エンティティー 霊体
The Entity
監督シドニー・J・フューリー
脚本フランク・デ・フェリータ
『エンティティー 霊体』(エンティティー れいたい、The Entity )は、1981年に製作されたアメリカ合衆国のホラー映画。
4人の子供を持つロサンゼルス在住の女性ドリス・ビザーが、見えない霊によって犯されたという1974年の実話「ドリス・ビザー事件(英語版)」がベースになっている。 ある夜、ロサンゼルスに住む2人の子持ちのシングル・マザー、カーラ(バーバラ・ハーシー)は自室で就寝中、何者かに強姦されかけたために驚いて起きるが、周りには誰もいない。その後もたびたび、不可解な現象に襲われ続けるカーラは、偶然知り合った精神科医師(ロン・シルヴァー)に相談するが、「幻覚じゃないか」と言われる。謎の現象はなおも起こり続け、ついには息子までもが怪我をしてしまう。困ったカーラは超心理学者を頼り、そして現場を訪れたクーリー博士(ジャクリーン・ブルックス)は、「この謎の現象はエンティティーの仕業である」と断定する。まもなくカーラは、恋人(アレックス・ロッコ)の目の前で全裸に剥かれ、犯されてしまう。 役名俳優日本語吹替
ストーリー
キャスト
日本テレビ版テレビ朝日版
カーラ・モラン(シングルマザー)バーバラ・ハーシー岡江久美子弘中くみ子
フィル・スナイダーマン(精神科医)ロン・シルヴァー樋浦勉菅生隆之
ビリー(カーラの息子)デイヴィッド・ラビオサ
ジェリー・アンダーソン(カーラの恋人)アレックス・ロッコ小林勝彦徳丸完
シンディ・ナッシュ(カーラの友人)マーガレット・ブライ(英語版)吉田理保子高島雅羅
ジョージ・ナッシュ(シンディの夫)マイケル・アルドレッジ(英語版)島香裕
ウィーバー博士ジョージ・コー石森達幸
クーリー博士(超心理学者)ジャクリーン・ブルックス
ジョー・ミーハン(超心理学者)レイモンド・シンガー阪脩仲野裕
ジーン・クラフト(超心理学者)リチャード・ブレストッフ石丸博也佐々木勝彦
ウォルコット博士アラン・リッチ(英語版)
日本テレビ版その他:大久保正信、京田尚子、高田由美、吉田美保、秋元羊介、喜多川拓郎、藤本譲、鳳芳野 フランク・デ・フェリータ
日本テレビ版:初回放送1986年6月27日『水曜ロードショー/エンティティー 霊体 美女を毎夜レイプする零体とゴーストバスターたちの死闘』
テレビ朝日版:初回放送1994年9月4日『日曜洋画劇場』
スタッフ
監督:シドニー・J・フューリー
製作:ハロルド・シュナイダー(英語版)
原作・脚本:フランク・デ・フェリータ(英語版)
撮影:スティーヴン・H・ブラム
SFX:ウィリアム・クルーズ
特殊効果:マーティ・ブレシン、ジョー・ディガエタノ、ジョー・ランバルディ、スティーブ・ロンバルディ、ゲイリー・モナーク、ボブ・ウィラード
特殊メイク:スタン・ウィンストン、ジェームズ・カーゲル
音楽:チャールズ・バーンスタイン(英語版)
編集:フランク・J・ウリオステ(英語版)
配給:20世紀フォックス
製作顧問:バリー・タフト博士、ケリー・ゲイナー博士(カリフォルニア大学超心理学研究所)
製作
主人公カーラ役にはジル・クレイバーグ、サリー・フィールド、ジェーン・フォンダ、ベット・ミドラーを含む数人の女優が候補に挙がったが、いずれも出演を辞退した。バーバラ・ハーシーがキャスティングされたのは製作開始のわずか10日前であった。脚本にヌードシーンがあったため、ハーシーは躊躇していたが、シドニー・J・フューリー監督はヌードの場面はボディダブルと造形物を使うことを約束したため、出演に同意した[2]。
カーラの家の外観は、カリフォルニア州エル・セグンド(英語版)でロケを行い、家の内部はロサンゼルスのスタジオ内に作った。撮影は1981年3月30日にロサンゼルスで開始され、同年6月下旬にクランクアップ [2]。
当初の脚本には、カーラが息子ビリーの童貞を奪う空想シーンがあったが、フューリーはカーラと息子の近親相姦感情を含むサブプロットを脚本から削除した。ビリー役のデイヴィッド・ラビオサ(英語版)は「この場面が暗示していたことを考えると、誰にとっても気まずい結果になったと思う。もし最初の脚本のまま撮っていたら、この映画はどうなっていただろうかとよく思う」と語った。ラビオサによれば、屋外で上半身裸のビリーをカーラが眺めるシーンが撮影されたが、サブプロットの削除に伴い映画からカットされている[2]。
特殊効果の大半はスタン・ウィンストンの手により効果をあげた。カーラの裸体が霊によって弄ばれるシーンは、内側に吸盤を仕込んだラテックス製のダミーボディを製作し、スタッフがベッドの下から操作することで乳房などが触られたように凹む仕掛けになっている。このシーンでは・ハーシーは頭部を除いてベッドの下に身体が隠れている[3]。全裸のダミーボディの製作費は65,000ドルだったという[2]。 クエンティン・タランティーノはこの映画の熱烈なファンを自称しており[4]、同様に本作が好きだというマーティン・スコセッシも、『サイコ』と『シャイニング』を上回り、史上4番目に怖いホラー映画だと高評価している[2][4]。 2015年には映画監督ジェームズ・ワンのプロデュースのもと、『エンティティー』のリメイクを行なうことが発表された。ワンが監督を務めた『死霊館』の脚本家コンビ、チャド・ヘイズ
反響