オオモミジ(大紅葉[7]、学名: Acer amoenum var. amoenum)はムクロジ科[注 1]カエデ属の落葉小高木または落葉高木。別名、ヒロハモミジ[7]。イロハモミジの変種とされることもある。和名はイロハモミジよりも葉が大きいことに由来し、「モミジ」は紅葉を表す古語「もみつ」が転訛したものとされる[8][7]。イロハモミジによく似るが葉がやや大きく、細かい単鋸歯をもつ[9]。イロハモミジとともに、オオモミジも俗にヤマモミジと称されることがある[9]。 原産地は日本、朝鮮半島。北海道(中部以南)、本州(青森県以南の太平洋側、福井県以西の日本海側)、四国、九州に分布し[10]、低地や山地の渓流沿いなどに自生し[8][11]、太平洋側に多い[12]。公園や庭などにも植えられ、多くの園芸品種もある[11][10]。日本庭園によく用いられる[9]。 落葉広葉樹の小高木[11]から高木で、樹高10 - 13メートル (m) 、樹皮は灰褐色で滑らかだが、次第に縦に浅い割れ目ができる[13][12]。枝はイロハモミジよりも太い[12]。葉は直径7 - 11センチメートル (cm) あり、掌状に7 - 9裂し、裂片はイロハモミジよりも幅広い[8]。葉縁の単鋸歯はイロハモミジよりも細かく、あまり目立たないのが特徴である[8][7]。秋の紅葉は、木全体がやや黄色味がかった赤色か黄色くなるものがあり、変異が多い[11][13]。秋の深まりとともに1 - 2日で一気に色づくこともあり、葉が大きいので落ち葉もよく目立つ[14]。 花期は春(4 - 5月)で、横に張った本年短枝の先に散房花序を出して暗赤色の花をつける[13]。花は雄花と両性花がある[13]。 果期は夏から初秋(10月)で、果実は長さ2 - 2.5 cmある翼果でイロハモミジよりも大きく、6 - 9月に熟して、ときに赤く色付いてよく目立つ[8][13][10]。翼果の開く角度は、水平から150度ほどあり、翼は葉脈状の筋がある[10]。 冬芽は太く、8枚の芽鱗 オオモミジには多くの園芸品種があり、班入り葉もあるが、庭木として植えられるノムラカエデ(ノムラモミジ)もその一種である[7]。ノムラカエデは、イロハモミジの園芸品種、あるいはオオモミジの変種とされ、春の萌芽したときは紅紫色で、夏には緑色になる[9]。
分布・生育環境
形態・生態
園芸品種