エルサレム総主教庁(エルサレムそうしゅきょうちょう)は、エルサレム総主教の機関・座所を言う。
エルサレム総主教/エルサレム総大司教(いずれも英語では Patriarch of Jerusalem[注 1])は現在3人いる。
ギリシャ正教・東方正教会とも呼ばれる正教会のエルサレム総主教
非カルケドン派正教会に分類されるアルメニア使徒教会のエルサレム総主教
ローマ・カトリック教会のラテン・エルサレム総大司教(英語版)
古代五大総主教座の1つであるとともに、新約聖書『使徒言行録』で初代教会とされるエルサレム教会に連なるキリスト教世界最古の歴史を持つ。
正教会(ギリシャ正教)のエルサレム総主教ナザレ(イスラエル)の生神女福音聖堂(エルサレム総主教庁所属)。
ギリシャ正教系のエルサレム総主教庁は、正教会の9つの総主教庁の1つ。
451年までエルサレムには主教座が置かれていたが、カルケドン公会議でエルサレム主教に総主教の地位が認められたため、以後は総主教を名乗っている。
記録に残る最古のエルサレム主教は62年に没したヤコブスであり、これは伝承によれば「主の兄弟ヤコブ」(義人イヤコフ)と同一の人物である。
イスラム教登場後、パレスチナがアラブ人に征服された後、イスラム教徒は、エルサレムはこの地方におけるキリスト教の中心地であり、エルサレム総主教がその指導者であると認識した。
十字軍のエルサレム攻囲戦後の1099年、ローマ・カトリックによる十字軍はエルサレムに西方教会の総大司教を任じ、正教の主教をエルサレムから追放したため、1187年に至るまで正教のエルサレム総主教はコンスタンティノポリスに在住した。
現在エルサレム総主教庁は、エルサレム旧市街(東エルサレム)の聖墳墓教会に置かれている。 ※ギリシャ正教と非カルケドン派が分裂する以前
エルサレム主教の一覧 (38年? - 451年)
ヤコブス(主の兄弟ヤコブ)(38? - 62年)
シメオン1世(クロパの子シメオン)(106 - 107年)
ユストゥス1世(107 - 111年)
ザッケウス(?)
トビアス(?)
ベニヤミン(?)
ヨハンネス1世(?)
マティアス1世(?)
フィリップス(?)
セネカス(?)
ユストゥス2世(?)
レビ(?)
エフレス(?)
ヨセフス1世(?)
ユダス・クィリアクス(? - 134年)
マルクス(134 - ?)
カッシアヌス(?)
ポプリウス(?)
マクシムス1世(?)
ユリアヌス1世(?)
ガイウス1世(?)
シンマクス(?)
ガイウス2世(?)