エンデュミオーン
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「エンデュミオン」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「エンデュミオン (曖昧さ回避)」をご覧ください。
セバスティアーノ・リッチ(英語版)『セレネとエンデュミオン』(1713年)。ロンドンチズウィックハウス所蔵。エンデュミオーンが眠るとされたカーリア地方のラトモス山。

エンデュミオーン(古希: ?νδυμ?ων, Endymi?n)は、ギリシア神話に登場する人物である。長母音を省略してエンデュミオン、英語読みでエンディミオンとも表記される。エーリス地方の王。美男子として知られ、女神セレーネーとの悲話で有名である。
神話
家族構成

エンデュミオーンは、ゼウスの息子アエトリオスアイオロスの娘カリュケーとの息子、あるいはゼウスの息子とされる[1]。妻は水のニュンペーあるいはイーピアナッサ[2]、またあるいはアステロディアとも、アムピクテュオーンの子イトーノスの娘クロミアーとも、アルカディアアルカスの娘ヒュペリッペーともいわれ、その間に息子アイトーロスパイオーンエペイオスと、娘エウリュキュダーのほか、エーリスの伝承では50人の娘をもうけたとされる[3]。また、ピーサも娘とされることがある。50人の娘がいるとされるのは、オリンピアードの期間が50か月であるためだと考えられている。一説には50人の娘を除く、セレーネーとの間にナルキッソスを生んだ[4]
栄光

エンデュミオーンはテッサリアー地方からアイオリス人を率いてエーリス地方に到達し、エーリス王となった。息子達には王位を競技によって争わせ、次の王位についたのはエペイオスであった[3]。また、オリュンピアからクレータクリュメノスを追い払って、その王位も奪った。
悲恋

ルキアーノスの『神々の対話』によると、セレーネーはある日、山で寝ていたエンデュミオーンの美しさに魅了されて恋に落ちた。それ以来、セレーネーは地上で眠るエンデュミオーンを空の上から眺め、ときには地上に降りて、エンデュミオーンが目を覚まさないようにそっと爪先で近づき、眠っている顔を間近で見つめるという[5]。しかし不死の神とは異なり、老いていくエンデュミオーンに耐えきれなくなった彼女は、ゼウスに彼を不老不死にするように頼んだ。ゼウスはその願いを聞き入れ、彼を永遠の眠りにつかせた(一説によればセレーネー自身が行ったともされる)。以降、毎夜セレーネーは地上に降り、眠るエンデュミオーンのそばに寄り添っているという。

エンデュミオーンが眠る場所は通常ペロポネーソスとされるが、一説によれば小アジアカーリア地方のラトモス山とされる[6][7]。そのため、エンデュミオーンの墓はエーリス地方とラトモスの両方にあった。カーリア地方のヘーラクレース山の人々は、彼のためにラトモス山に神殿を建てた。また、セレーネーとアルテミスが同一視されるようになってからは、恋の相手はアルテミスとされるようにもなった。一説にはゼウスによって天界に連れて行かれたエンデュミオーンはヘーラーに恋をしたり、そしてヘーラーの似姿を作った雲に惑わされることで冥府に落された(一般的にはイクシーオーンについての神話である)[8]
系図

      アイオロス 

            

  アエトリオス カリュケー 
  
            

    エンデュミオーン   

                         
                
    アイトーロス パイオーン   アミュターオーン エペイオス

                         
       
    プレウローン   カリュドーン アイオリアー ヒュルミーネー ポルバース
    
                                        
                        
    アゲーノール エピカステー       プロートゲネイア アレース      アクトール
    
                                            
                        
  ポルターオーン      アポローン デーモニーケー アレース オクシュロス     エウリュトスモリオネ) クテアトスモリオネ
  
                                               
                          
アグリオス     ストラトニーケー メラネウス テスティオス エウエーノス モーロス ピュロス タルピオス アムピマコス 
  
                                
     
テルシーテース       エウリュトス        イーダース マルペーッサ   
  
                                          


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