オオアワガエリ
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オオアワガエリ
オオアワガエリ
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:単子葉類 monocots
:イネ目 Poales
:イネ科 Poaceae
:アワガエリ属 Phleum
:オオアワガエリ P. pratense

学名
Phleum pratense L.
和名
標準和名:オオアワガエリ
牧草名:チモシー

オオアワガエリ(Timothy、学名:Phleum pratense)は、イネ科多年草。チモシー・グラス、あるいは単にチモシーとも呼ばれる。[1]
特徴

やわらかな多年草[2]。ごく短い地下茎があり、多数の茎を束状に出す。草丈は50-100cmで、基部はやや斜めに出る。葉身は線形で長さ20-50cm、幅は3-9mm、扁平で緑から灰緑色、ざらつくが毛はない。花序は茎の先端に生じて、棒状に直立し、長さ6-15cmで幅は7-9mm、その表面には多数の小穂が密生する。

小穂にはごく短い柄がある。小穂は先が広がった三角形で扁平、両端から短い芒が出る。これは同型の第1,第2包穎にあたり、芒の出る背面の中肋は緑でそれ以外は膜質で色が薄い。その内部には小花を一つだけ含む。

カモガヤなどの他のイネ科植物と共に、花粉症の原因となる[3]

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}なお、名称のチモシーはこれをアメリカに導入した Timothy Hansen にちなむものでアメリカで生まれた名である。イギリスでは Cat's tail の名で知られる。[要出典]
原産と栽培の歴史

北部ヨーロッパ及び温帯アジアが原産とされている[4]。17世紀後半にアメリカに導入されると作物化され、その後ヨーロッパへ再導入され栽培が広がった[4]。日本におけるチモシー栽培は、1874年明治7年)にアメリカから北海道開拓使北海道渡島国に輸入試作したことから始まった[4]

現在では世界の冷涼な気候の地域において栽培される牧草の一つとなっている[4]。日本では、主に北海道で栽培されイネ科牧草の基幹草種となっており、本州でも東北地方や高冷地において利用されている[5]
利用

刈り取ったものを乾燥(干し草。乾草とも)または発酵(サイレージ)させ、家畜に与えたり、放牧地に栽培され利用されている。最近では特にウサギの餌として、チモシーの呼称でペットショップで販売されていることが多い。
一般的な品種

分類として、利用面から採草型、採草・放牧兼用型、放牧型に分けられる[4]。また、出穂期の違いによる早晩性(極早生?晩生)でも分類でき[4][5]、収穫時期の目安として用いられる。
日本国内の品種

日本における主な品種には以下のものがある。

農林登録番号登録番号品種名地方番号(旧系統名)用途早晩性育成機関登録年出典
チモシー農林1号センポク北系4305採草早生
北海道立北見農業試験場1969年(昭和44年)[6]
チモシー農林合2号ノサップ北見2号採草早生北海道立北見農業試験場1977年(昭和52年)[7]
チモシー農林3号ホクシュウ北見7号採草・放牧晩生北海道立北見農業試験場1977年(昭和52年)[8]
チモシー農林4号第369号クンプウ北見11号採草極早生北海道立北見農業試験場1980年(昭和55年)[9]
チモシー農林合5号第4131号アッケシ北見16号採草・放牧中生早北海道立北見農業試験場1992年(平成04年)[10]
チモシー農林合6号第4132号キリタップ北見18号採草・放牧中生晩北海道立北見農業試験場1992年(平成04年)[11]
チモシー農林合7号第14546号なつさかり北見22号採草・放牧晩生北海道立北見農業試験場2004年(平成16年)[12]
第22052号なつちから北見25号採草早生北海道立総合研究機構北見農業試験場
ホクレン農業協同組合連合会2012年(平成24年)[13]
チモシー農林8号第26991号なつぴりか北見30号採草中生早北海道立総合研究機構北見農業試験場2014年(平成26年)[14]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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