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エンドウ(豌豆、学名:Pisum sativum L.)は、マメ科の一・二年草。広く栽培され、食用となっている。一般に、エンドウマメとも。別名(古名)にノラマメ[1]。実エンドウ・グリーンピース(未熟の種子を食用とする場合の呼び方)、サヤエンドウ(莢豌豆・絹莢、未熟の莢を食用とする場合の呼び方)、ヨサクマメ(北東北の一部地域での呼び方)など。日本での栽培種には、ウスイエンドウ(うすい豆)[2][3]、キヌサヤエンドウ、オランダエンドウなどがある。目次 古代オリエント地方や地中海地方で麦作農耕の発祥とともに栽培化された豆で、原産地域であるフェルガナから漢に伝来した際に、フェルガナの中国名が大宛国であることから豌豆(えんどう=宛の豆)と名付けられたことが名の由来となっている。原種は近東地方に今日でも野生している P. humile Boiss. et Noo. と推察されている。もともとは麦類の間で雑草として生えてきたこの原種の野生植物を、種実を食用にしたり、根粒菌による土の肥沃化に効果があるなどの利用価値を発見することで、麦類とともに混ぜ植え栽培するようになり、次第に栽培植物として品種改良が進んだと考えられている。この地域では農耕開始期に、カラスノエンドウもエンドウと同時に同様の利用が行われ始めたが、こちらの栽培利用はその後断絶し、今日では雑草とみなされている。また、同じ地域に起源を持つマメ科作物としては、ソラマメ、レンズマメ、ヒヨコマメが挙げられる。麦作農耕とともにユーラシア各地に広まり、中国に伝わったのは5世紀、日本へは9-10世紀には伝わった。また、メンデルが実験材料としたことでも知られている。 さやの硬さにより、硬莢種(こうきょうしゅ)(P. sativum subsp. arvense) (Poir.
1 変遷
2 特徴
3 食品として
4 メンデルの実験材料として
5 栽培
5.1 特性
5.2 栽培法
6 脚注
7 関連項目
変遷
特徴 サヤエンドウとして食用になるエンドウの若い果実 グリーンピース - エンドウの種子 完熟した硬莢種
原産地が冬に雨が多い地中海性気候の近東地方であるため、夏の高温期は成長適期ではなく、麦類と同様に基本的には秋まきして翌春収穫する。冬の寒さの厳しい東北北部や北海道では春まきして初夏に収穫する。連作に弱く、一度栽培した土地では数年間栽培が困難となる。また、原産地が土壌にカルシウムなどが多い乾燥地帯であることから想像できるように、酸性土壌にも弱い。
発芽に際しては同じマメ科のダイズのように胚軸が伸張して地上で子葉を双葉として展開するのではなく、上胚軸だけが伸張して地上に本葉だけを展開し、子葉は地中に残る。 えんどう(全粒、青えんどう、乾)[4]100 gあたりの栄養価
食品として
エネルギー1,473 kJ (352 kcal)
炭水化物60.4 g
食物繊維17.4 g
脂肪2.3 g
飽和脂肪酸0.27 g
一価不飽和0.44 g
多価不飽和0.68 g
タンパク質21.7 g
ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(1%) 8 μg(1%)89 μg
チアミン (B1)(63%) 0.72 mg
リボフラビン (B2)(13%) 0.15 mg
ナイアシン (B3)(17%) 2.5 mg
パントテン酸 (B5)(35%) 1.74 mg
ビタミンB6(22%) 0.29 mg
葉酸 (B9)(6%) 24 μg
ビタミンE(1%) 0.1 mg
ビタミンK(15%) 16 μg
ミネラル
ナトリウム(0%) 1 mg
カリウム(19%) 870 mg
カルシウム(7%) 65 mg
マグネシウム(34%) 120 mg
リン(51%) 360 mg
鉄分(38%) 5.0 mg
亜鉛(43%) 4.1 mg
銅(25%) 0.49 mg
セレン(16%) 11 μg
他の成分
水分13.4 g
水溶性食物繊維1.2 g
不溶性食物繊維16.2 g
ビオチン (B7)16.0 μg
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[5]。
単位
μg = マイクログラム • mg = ミリグラム
IU = 国際単位
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標(RDI
エンドウ(100g中)の主な脂肪酸の種類[6]項目分量 (g)
脂肪0.4
飽和脂肪酸0.071
16:0(パルミチン酸)0.064
18:0(ステアリン酸)0.007
一価不飽和脂肪酸0.035