エヴェレット・K・ロス (Everett K. Ross)
出版の情報
出版者マーベル・コミックス
初登場Ka-Zar #17(1998年9月)
クリエイターケニー・マーティネス
クリストファー・プリースト
作中の情報
種族人間
所属チームアメリカ国家安全保障局
アメリカ合衆国国務省
サポート・
キャラクターブラックパンサー
エヴェレット・ケネス・ロス (Everett Kenneth Ross) はマーベル・コミックス社のコミックブックに登場する架空の人物である。マーベル社のシェアード・ワールドであるマーベル・ユニバースに存在し、主にスーパーヒーローのブラックパンサーの協力者として活動する。 クリストファー・プリースト
刊行履歴
作者クリストファー・プリーストによると、ロスの人物像はテレビドラマ『フレンズ』の登場人物チャンドラー・ビングを下敷きにしており、名前は『ファミリータイズ』の登場人物アレックス・P・キートンからインスパイアされたという[1]。
プリーストは『ブラックパンサー』の執筆を始めるにあたり、『カイ・ザー』で作ったロスを代理読者 (audience surrogate) として使うことを決めた。「この時までに、マーベル社にとってブラックパンサーは、いつも売れ筋ヒーローにいいところを持って行かれる、その他大勢の一人でしかなくなっていた。ロスもそういう目でパンサーを見る」[2]プリーストはその意図を以下のように説明した。「コミックスは昔から白人男性が作って白人男性が読むものだった[† 1]。そこで考えた。これには確信があるんだ。『ブラックパンサー』を成功させるには、白人男性のメインキャラクターが必要だった。主人公やストーリーに対する読者の不信とか、先入観とか、偏見とかを代弁する白人男性だ。ロスはポリコレなキャラクターであってはいけない。レイシストの一歩手前くらいじゃないと」プリーストはロスが本当のレイシストではないと念を押し、以下のように続けた。「ロスの意識の流れをそのまま書くことで、周りに黒人がいないときに(私の想像だけど)普通の白人が口に出したり心で思ったりしていること、つまり黒人の文化や行動に対する通念を表現しようとしたんだ。それに私は、ブラックパンサーの書き方にパラダイム・シフトを起こすつもりだった。やられ役ばっかりでソーやアイアンマンにスポットライトを奪われていた退屈で平凡なキャラクターが、突然メフィスト(英語版)をワンパンチでKOするんだ。誰かが読者と一緒に驚いて見せないと」[3] 米国国務省の職員エヴェレット・ロスは、アメリカを訪れた海外の使節に随行するのが職務であった。スーパーヒーローのブラックパンサーであり、ワカンダの君主でもあるティチャラ (T'Challa) の護衛を命じられたとき、ロスの世界は一変した。 ロスはティチャラの傍らでワカンダの統治を脅かす数多くの敵と直面し、何度もティチャラの力になった。恩義を感じたティチャラもたびたび危険を冒してロスを助けた。二人が協力して対処に当たった最初の脅威は、独立諜報組織「Xcon」の支援を受けたアチェベ師による政府転覆の陰謀であった[4]。 ロスはワカンダ情勢の専門家として政府高官や国家安全保障局のアドバイザーを務めた。ワカンダ問題に関するホワイトハウス内の会議にも出席している[5]。 その後、ブラックパンサーの妹シュリが最初のアメリカ親善訪問を行った際にリエゾンを務めた。暗殺者が護衛を襲撃するとシュリはロスの命を守った[6]。 後に、S.H.I.E.L.D.長官マリア・ヒルの裁判において世界安全保障局から訴追者に任じられた[7]。 『ブラックパンサー』のストーリー「過去と未来の王 (The Once and Future King)」で描かれた未来世界では、ティチャラの息子ティチャーラ (T'Charra) がヴィラン集団とともに老齢のロスを誘拐する。ティチャーラは王位簒奪を目論み、ロスを餌に用いてティチャラをおびき寄せて殺そうとする[8]。ティチャラはロスを救うが、直後に心臓発作に襲われる。ロスは蘇生を試みながら叫び続ける。「陛下――どうぞご無事で――ちくしょう、ティチャラ――二人で何でも乗り越えてきたじゃないか!!」[9]。 『X-メン・フォーエバー』誌のストーリー「ライジング・ストーム! (Rising Storm!)」ではアース161と呼ばれる異世界が舞台となり、その世界のロスが登場する。X-MENのストームがコンソーシアムと呼ばれる犯罪組織に所属する殺人犯だったことが暴かれる。ストームはワカンダに亡命し、ロスは衝撃を受ける[10]。ロスはアメリカ大統領の代理として国連会議に出席し、ストームに掌握されたワカンダの脅威を訴える。
作中の経歴
別バージョンのロス