エロイカより愛をこめて
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エロイカより愛をこめて
ジャンル
少女漫画
漫画
作者青池保子
出版社秋田書店
掲載誌別冊ビバプリンセス(1976年から)
月刊プリンセス(1979年から)
プリンセスGOLD(2008年から)
レーベルプリンセスコミックス
発表期間1976年 - 2012年
巻数全39巻
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『エロイカより愛をこめて』(エロイカよりあいをこめて)は、青池保子漫画作品。1976年から少女漫画雑誌別冊ビバプリンセス』(秋田書店)に連載。その後、1979年からは少女漫画雑誌月刊プリンセス』(秋田書店)に掲載誌を移し、長期連載(一時中断あり、後述)。2008年に少女漫画雑誌『プリンセスGOLD』(秋田書店)に移籍し、2009年1月号から新たに連載を開始した。2000年6月時点で累計発行部数は800万部を記録している[1]
概要

男色の美術品窃盗犯「怪盗エロイカ」ことドリアン・レッド・グローリア伯爵(以下、伯爵)の法をやぶった美術品収集活動が、北大西洋条約機構(NATO)の情報将校「鉄のクラウス」ことクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐(以下、少佐)の作戦行動と遭遇し騒動を引き起こす、コメディ色を含んだ怪盗&スパイ活劇。少女向け漫画ながら、綿密な考証と細部まで書き込まれた緻密な絵柄や、少女漫画離れしたストーリーから男性ファンも獲得している[2]、『魔弾の射手』や『Z -ツェット-』など、コメディ色を排したスピンオフ作品[3]も発表されている。

連載開始当初は青池の出世作『イブの息子たち』のパターンを踏襲し、主役はそれぞれ異なった個性を持ち、超能力を操る3人の少年少女、猥雑なドタバタギャグに加え、主人公を16歳の少女・プラムから始めるなど、少女漫画らしい手法を展開していた。しかし作品No.2「鉄のクラウス」で登場した少佐の硬派ぶりが受け、主役が交替。東西冷戦の渦中で少佐の活躍を描くスパイ物へと変貌した。以後はソ連国家保安委員会 (KGB) との情報争奪戦、冷戦が終結した1990年代以降は、テロリストを相手にしたロシア対外情報庁(旧・KGB)との共同作戦が主要なものとなり、この2つの勢力の間で美術品の窃盗をはたらく伯爵が争いに巻き込まれるというパターンが基本となっている。

1986年に展開された作品No.14「皇帝円舞曲」を境として、1995年まで連載が一時中断されている。このような長期の中断があった背景には、当時、青池が中世ヨーロッパを舞台とした作品に傾倒していたこと[4]、東西ドイツの統一、ソ連崩壊が起こり冷戦が終結し、単純な「西側東側」の対立軸を基本とした物語が構成できなくなり、再開に対し青池が及び腰となっていたこと[5]などが挙げられる。このため、再開時には軍事評論家の岡部いさくを脚本アドバイザーとして迎えている。

なお、レギュラー級の主要人物(部下A、情報部長、仔熊のミーシャなど)の本名が明らかになっておらず、一方で一つのエピソードにしか登場しないサブキャラクターにかえってフルネームが設定されていることが多い、という幾分逆説的な現象が特徴として挙げられる。
作品一覧

作品とサブタイトルは以下の通りである。本編のNo.1からNo.5まではサブタイトルがなく、文庫版でつけられている(〈文〉で記載)。番外編は本編から全く独立しているわけではなく、時間的にも内容的にもその前後の本編とつながりがある。ただし、『小銭王ジェイムズI世伝』は、中世を舞台としている。
大まかな初出掲載状況及び掲載誌の略称
1. 『別ビ』 … 季刊・
別冊ビバプリンセス誌:1977年1月25日号から1979年4月25日号2. 『姫』 … 月刊プリンセス本誌:1979年9月号から1985年7月号3. 『増Pino』 … プリンセス増刊Pino誌4. 『ViVa』 … 隔月刊・ViVa PRINCESS誌:1986年4月25日号から1988年10月25日号
(数年間中断)5. 『姫』 … 月刊プリンセス本誌:1995年5月号から2007年12月号6. 『姫金』 … プリンセスGOLD誌:2009年1月号から2012年7月号

末尾括弧【】内に初出掲載誌及び号数、収録単行本の巻数を記述[注 1]
なお、このリストの単行本とは「プリンセス・コミックス基準」とする。※秋田文庫版やDX版とは収録巻数が異なる場合がある。※掲載誌が2ヶ月合併号の場合は「◯+◯月号」と記す。

No.1 〈文〉千のキス 【『別ビ』1977年1月25日・冬号/第1巻】

No.2 〈文〉鉄のクラウス 【『別ビ』1977年8月25日・夏号/第1巻】

No.3 〈文〉アキレス最後の戦い 【『別ビ』1978年4月25日・春号/第1巻】

No.4 〈文〉ギリシアの恋 【『別ビ』1978年10月25日・秋号/第2巻】

No.5 〈文〉劇的な春 【『別ビ』1979年4月25日・春号/第2巻】

No.6 イン・シャー・アッラー 【『姫』1979年9?10月号/第3巻】

No.7 ハレルヤ・エクスプレス 【『姫』1979年12月号、1980年1月号/第3巻】

No.8 来た 見た 勝った!! 【『姫』1980年2?4月号/第4巻】

No.9 アラスカ最前線 【『姫』1980年6?11月号/第4・5巻】

〈番外編〉 特別休暇命令 【『姫』1980年12月号/第6巻】

No.10 グラス・ターゲット 【『姫』1981年1?5月号/第6・7巻】

〈番外編〉 ミッドナイト・コレクター 【『姫』1981年7?8月号/第7巻】

No.11 9月の7日間 【『姫』1981年9月号?1982年6月号/第8 - 10巻】
(少佐のスピンオフ[注 2] 『魔弾の射手』:『姫』1982年8?9月号)詳細は「魔弾の射手」を参照

〈番外編〉 パラダイス・PARTY 【『姫』1982年11月号/第10巻】

No.12 笑う枢機卿 【『姫』1982年12月号?1983年6月号/第10 - 12巻】

〈番外編〉 アラスカ物語(付・シベリヤ物語) 【『姫』1983年8月号/第12巻】

〈番外編〉 ロレンスより愛をこめて・1 【『姫』1983年9月号/第12巻】

〈番外編〉 ロレンスより愛をこめて・2 【『姫』1983年10月号/第12巻】

No.13 第七の封印 【『姫』1984年8月号?1985年5・7月号/第12 - 15巻】

〈番外編〉 ロレンス君のお便り気分 【『増Pino』1985年6月25日号/第15巻】

〈番外編〉 インターミッション 【『ViVa』1986年4月25日号/第15巻】

〈番外編〉 ケルンの水 ラインの誘惑 【『ViVa』1986年6月25日号/第15巻】

No.14 皇帝円舞曲 【『ViVa』1986年8月25日号?1987年12月25日号、1988年4月25日号?8月25日号/第16 - 19巻】

〈番外編〉 小銭王ジェイムズI世伝 【『ViVa』1988年10月25日号/第19巻】

(ここまでが最初のシリーズで、これ以降が一時中断後の新生シリーズとなる)

No.15 ノスフェラトゥ 【『姫』1995年5?6月号/第20巻】

No.16 熊猫的迷宮 【『姫』1996年3?8月号/第20・21巻】

No.17 トロイの木馬 【『姫』1996年12月号?1997年3月号、同年5?9月号/第21 - 23巻】

〈番外編〉 エーベルバッハ中佐 【『姫』1998年3?4月号/第23・24巻】

No.18 パリスの審判 【『姫』1998年8?10月号、同年12月号?1999年2月号、同年4?5月号/第24・25巻】

No.19 ポセイドン2000 【『姫』2000年1?3月号、同年5?7月号、同年9?10月号/第26・27巻】

〈番外編〉 ローマの道は暴利の道 【『姫』2001年10?11月号/第27巻】

〈番外編〉 メテオラな日々 【『姫』2002年5?6月号/第28巻】

No.20 ビザンチン迷路 【『姫』2002年11?12月号、2003年1月号、同年3?5月号、同年7?9月号、同年11?12月号、2004年1月号/第28 - 30巻】

<ビザンチン迷路 番外編> 瑠璃色事件 【『姫』2004年4月号/第31巻】

〈番外編〉 心理実験プロジェクトS 【『姫』2004年7?8月号/第31巻】

〈番外編〉 少年たちの黄金伝説 【『姫』2005年1月号/第31巻】

No.21 ケルティックスパイラル[要曖昧さ回避] 【『姫』2005年3?5月号、同年7?9月号、同年11月号?2006年1月号、同年3?5月号、同年7?9月号/第32 - 34巻】

〈番外編〉 ケルトの幻想 マダムの妄想 【『姫』2006年11月号/第34巻】

〈番外編〉 聖夜の善き訪問者たち 【『姫』2007年12月号/第35巻】

〈番外編〉 古城販売作戦 【『姫金』2009年1月号/第35巻】

No.22 聖ヨハネの帰還 【『姫金』2009年5月号、同年7+8月号、9月号、同年11+12月号、2010年1月号、同年3+4月号、同年5・7・9・11月号、2011年1・3・5・7・9月号/第35 - 39巻】


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