用の薬剤よりも致命性や乱用性、依存性が低いと主張し、マーケティング・キャンペーンの要として1996年に売り出しすぐに10億ドルの売り上げに達した。 しかし、2000年にはアメリカ国内、特に農村部にて依存や関連犯罪が急増した。そして、同社の内部文書によれば、売り出される前から依存性や医師の懸念による抵抗があることを示していたが、詐欺的なマーケティング・キャンペーンを実施した[6]。会社を所有するサックラー家は、その依存性を控えめだと思わせるよう提示してきた手立てについて、『エスクァイア』誌も調査記事を載せた[7]。2019年9月15日、パーデュー・ファーマ社は米連邦破産法第11章の適用をニューヨーク州の連邦裁判所に申請した[8]。 イギリスではオキシコドンは1971年薬物乱用法により、クラスAドラッグとして規制されている[9]。この規制は「おおよそ有害であると認識されている」との分類であり、処方箋なしに保持している者は、最高で懲役7年または終身刑として罰せられる[10]。また、違法に売買した者は最高で終身刑に罰せられる[10]。 アメリカでは手軽で効き目が長続きすることから、怪我や歯痛など慢性的な痛みを和らげる痛み止めとして利用されている。処方箋があれば街の薬局で入手できるが、オピオイド系の鎮痛剤としては最も強力なもので、本来であれば癌患者の疼痛緩和等、限定された患者にしか処方されない[11]。
薬理
代謝
剤型
徐放剤
訴訟
規制
イギリス
乱用問題「薬物乱用」も参照
アメリカ合衆国オキシコンチン(乱用例)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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