この項目では、鳥について説明しています。
宗教団体のオウムについては「オウム真理教」をご覧ください。
その他の用法については「オウム (曖昧さ回避)」をご覧ください。
オウム(鸚鵡)は、オウム目オウム科(Cacatuidae)に属する鳥の総称。インコ科(Psittaculidae、アジア・太平洋・オーストラリア産のインコ)、ヨウム科(英語版)(Psittacidae、アフリカとアメリカ大陸産のインコ)、フクロウオウム科(英語版)(Strigopidae、ニュージーランド産の大型のインコ)とともにオウム目を構成する[3][5]。現存するオウム目の系統の多くは、さまざまな面で解明されていない。しかしながら、オウム科を独立した科として位置づけることは広く認められている。オウム科はオーストラレーシアに分布しており、その範囲はフィリピン、ワラセアのインドネシア諸島東部からニューギニア島、ソロモン諸島およびオーストラリアに及ぶ。英語名 "Cockatoo"は、この鳥のマレー語での名前である "kaka(k)ktua" に由来している(kaka "インコ"+ tuwah あるいは"姉妹" + tua"年上")。
オウムはその特徴的な冠羽(crest)と湾曲したくちばしから、即座に見分けることができる。オウム科で最小の種であるオカメインコは小型の鳥であるが、概ねオウムは、インコよりも大型である。羽毛は一般にインコと比べてあまりカラフルではなく、主に白色ないし灰色か黒色をしており、冠羽や頬ないし尾羽などに彩色のある部分が存在する。バタンインコの仲間(Cacatua 属)は11種の白色の羽毛を持つオウムからなり、より小型のオウムの仲間であるcorella(Licmetis 亜属)を含む。これらに近い関係の系統にピンクと灰色をしたモモイロインコやピンクと白色のクルマサカオウムがある。クロオウムの仲間(Calyptorhynchus属)の5種は大型の黒色をしたオウムである。残りの3種、大型で黒い羽毛のヤシオウム、主に灰色のアカサカオウム(英語版)、そして小型でおおむね灰色のオカメインコは、これ以外のオウムたちと進化における初期の未解明の分岐を通して関連している。
オウムの食性は種子、塊茎、球茎、果実、花や昆虫からなっている。群れで採食することが多く、とりわけ地上で採食する場合に大きな群れをつくる。一雌一雄でつがいを作り、樹洞に営巣する。一部のオウムは居住環境の喪失、ことに営巣に適した洞をもつ大きな成熟した樹木の伐採による悪影響を被っている。逆に言えばこの結果、人為的な環境の改変によく適応した一部の種が農業において害鳥と考えられている。
オウムはペットとして人気があるが、飼育することは容易でない。オカメインコの場合は、飼うことがとても容易なため、ペットとして非常に人気が高い。大規模な野生種の捕獲による違法な取引によって、絶滅に瀕している種もある。 cockatooという語は17世紀に遡る。その起源はこれらの鳥のマレー語の名前 Kakatuwah ないし Kakak Tua ("年長の兄弟"の意味) がオランダ語のkaketoeを経て伝わった。17世紀には cacato 、 cockatoon や crockadore などの別称もあり、その他 cocatore や cocatoo などが18世紀に使われていた[6][7]。これらの別称は学名において科や属を表すCacatuidaeやCacatua にそれぞれ使用されている[8]。 オーストラリア英語やスラングでは、秘密であったり違法な行い(ことに賭博)に従事する者が、見張りを命じられた人物をcockatooと呼ぶ[9]。また、小規模な農家のことを滑稽めかしたり、軽い侮蔑をこめてしばしばcocky farmers(cockyはオーストラリア英語のスラングで、cockatooのこと)と呼ぶ[10]。 .mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green} 他の鳥類 ミヤマオウム科
英語名の由来
分類学
Strigopidae
インコ科
Psittacidae
タイハクオウム
Cacatua (Cacatua) alba
オオバタン
Cacatua (Cacatua) moluccensis
ルリメタイハクオウム
Cacatua (Cacatua) ophthalmica
コバタン
Cacatua (Cacatua) sulphurea
キバタン
Cacatua (Cacatua) galerita
アカビタイムジオウム
Cacatua (Licmetis) sanguinea
ヒメテンジクバタン
Cacatua (Licmetis) pastinator
テンジクバタン
Cacatua (Licmetis) tenuirostris
ソロモンオウム
Cacatua (Licmetis) ducorpsii
シロビタイムジオウム
Cacatua (Licmetis) goffiniana
フィリピンオウム
Cacatua (Licmetis) haematuropygia
クルマサカオウム
Lophocroa leadbeateri
モモイロインコ
Eolophus roseicapilla