白きエルウィング(Elwing the White、太陽の時代500年ごろ - )は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』の登場人物。ドリアス
の王ディオルの娘で、ドリアスの滅亡とともに宝玉シルマリルを受け継いだ。宝玉の力で夫エアレンディルとともに惑わしの島々を通り抜け、アマンの地にたどり着いた。半エルフ。「エルウィング」とは、シンダール語とライクウェンディの言葉から成っており、「星の飛沫」を意味する。
父はドリアスの王ディオル。母はケレボルンの姪ニムロス。兄にエルレードとエルリーン。夫は航海者エアレンディル。息子にエルロンドとエルロス。 エルウィングは、オッシリアンド ルーシエンがこの世を去ると、ディオルがシルマリルを受け継いだ。フェアノールの息子たちはこれを引き渡すよう要求したが、ディオルは返答しなかった。するとケレゴルムはその兄弟たちを煽りたて、フェアノールの誓言にしたがってドリアスを襲い、これを滅ぼした。ディオルはフェアノールの息子たちのうち、ケレゴルム、カランシア、クルフィンを打ち倒したが、ディオルもまた討ち死にし、妻のニムロスも殺された。エルレードとエルリーンはケレゴルムの配下だったものにさらわれて、森に置き去りにされた。しかしエルウィングは生存者らとシリオンの河口 ドリアスが滅び、またゴンドリン
エルウェの末裔
ドリアスの滅亡
シリオンの急襲
のちにフェアノールの息子たちはエルウィングがシルマリルとともに存命であることを知り、宝玉をかれらに引き渡すよう書状をだした。領主エアレンディルの不在もあり、エルウィングはこの要求を拒否した。するとフェアノールの息子たちはシリオンの港を不意に襲い、滅ぼした。エルロンドとエルロスは囚われ、エルウィングはシルマリルを抱いて海中に身を投げた。 海中に身を投じたエルウィングは、ウルモに大きな白い鳥の姿を与えられた。かの女はエアレンディルを求めて飛び、かれを見つけた。エアレンディルは妻のもたらした知らせに絶望し、ヴァリノールへと向かうことにした。エルウィングがたずさえていたシルマリルの力により、かれらはアマンにたどり着いた。エアレンディルは他の者が罰せられないよう、ただ独りアマンの地を踏むつもりでいたが、エルウィングはかれへの愛のために船をおりた。エアレンディルがヴァラールを捜し求めるあいだ、エルウィングはファルマリたちに歓迎され、また同情された。 エアレンディルが中つ国の窮状をヴァラールに訴えた際、ヴァラールは、かれとその妻エルウィングを裁くため、ふたりがエルダール(エルフ)であるのかエダイン(人間)であるのか議論した。かれらがエルフと人間、双方の血を引いていたからである。 そしてエルフと人間の血を引く四人、エアレンディル、エルウィング、エルロンド、エルロスには、二つの運命のうち一つを選ぶ権利を与えた。そのため、かれらは半エルフと呼ばれる。エアレンディルは妻に選択をまかせ、エルウィングはエルフの運命を選んだ。二人が中つ国に帰ることは許されなかった。 エアレンディルは額にシルマリルをつけ、かれの船ヴィンギロトに乗って空を航海する者となった。かれを待つエルウィングはアマンの北方の地の白い塔に住み、そこを訪れるあまたの鳥たちからかれらの言葉と空の飛び方を学んだ。エアレンディルがアルダに帰るとき、エルウィングは白と銀灰色の翼で舞い上がり、夫を出迎えるという。 フィンウェ インディス ハドル家 ベオル家 シンゴル メリアン
半エルフ
半エルフの系図
フィンゴルフィン アナイレ ガルドール バラヒア
エレンウェ トゥアゴン フオル ベレン ルーシエン