エンタープライズ_(CVN-65)
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エンタープライズ

基本情報
建造所ニューポート・ニューズ造船所
運用者 アメリカ海軍
艦種航空母艦原子力空母; CVAN→CVN[注 1]
級名エンタープライズ級航空母艦
前級キティホーク級
次級ニミッツ級
愛称Big E;
Mobile Chernobyl;
Three-Quarter Mile Island
モットーReady on Arrival;
The First, the Finest;
Eight Reactors, None Faster
艦歴
発注1957年11月15日
起工1958年2月4日
進水1960年9月24日
就役1961年11月25日
退役2012年12月1日
その後2021年現在ニューポート・ニューズ造船所にて解体中
要目([1][2]
基準排水量75,700トン
満載排水量89,084→89,600トン
軽荷排水量71,277→73,502トン
全長342.3 m
水線長317.1 m
最大幅77.7 m
水線幅40.5 m
吃水11.3 m
主機蒸気タービン
原子炉ウェスティングハウスA2W加圧水型原子炉×8基
推進スクリュープロペラ×4軸
出力280,000hps(210 MW)
速力最大33.6ノット
乗員4,600名
兵装

ファランクスCIWS×2基

シースパロー8連装発射機×2基

RAM 21連装発射機×2基

搭載機84機
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エンタープライズ(USS Enterprise, CVAN/CVN-65[注 1])は、アメリカ海軍のエンタープライズ級航空母艦[2]。世界初の原子力空母であり[3][1]、アメリカ海軍の戦闘艦船として最長の就役年数を持ち、半世紀にわたって同海軍の象徴となっていた[4]バージニア州ノーフォークにあるノーフォーク海軍基地を母港とした[5]

エンタープライズの名を持つ艦としては8隻目であり、先代のエンタープライズ (USS Enterprise, CV-6) と同じく「ビッグE」の愛称で呼ばれた。同型艦の建造も検討されたものの、高コストのために実現しなかった。
来歴
超大型空母の誕生

第二次世界大戦後の核戦争時代の到来を受け、アメリカ海軍は空軍戦略航空軍団への対抗もあり、核兵器の運用能力を有する大型艦上攻撃機を運用可能な超大型空母の保有を志向した[6]

1948年度計画での「ユナイテッド・ステーツ」(基準排水量66,400トン)は空軍などの反対や予算の制約などにより挫折したものの、朝鮮戦争空母航空団の存在意義が再確認されたこともあり、1952年度計画よりフォレスタル級(基準排水量59,900トン)の建造が開始され、計4隻が建造された[6]
初期の試みと挫折

一方、「ユナイテッド・ステーツ」の検討過程の1946年より、航空母艦の原子力推進化が検討され、1952年度で建造予定だった同型艦では原子力推進化が期待されたものの、実現しなかった[3]。その後、1950年8月、海軍作戦部長(CNO)フォレスト・シャーマン大将は艦船局(BuShips)に対し、空母の原子力推進化に関するフィジビリティスタディを指示した[3]

1951年には空母用原子炉の正式な要件定義が作成された。海軍は既に潜水艦用原子炉(後に「ノーチラス」に搭載されるS2Wの原型機)を開発していたが、空母のためには全く異なる設計が必要になることが判明し、予算の見積もりは高騰した。海軍部内では、燃料の搭載余地が多い空母より、潜水艦や駆逐艦の原子力推進化のほうが優先するとの意見も強く、アイゼンハワー大統領は国防費削減を重視しており、そして原子力空母計画の後援者だったシャーマン提督は1951年に死去していた。この結果、原子力委員会(AEC)1953年に空母用原子炉の計画を中止した[3]
原子力空母の復活

AECによって原子炉の開発計画が中止されたあとでも、海軍部内では、原子力空母に関する検討は継続されていた。1954年5月、艦艇用原子炉の開発を統括していたハイマン・G・リッコーヴァー少将は、攻撃潜水艦から航空母艦まで5種類の舶用原子炉の試作計画を提案して、今回はAECの承認を得ることができた。1955年末までには、空母用試作炉としてA1Wの計画が作成されており[3]、これは1958年より運転を開始した[7]

一方、これらの原子炉を搭載する原子力空母そのものについては、まず1953年に小型の原子力空母(CVAN 4/53)の設計が検討されたのち、1954年2月16日の艦船局の覚書に基づいて、SCB-160計画が作成された。予備設計は1956年9月に完了し、1958年度計画での建造が承認された。これが本艦である[3]
設計
船体

上記の経緯により「エンタープライズ」は原子力空母として開発されたが、当時の技術で開発できる原子力推進機関の性能によって船体のサイズは制約されており、計画段階では、小型の船体も検討された。しかし結局、無理な小型化は運用効率を大きく損なうことが判明して[3]、基本的には先行するキティホーク級を原子力推進化した設計となった[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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