エンケ彗星
[Wikipedia|▼Menu]

エンケ彗星
2P/Encke

エンケ彗星
仮符号・別名2P/1786 B1 = 1786 I =
2P/1795 V1 = 1795 =
2P/1805 U1 = 1805 =
2P/1818 W1 = 1819 I =
2P/1822 L1 = 1822 II =
1825 III = 1829 = 1832 I = 1835 II =
1838 = 1842 I = 1845 IV = 1848 II =
1852 I = 1855 III = 1858 VIII = 1862 I =
1865 II = 1868 III = 1871 V = 1871c =
1875 II = 1875a = 1878 II = 1878c =
1881 VII = 1881d = 1885 I = 1884d =
1888 II = 1888b = 1891 III = 1891c =
1895 I = 1894d = 1898 III = 1898d =
1901 II = 1901b = 1905 I = 1904b =
1908 I = 1908b = 1911 III = 1911d =
1914 VI = 1914d = 1918 I = 1917c =
1921 IV = 1921d = 1924 III = 1924b =
1928 II = 1927h = 1931 II = 1931a =
1934 III = 1934a = 1937 VI = 1937h =
1941 V = 1941b = 1947 XI = 1947i =
1951 III = 1950e = 1954 IX = 1953f =
1957 VIII = 1957c = 1961 I = 1960i =
1964 IV = 1963h = 1967 XIII = 1967h =
1971 II = 1970l = 1974 V = 1977 XI = 1980 XI =
1984 VI = 1987 XIII = 1990 XXI = 1994 V[1]
分類周期彗星
発見
発見日1786年1月17日[1]
発見者ピエール・メシャン[1]
ヨハン・フランツ・エンケ (軌道の同定)
軌道要素と性質
元期:2015年8月25.0日 (TDB 2457259.5)
軌道長半径 (a)2.21515 au[1]
近日点距離 (q)0.33596 au[1]
遠日点距離 (Q)4.09434 au[1]
離心率 (e)0.84833[1]
公転周期 (P)3.30 [1]
軌道傾斜角 (i)011.7814 °[1]
近日点引数 (ω)186.5468 °[1]
昇交点黄経 (Ω)334.5678 °[1]
平均近点角 (M)191.6818 °[1]
前回近日点通過2020年6月25日[2]
次回近日点通過2023年10月23日[3]
最小交差距離0.173044 au(地球)[1]
0.920855 au(木星)[1]
ティスラン・パラメータ (T jup)3.025[1]
物理的性質
直径4.8km[1]
自転周期11.083時間[1]
アルベド(反射能)0.046[1]
Template (ノート 解説) ■Project

エンケ彗星(英語: Comet Encke、2P/Encke)は、公転周期3.3年で太陽の周囲を公転する彗星である。現在知られている周期彗星の中では、パンスターズ彗星 (311P)に次いで2番目に周期が短い[4]。初めて記録されたのは1786年1月17日のピエール・メシャンによるものだが[5]1819年にヨハン・フランツ・エンケが軌道計算を行って周期彗星として知られるようになった。名称はハレー彗星と同様に発見者ではなく軌道計算に成功した者の名が付けられた。近日点に近づくと尾やコマが輝き明るくなるが、彗星核の反射率(アルベド)は4.6%となっており、彗星に典型的な特徴を持つ。彗星核の直径は4.8kmである[1]
発見

エンケ彗星の番号名2Pにも見られるようにエンケ彗星はハレー彗星に次いで2番目に周期彗星(英語でPeriodic comet)であることが明らかになった彗星である。1786年に天文学者ピエール・メシャン、シャルル・メシエらが独立して発見し[5]、1795年にはカロライン・ハーシェル[6][7]、1818年にはジャン=ルイ・ポンも発見した[7][8]。そしてヨハン・フランツ・エンケは1786年の彗星1786 B1、1795年の彗星1795 V1、1805年の彗星1805 U1、1818年の彗星1818 W1の4彗星の同定に成功した。1819年にはその成果についてジャーナル『Correspondance astronomique』で発表し、その回帰を1822年と予想した[7]。1822年6月2日にはシドニー天文台(英語版)でCarl Ludwig Christian Rumkerが回帰したエンケ彗星の観測を行った[7]
軌道

彗星は一般的に他の天体からの万有引力の影響を受ける摂動やガス放出により軌道は一定でない。エンケ彗星の軌道傾斜角が小さく、周期が3年と短いことから、地球型惑星4惑星から摂動の影響を受けている。また、エンケ彗星は木星と7:2で軌道共鳴しており、エンケ彗星から放出された破片やエンケ彗星を形成するもととなった天体から放出された破片もこの共鳴の状態にあると考えられている[9]

エンケ彗星は地球に0.173 auまで接近する[10]。1997年7月4日には0.19 auまで接近した例があり、2172年6月29日には0.165 auまで接近すると予測されている[10]。2013年11月18日には水星と0.02496 auまでとかなり接近したこともあった[10]。地球に接近してくるのは約33年に1回起こる。

エンケ彗星は太陽に最接近する距離(近日点)が0.336 auである[1]。この太陽への接近距離は2021年8月現在軌道が確定している周期彗星の中で6番目に短い[11]。また、太陽から最も遠い位置(遠日点)は4.09 auで2021年8月現在軌道が確定している周期彗星の中では9番目に短い[12]
観測

エンケ彗星は回帰してくるときは1818年の周期彗星と明らかになったとき以来、1944年を除いて観測されてきた[5][13]

エンケ彗星が遠日点付近にあるときの写真を撮影する計画はウィルソン山天文台の60インチ望遠鏡を用いて1913年7月2日に計画立てられたが、写真乾板の郵送中に紛失してしまっためこの時はできなかった[14]。同様の計画が1913年9月1日に実施されたが、撮影された画像では予測されていた位置から角度で1.5の誤差が生じてしまい、当時は軌道が完全には確定していなかったため、同定することはできなかった[5][14]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:40 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef