オオセグロカモメ
オオセグロカモメ(夏羽) Larus schistisagus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
オオセグロカモメ(大背黒鴎、Larus schistisagus)は、チドリ目カモメ科カモメ属に分類される鳥類。 大韓民国、中華人民共和国北東部、朝鮮民主主義人民共和国、日本、ロシア南東部 冬季になると中華人民共和国北東部などへ南下し越冬する。ロシア南東部では周年生息する。日本では北海道や東北地方で周年生息(留鳥)するか、本州中部以南に冬季になると越冬のため飛来(冬鳥)する。 全長55-67cm。翼開張132-150cm。体重1.2-1.7kg。和名はセグロカモメより大型である事に由来する。頭部や胴体下面は白い羽毛で被われる。尾羽の色彩も白い。背中や翼上面は青みがかった暗灰色の羽毛で被われ、英名(slaty-backed=粘板岩色の背中をした)の由来になっている。風切羽は黒く、先端に白い斑紋が入る。 嘴は太くて長い。嘴の色彩は黄色で、下嘴の先端近くに赤い斑紋が入る。後肢の色彩はピンク色。 卵は灰緑色や暗緑色の殻で覆われ、暗褐色や灰青色の斑点や筋模様が入る。幼鳥は全身が灰褐色の羽毛で被われ、羽毛の外縁(羽縁)が淡褐色。初列風切の色彩は褐色。嘴の色彩は黒い。 夏季は頭部から頸部にかけて斑紋が無く(夏羽)、冬季は頭部から頸部にかけて淡褐色の斑点が入る(冬羽)。 海洋や河口、干潟、その周辺にある湖沼などに生息する。最近市街地でも見られる。は冬季になると同科他種と混群を形成する事もある。 食性は雑食で、魚類、昆虫、甲殻類、軟体動物、環形動物、動物の死骸などを食べる。他の鳥類が捕らえた獲物を奪ったり、他の鳥類の卵や雛を食べる事もある。 繁殖形態は卵生。集団繁殖地(コロニー)を形成する。沿岸部の岩礁や草原などに木の枝や枯草、海藻などを組み合わせた皿状の巣を作り、日本では5-7月に1回に2-4個(主に3-4個)の卵を産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は25-26日。雛は孵化してから約40日で巣立つ。生後3年で性成熟すると考えられているが、生後4年で成鳥羽に生え換わる。 2003年に北海道礼文島でワシカモメとの交雑記録が報告されている[1]。また、2005年から2010年にかけて、北海道利尻町で、2009年には北海道利尻富士町で、繁殖行動が観察されている[2]。 漁港にも生息し、漁場や網場などで漁獲物やゴミを漁ることもある。北海道札幌市では、ビルの屋上や立体駐車場などで営巣し、海ではなく川を生活の場としている個体が多数観測されている。[3]
分布
形態
生態
ワシカモメとの交雑
人間との関係
関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、オオセグロカモメに関連するメディアがあります。ウィキスピーシーズにオオセグロカモメ
カモメ科
脚注[脚注の使い方]^ 小杉和樹 「標識カモメのこと」 日本野鳥の会道北支部通信オロロン、2003年、1頁
^ 風間健太郎・平田和彦・佐藤雅彦 「利尻島におけるオオセグロカモメ×ワシカモメ交雑繁殖つがいの観察記録」 日本鳥学会誌、60巻2号、日本鳥学会、2011年、241-245頁
^ ⇒何でだろう!札幌市中心部・豊平川にオオセグロカモメ
参考文献
安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と渓谷社、2008年、198-199頁。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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