エリトリトール
系統名(2R,3S)-Butane-1,2,3,4-tetrol
別称(2R,3S)-Butane-1,2,3,4-tetraol (not recommended)
識別情報
CAS登録番号149-32-6
121 °C, 394 K, 250 °F
沸点
329-331 ℃
磁化率?73.80・10?6 cm3/mol
危険性
NFPA 704110
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
エリトリトール(Erythritol)またはエリスリトールとは、化合物および糖アルコールの一種である。食品添加物や砂糖の代わりに使われる。トウモロコシを原料に、酵素を用いて発酵させて製造する。化学式はC4H10O4、 またはHO(CH2)(CHOH)2(CH2)OHである。
ショ糖の60?70%の甘みを持ち、砂糖と違いカロリーはほとんど無く[1]、血糖値には影響を与えず[2]、虫歯の原因になることも無い[3]。また、インスリンの分泌を促進しない[4]。 1848年、スコットランドの化学者、ジョン・ステンハウス(John Stenhouse)がエリトリトールを発見した[5]。1852年に初めて単離に成功した。1950年に酵母で発酵させた廃糖蜜(Blackstrap Molasses)として作られ、日本においては「糖アルコール」として商品化された[6]。エリトリトールの結晶 エリトリトールは、一部の果物や発酵食品に自然に含まれる[7]。 1990年以降、エリトリトールは食べ物や飲み物において調味料や甘味料として安全に使用可能であるとし、60を超える国の政府機関で承認されている[8]。コーヒー、紅茶、液体栄養補助食品、混合ジュース、酒を除く飲み物、香料、ビスケット、クッキー、卓上甘味料、無糖のチューインガム、風味付け飲料水にも用いられる[8]。エリトリトールを摂取すると血中に急速に吸収されるが、経口投与の大部分(80?90%)は24時間以内に尿中に排泄される[8]。 エリトリトールの安全性について、科学者は、吐き気、過剰な放屁、腹部の膨張や痛み、便の頻度、・・・エリトリトールをどの程度摂取するとこれらの胃腸の不調が発生するのかについて査定した。含有量が1.6%であれば、下剤効果は発生しなかった[8]。許容範囲内の摂取量の上限は、成人と子供とでそれぞれ0.78g/kg標準体重、0.71g/kg標準体重であった[8]。欧州食品安全機関(European Food Safety Authority)の科学委員会は、食べ物および飲み物におけるエリトリトールの摂取上限量について、0.6g/kg標準体重と推奨した[8]。 2023年、糖尿病など心疾患の危険を伴う基礎疾患がある人は、血中のエリトリトール濃度が高い場合、心臓発作や脳卒中のリスクが2倍になると示唆する研究が発表された[9]。 エリトリトールの栄養表示については国によって異なる。日本や一部の欧州連合加盟国では、「ゼロカロリー」と表記されている[10]。アメリカ食品医薬品局(The Food and Drug Administration, FDA)による表示要件は、カロリー数値は0.2kcal/gである。
歴史
自然発生
服用と安全性エリトリトールを使って甘くしたお菓子
危険性
食事と代謝
カロリーと標識化
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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