エヴァンゲリオン_(架空の兵器)
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汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン(はんようひとがたけっせんへいき じんぞうにんげんエヴァンゲリオン)は、日本のアニメーション作品新世紀エヴァンゲリオン』および『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とその派生作品に登場する架空兵器人造人間)である。略称は、エヴァンゲリオン、EVA[注 1]
機体解説

使徒と呼ばれる生命体の殲滅を目的として製造された汎用人型決戦兵器である。ロボットではなく人造人間と呼称され、アダムもしくはリリスと呼ばれる「生命の起源」を人類がコピーして作った巨大な生命体を、本来の力を抑え込むための拘束具を兼ねた装甲板で人型になるように覆ったものである。A.T.フィールドを展開する使徒に対して、人類が保有する唯一の対抗手段とされる。

語源は「福音」を意味するギリシア語のエウアンゲリオン(ε?αγγ?λιον, euangelion)に由来する[1]。またその頭3文字を取った略称Evaは、聖書創世記に登場する最初の女性である「エバ(イヴ)」にもかけられている。

機体番号表記については日本国内で建造されたEVA零-弐号機(弐号機は、設計・部品建造を日本で行い、ドイツでは組み立てのみを行った)は漢数字(大字)で、日本国外で建造されたEVA3号機-13号機はアラビア数字で表記するという設定が存在しており、脚本や漫画版、スーパーロボット大戦シリーズなどでは一貫して、これに則した表記がなされている。一方、漫画『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd』やゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』、『スーパーロボット大戦F完結編』、バンダイから発売された「プラモデル」、「超合金魂」や、海洋堂から発売された「リボルテック」では「3号機」を「参号機」と表記している。
特徴
操縦系

人間が愛情を抱くときに使うとされるA10神経を介した神経接続によるコントロールシステムを採用している[注 2]。稼働状況は機体とパイロットの「シンクロ率」により左右される。機体が受けたダメージはパイロットにフィードバックされ、痛みを感じたり負傷したりする。しかも、最悪の場合死に至る事がある。神経接続やシンクロ率は発令所から操作でき、例えば第18話ではシンクロ率のカットが指示されている。また、第19話ではパイロットの意志で発令所からのコントロールを受け付けないように一部の機能をロックしていた。

パイロットは細長いカプセル状のコクピット容器エントリープラグ内部のプラグインテリアに搭乗する。プラグはEVAの首の付け根から脊髄に挿入され、先端にはEVAの中枢神経に接続するための神経接続用探査針があり、この探査針を介してEVAとパイロットの神経系の同調がなされる。プラグは緊急脱出装置を兼ねており、緊急時には挿入口から射出されロケットモーターで離脱、パラシュートにより着地する。プラグ内はL.C.L.と呼ばれる液体で満たされており、それが外部を映すスクリーン、神経接続の媒介物質、衝撃緩和液として機能する。また、パイロットはL.C.L.を肺に取り込むことで体に直接酸素を供給される(液体呼吸の項を参照)。なお凍結中の零号機には、巨大な十字架の付いた停止信号(凍結)プラグが挿入されていた。

パイロットの座るシートの両脇には機体制御や射撃管制に用いる2本のコントロールレバーが設けられている。このグリップを引き起こして展開することで機体を高機動モードに切り替えることができる。シート後方には巨大なディスクドライブが搭載され、操縦に関するシステムや、自爆プログラムやダミーシステムも書き込まれている。シート前方の下部にはエントリープラグの内壁に接するような形状の安定フィンがあり、インテリアはシンクロ率に応じてプラグ内を前後するようになっている。プラグの容量的には複数人が入ることも可能だが、パイロット本人以外の存在はシンクロに影響する(第3話、第8話)。

操縦の際、パイロットは脳と機体を神経接続するインターフェイス・ヘッドセットを頭部に装着し、シンクロ補助や生命維持などのシステムが内蔵されたプラグスーツを着用する。プラグスーツを着用せずにEVAに搭乗・出撃するシーンでもインターフェース・ヘッドセットは装着している(第1話、第19話。第13話では実験のため両方とも非着用)。
パイロット

搭乗者は、原則として「母親のいない(母親の魂がEVAのコアに同化している)14歳の子供」に限定して選出される。EVAにはそれぞれ固有パルスのパターン(パーソナルパターン)があり、パイロットもそれに似たパターンの保持者でなければならない。違うパターンの保持者が搭乗した場合、09システム(オーナインシステム)と比喩されるように、起動確率は0.000000001%であるため、起動する可能性は“ゼロではない”が、ほぼないと言ってよい。

EVAのコア内には通常、パイロットとEVAをリンクさせるための介在としてパイロットの母親の魂が入っている。開発過程において、魂までコピーできなかったEVAを操縦するにあたり、パイロットが魂の役割となった。しかしながら通常パイロットだけでは、EVA=神の肉体と魂たる人間とでは格差がありすぎるために上手く動かせず、きちんとした性能を発揮できない。そして開発の初期段階にEVAと接触実験を行った碇ユイと惣流・キョウコ・ツェッペリンはいずれも事故を起こし、前者は肉体ごと初号機と同一化して消失、後者は魂の大部分を弐号機内に奪われ、魂が不完全になったキョウコは発狂・自殺してしまう。しかしながら、これらのEVAのコア内に残された魂を介在とし、彼女らの子をパイロットにすることで、EVAとパイロットとの「格差」はなくなり、初めて安定した接続が可能となった。EVAのパイロットが原則として1体につき1人しかいないのはこの事情による。なお渚カヲルは例外で、アダムから作られてかつ魂がない、または引きこもっている機体ならば自由に操ることができる。

零号機と初号機はパーソナルパターンが酷似しており、第14話ではパイロットを交換しての起動実験が行われた。レイと初号機のペアに問題はなかったものの、シンジと零号機のペアは実験中に暴走事故を起こし失敗した。この実験の成果からレイのパーソナルを人工的に再現しエヴァにパイロットがいると思い込ませるダミーシステムが開発され、第18話で戦闘を拒否したシンジに代わって初号機を操縦し第13使徒バルディエルを殲滅した。ただし第19話では初号機にレイが搭乗して出撃しようとするものの初号機にシンクロを拒絶され失敗、ダミーシステムを搭載したダミープラグによる起動も同様に失敗している。劇場版で登場した量産機は、渚カヲルのパーソナルデータを用いたダミープラグを使用していた。弐号機に関しては、第10話でレイがアスカに代わって弐号機で出撃する旨の発言をしているが、第14話に「弐号機の互換性が効かない」というセリフがあり実際には稼働させられないらしい。漫画版では第1話でレイが初号機に乗ってサキエルと交戦している。
動力

背部に接続されたアンビリカルケーブルからの電力供給で稼働する。予備電源を内蔵しており、ケーブルからの電力供給を失ってもフルで1?3分程度、ゲイン[注 3]を利用すれば5分の活動が可能。また肩に外付けの大型バッテリーを装着することにより、ケーブルなしでの稼働時間を延長することができる。なお初号機は第19話で第14使徒ゼルエルを捕食しS2機関を獲得したが、第23話ではケーブルを装着して出撃している。
性能

使徒と同様、A.T.フィールドを展開することができる。A.T.フィールドは機体周囲を取り巻くバリアの一種であり、機体への物理的干渉のほか強力なものになると第10使徒サハクィエルや第17使徒タブリスのように電磁波すら通さなくなる。至近距離ではA.T.フィールド同士を中和させることによって防御壁を無効化できる。EVAが使徒に対して唯一有効な対抗策とされるのはこのため。以上のように物理面に影響を及ぼすA.T.フィールドは防御以外にも攻撃手段として用いられている描写もみられる。劇場版では弐号機が戦略自衛隊の航空機に対しての攻撃手段としてカッターのように用いている。ゲームソフト『新世紀エヴァンゲリオン2』のF型装備では武装や推進部をA.T.フィールド自体を動力として活用している。人型の汎用機体なので、刀剣や銃火器など人間の使う武器と同様の武装を装備できる。全身が装甲に覆われているが、この装甲の真の目的は防具ではなく拘束具としてEVAの暴走を阻止することである。対使徒戦のみならず通常の人間同士の戦闘でも圧倒的な戦力であることに加え、その製造・運用には莫大な利権が生じることから、世界各国が製造権・保有権を巡って争っており、劇中で3号機・4号機は米国が製造権を主張して半ば強引に製造していたことが示されている。新劇場版ではEVAの保有数や技術転用を規制する国際条約「バチカン条約」が登場した。
EVAシリーズ(『新世紀エヴァンゲリオン』)
零号機(EVA-00 PROTO TYPE)

搭乗者:

綾波レイ[3]

碇シンジ(機体相互互換試験のみ)[4]


機体色:山吹色[3]→青(改)[4]

眼:単眼

コア(魂):作中では言及無し

初登場話数:第5話

最初に製作されたプロトタイプで、当初は肩部ウェポンラックなどの装備もされていない。起動実験中に暴走事故を起こしたため凍結されていたが、第5話で凍結解除。第6話でヤシマ作戦に投入され、初号機を荷粒子砲から庇って大破した。その後の修復に伴って弐号機と同じ形状の装甲板と肩部ウェポンラックを取り付け機体色も青に変更する改装を施され、第11話の第9使徒マトリエル戦から再び実戦投入される。


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