エンルム岬
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エンルム岬
エンルム岬の空撮
場所 日本
北海道様似町会所町
沖合水域太平洋

エンルム岬(エンルムみさき)は、北海道様似郡様似町にある岬の名称(アポイ岳世界ジオパーク 様似海岸エリア Geological Site C3)[1]。 エンル?[2]とはアイヌ語で「岬」という意味であり、様似川河口東岸の所から島のような岬が伸びていて、そこが「エンルム」と呼ばれている[3]。 エンルム岬は直訳すると「岬岬」ということになる[4]。 地名の由来は、アイヌ語の「エンル?(enrum)」(岬)または「エ?ムン(ermun)」(ネズミ)などがある[5]
歴史エンルム岬周辺の空中写真。
1978年10月15日撮影
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

エンルム岬にある「会所町エンルム岬遺跡」は、擦文式土器が出土している。[6]また、アイヌ伝説も複数あり、代表的なもので「エンルム岬のクジラ」[7]や「様似エンルムの悪酋長」「エンルムの白狐」[8]がある。

江戸時代には、会所が岬の麓に置かれ文化の中心を成した。また、岬中腹に木砲台2基が置かれ、「観音堂」「船魂社」「稲荷社」からなるエンルム三社が文化年間に建立された[9]
地質

エンルム岬は、過去には独立した島であったが、砂州の形成により繋がり、現在は陸繋島となっている。塩釜トンネルからローソク岩、親子岩、ソビラ岩を経てエンルム岬が一直線に並んでいる。これらは同じ地質から構成されており、元々は一続きの大規模な岩脈を構成していたと考えられる[10]。西側から見上げるときれいな節理が見られるが、これはマグマが冷えて固まる時にできたもので、一連の岩脈全体は様似ヒン岩岩脈 [11]と名付けられた火成岩から構成されている。地層の割れ目にマグマが入り込み、大地が隆起する過程で風雨や波によって柔らかい地層(堆積岩)が削られ、固い火成岩が残った[12]。この火成岩がさらに部分的に崩れ、現在のようないくつかの山、島、陸繋島となっている。日高の海岸でヒン岩は少ない[13]エンルム岬の節理
参考文献^ 北海道出版社『ユネスコ認定 アポイ岳ジオパークガイドブック』北海道新聞社、2018年。p006.p064 ISBN 978-4-89453-920-4
^ 通常は「エンルム」と書かれるが、正確な表記では「ム」を小さく書く。
^ 「アイヌ語地名リスト」 平成13年3月 北海道環境生活部 増刷 財団法人アイヌ文化振興・研究機構 p.20
^ 「アポイのふもとから 平成29年11月1日 大野徹人著 アポイ岳ファンクラブ発行 巻頭写真
^ 「アイヌ語地名リスト」 平成13年3月 北海道環境生活部 増刷 財団法人アイヌ文化振興・研究機構
^ 「改訂 様似町史」 様似町 p.14
^ 「ふるさと絵本 さまに昔むかし」 平成4年1月1日 北海道様似町p.5-6
^ 「ふるさとNo.10 シャマニ(様似)アイヌの口碑伝説 様似郷土館 p.20-21
^ 「改訂 様似町史」 平成4年8月31日発行 様似町長 p.443
^ 日高沿岸の露頭観察 第2集 1977版 日高理灯会 p1
^ 北海道出版社『ユネスコ認定 アポイ岳ジオパークガイドブック』北海道新聞社、2018年。p024.p088 ISBN 978-4-89453-920-4
^ 青木正博 目代邦康『岩石・地層・地形から地球の成り立ちや活動を知る 増補改訂版 地層の見方が分かる フィールド図鑑』株式会社 誠文堂新光社2017年 ISBN 978-4-416-61782-3 P196?P199
^ 様似町ジオサイト解説板「大地の変動がつくるマグマの造形」様似町 東経42.122242 北緯142.918458設置 2020/09確認済み

関連項目

様似中継局:エンルム岬にある中継局

襟裳岬:同じくアイヌ語の「エンル?」が語源とされる岬。

絵鞆岬:同じくアイヌ語の「エンル?」が語源とされる岬。


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