エルフェンリート
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この項目では、岡本倫の漫画とそれを原作としたアニメについて説明しています。ゲーテおよびメーリケの詩については「妖精の歌」をご覧ください。

エルフェンリート


ジャンル青年漫画[1]
漫画
作者岡本倫
出版社集英社
掲載誌週刊ヤングジャンプ
レーベルヤングジャンプ・コミックス
発表号2002年27号 - 2005年39号
発表期間2002年6月6日 - 2005年8月25日
巻数全12巻
話数全107話
アニメ
原作岡本倫
監督神戸守
シリーズ構成吉岡たかを
脚本吉岡たかを
キャラクターデザインきしもとせいじ
メカニックデザイン大河広行
音楽小西香葉、近藤由紀夫
アニメーション制作ARMS
製作バップジェンコ
放送局AT-X / テレ玉、チバテレビ
tvk、サンテレビジョン
放送期間CS放送:
2004年7月25日 - 10月17日
地上波修正版:
2005年4月3日 - 6月26日
話数全13話+未放送1話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『エルフェンリート』(elfen lied)は、岡本倫による日本漫画作品。『週刊ヤングジャンプ』にて2002年27号より2005年39号まで週刊連載された。単行本は全12巻。
概要

単行本のカバーイラストやアニメDVD(国内販売)のパッケージを見る限りでは美少女が数多く登場する作品に見受けられるが(萌えは本作を構成する要素の1つとしては正しい)、同時に残酷なバイオレンスやスプラッターシーン、児童虐待、ヌードなどのエロスシーン、サイエンス・フィクション、加えてナンセンスなギャグまで描かれているのが本作の特徴である。アニメでのバイオレンスシーンはグロテスクかつリアルに描画されている。

また、根底には差別や孤独に対抗する人間性(humanity)や主人公の純愛が描かれており、アニメを監督した神戸守は、作品の解説として次のように述べている。「一人の人間の中でこれらのことは複雑に絡みあっている。平凡であることへの劣等感。他人との違いによる劣等感。同じ境遇の者への親近感。そして、救い。この作品は表面的にはお色気、ラブコメ、バイオレンスだが、本質は差別と救いであろう。社会問題にもなっている苛め、つまり差別はこの作品の中に詰まっている。誰しも救いは求めている。」[2]
海外での人気

アニメ版は主人公の強さとグロテスクさが受け、海外ではかなりの人気が誇り、いくつかのアワードを受賞している。

2004 AnimeReactor Community Awardsにおいて、Best Opening/Ending コンビネーション、Best Drama、Best Thriller(Mystery/Horror)、Best Fanservice受賞、ルーシーはベスト女性キャラ受賞。

American Anime Awards 2007 at New York Comic-Con(初回)において、"Best Short Series"にノミネート(5作品ノミネート、受賞は逃す)。

2009年度フランスで開催された
Japan Expoにおいて、ファンのネット投票による日本の人気アニメ・漫画作品などを決める「JAPAN EXPO AWARDS 2009」のベストオリジナルアニメ賞を受賞した。

海外での人気の高さからニューヨーク・タイムズ(2005年7月17日)においてアニメが紹介された。角を「かわいい小さなネコ耳」と説明するなど記事の内容が一部不正確かつ不十分であるが、海外でDVDを販売しているADVフィルムは2005年ベストセラー作品の1つであると紹介し、近年の日本アニメ屈指の有名作扱いされている[3]

ハリウッド映画化の話もあったが、すぐに中止になった[4]。また、賛美歌を模したアニメ主題歌「LILIUM」の評価も高い[5]
作者とエルフェンリート

岡本倫のデビュー作も、同名の名前が付けられている。ストーリーは全くの別物で、事故でピアノをやめた型破りな男性ピアニストと、バイオリンに転向して一流の奏者となった元天才ピアニストの女性の物語になっている。

また、作者は元バンダイ社員で、テレビゲームやおもちゃの企画をしており、『時の国のエルフェンリート』というPCゲームも作っていた。
残酷描写に関する真相

2018年3月に作者はグロテスクが苦手なので死体の顔を描くのは意図的に避けていたことをTwitterにて語っている[6]。それにもかかわらず劇中で残酷描写が使われている理由は、当時の担当が奥浩哉の『GANTZ』を並行して担当していて、ネームで首を飛ばす描写を入れるとOKが出るから、とも語っている[7]
評価・反響

2015年6月12日に中国の行政部門である文化部(現在の文化観光部)によって公表された中国国内で規制する38のアニメ・漫画作品に『エルフェンリート』が規制対象となった[8]
あらすじ

人間の遺伝子の突然変異によって生まれた側頭部の対となる2本の角とベクターと呼ばれる見えない腕の特殊な能力を持つ女性型ミュータント・二?人(ディクロニウス、?は「角奇」)。彼女らは人類を淘汰する可能性を持つとされ、離島の国立生態科学研究所に国家レベルでの極秘機密として隔離され、研究されている。

ある日、研究所に隔離されていたディクロニウスの少女・ルーシーは、警備員のスキをついて拘束を破り、研究所室長・蔵間の秘書・如月を含め警備員ら23人をわずか5分で殺害し、研究所からの脱走を試みる。海に飛び込む直前に頭部を対戦車用徹甲弾[9]で撃たれるも、幸い軽傷で済んだルーシーは海へ投げ出される。

一方、大学に通うために親戚を頼って鎌倉にやってきた青年・コウタは、いとこのユカと共に由比ヶ浜を訪れた際、そこで浜辺に佇む全裸の少女を見つける。その少女は、海へ投げ出された後に由比ヶ浜に流れ着いたルーシーだった。

ルーシーは頭部への銃撃が元で記憶を失った上、人格が分裂して全く別の人格が発現していた。「にゅうにゅう」としかしゃべれなくなった彼女をにゅうと名付けたコウタとユカは、彼女が人類を滅亡させる存在であることを知らないまま、コウタが住むことになる楓荘に連れて行き、一緒に暮らすことになる。

その後、コウタ達は、義父から性的虐待を受けて家出していたマユや、ルーシー捕獲のため送り込まれ不要となったため処分対象となったディクロニウスのナナ、声帯が弱いがオペラ歌手を目指しているノゾミ達と一緒に同居することになる。
登場人物
ディクロニウス
ルーシー
- 小林沙苗本作の主人公。新人類「ディクロニウス」のオリジナル(ミトコンドリア・イブ)であり、生殖機能を持った唯一の個体。物語序盤、研究所を脱走した際に頭部に銃撃を受け、その衝撃が元となって人格が分裂し、「にゅう」の人格が生まれる。それ以来、頭部に衝撃を受けるとルーシーの人格とにゅうの人格が入れ替わるようになる。物語序盤では頭部に衝撃を受けたことで記憶喪失になっていたが、後に角沢教授に拉致された事件がきっかけで記憶を取り戻す。ベクターと呼ばれる見えない腕を使いDNAからの声に従うように人類を殺し続ける殺人鬼。ただし何があってもコウタと動物(特に犬)は傷つけず、蔵間に関しては敢えて殺さない。ベクターの射程は、全ディクロニウスの中で最も短い(約2m)ものの、力に関しては最強を誇る。アニメ版での最大本数は4本。なお「ルーシー」という名前は本名ではなく、研究所で1974年に発見された類人猿の化石に由来して付けられたコードネームのようなものである。髪は長髪(子供時代は短い髪だった)だが、原作終盤でDNAの声に意識を乗っ取られた時とアニメの終盤では一時的に子供時代と同じ短い髪になった。幼くして父親に捨てられた後、養護施設で幼少期を過ごす。角のせいで他の子供達に虐められ、やがて内緒で飼っていた犬をいじめっ子に目の前で殺されたのをきっかけにベクターが発動し、施設の子供達を惨殺し逃走。その後は人を殺して一夜の宿を得たりしながら彷徨っていた。本編開始の8年前に鎌倉へ家族で遊びにきていたコウタと出会い、初めは彼を拒絶していたが、自分の角に偏見を持たないどころか「かっこいい」と評価し一緒に遊んでくれたコウタに心を開き、彼に好意を抱くまでになった。だが、夏祭でユカに抱きつかれているコウタの姿を見た際コウタに裏切られたと勘違いし、ここで初めてDNAの声に従ってその場にいた無関係な人々を殺害。更にその後、帰りの電車に乗っていたコウタの前に現れ、コウタの目の前で彼の妹と父親を惨殺してしまう。しかしコウタへの想いは長年持ち続けており、それが最終的にはDNAの声に逆い自らを滅することに繋がった。その後は研究所に捕らえられ数年間厳重に拘束されていたが、角沢教授の画策により移送中に逃亡する。コウタを傷つけない理由は前述の8年前の事件で彼の家族を殺したことを後悔しているため。コウタの居場所である楓荘の住民(ナナも含む)もその対象に広げられている。動物、特に犬を傷つけないのは前述の子犬を殺された事件のため。蔵間を殺さない理由は、研究所に投降した際にある少女の命を助けることを条件にしたにもかかわらずその少女が死んだことを恨み、その復讐として蔵間を直接殺すのではなく彼に関わった者をすべて殺しつくして絶望を与えてから殺そうと思っているため。上記のように、ルーシーのベクターの射程距離はディクロニウスの中でも最低の2mにすぎなかったが、特殊急襲部隊の楓荘襲撃の際に5mに延び、その後研究所地下にあるレーベンスボルン(命の泉)でアンナと戦った際には2km以上に延長、さらに灯台上でのDNAの声の最後の暴走の際には、宇宙空間にまでベクターが到達することになる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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