RNA発現パターン
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オルソログ
種ヒトマウス
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エリスロポエチン(英語: erythropoietin; 略称: EPO)とは、赤血球の産生を促進する造血因子の一つ(ホルモンともサイトカインとも)。分子量は約34000、165個のアミノ酸から構成されている。血液中のエリスロポエチン濃度は、貧血、多血症などの鑑別診断に用いられる。腎性貧血の治療に主に使用されているが、ドーピングにも使用され問題となっている。 主に腎臓の尿細管間質細胞で生成され、補助的に肝臓でも作られる。多くが腎臓で産生されていることから、慢性腎不全等の腎機能低下状態になると、エリスロポエチンの不足により腎性貧血に陥る。なお、近年までEPOの産生部位について議論があり、傍糸球体装置や近位尿細管、血管内皮細胞などが候補に挙がっていたが、遺伝子組み換えマウスの解析から尿細管間質細胞と判明した。エリスロポエチンは骨髄中の赤芽球系前駆細胞に作用し、赤血球への分化と増殖を促進することが知られている。 他のタンパク質同様に全合成は困難だったが、2012年にサミュエル・ダニシェフスキーらがネイティブケミカルライゲーション エリスロポエチン(EPO)は赤血球の増加効果を持つことから、筋肉への酸素供給量を高め持久力を向上させる目的で、長距離系スポーツ(自転車ロードレース、クロスカントリースキーなど)のドーピングに使用されている[2]。1998年のツール・ド・フランスで発覚した複数チームに跨る大規模な組織的ドーピング事件(通称:フェスティナ事件)でその存在が大きく取り上げれることとなった。 21世紀に入り検査法が確立されてもEPOを使用したドーピングが後を絶たなかった。2006年に行われた大規模なドーピング捜査であるオペラシオン・プエルトでは当時のトップ選手数名を含む20名近くがEPOを使用したドーピングを行ったことが明らかになり、2009年にも複数の自転車競技選手からEPOを発展させたCERAが検出された[3]。また2013年1月には、ツール・ド・フランスで7回優勝したランス・アームストロングがオプラ・ウィンフリーとのインタビューで、かつてEPOを使ったドーピングを行なっていたことを認めた[4]。 元来体内に存在する自然物質でその使用の判別が難しいため、ヘマトクリット(血液中に占める血球の容積率)、ヘモグロビン、網状赤血球数などを用いてドーピングのスクリーニングを行っている場合が多い。スクリーニング検査による疑い例は、尿を検体として電気泳動法によって遺伝子組換えEPOを検出している。 エリスロポエチンの産生は、血液中の酸素分圧によって調節されている。EPOの転写調節機構はいくつか報告されているが、低酸素応答転写因子であるHIF (hypoxia inducible factors) が代表的なものである。HIFは酸素濃度が高いときには分解され、低酸素のときには核内に移行してEPOの転写を促進する。つまり、慢性的な低酸素状態となった時にEPOの産生が促進されるのである。したがって、貧血などでもEPOの産生は促進される。 EPOは赤血球上のエリスロポエチン受容体 APPRLICDSRVLERYLLEAKEAENITTGCAEHCSLNENITVPDTKVNFYAWKRMEVGQQAVEVWQGLALLSEAVLRGQALLVNSSQPWEPLQLHVDKAVSGKRSKTTLLRALGAQKEAISPPDAASAAPLRTITADTFRKLFRVYSMFLRGKLKLYTGEACRTGDR 実際には、24, 38, 83番目の太字の3つのN(アスパラギン)残基にはN結合型糖鎖が、126番目の斜体字のS(セリン)残基にはO結合型糖鎖が付加しており、分子量は遙かに大きい。また、糖鎖を除去するとEPOの活性はなくなる。さらに7と161番目のC(システイン)残基間と29と33番目のシステイン残基間にはジスルフィド結合が形成されている。
概要
合成と医療での利用エポエチン ベータ ペゴル
ドーピング
しかし、フェスティナ事件当時は体内で自然に生成されたEPOと外部から摂取した合成EPOとを判別する技術が存在しなかったために、EPOは直接規制されていなかった。規制はヘマトクリット値の上限が設定されていただけであり、これだけでは「EPOを使用したドーピングを行った」こと自体は証明されていない(肉体特性としてEPOを使用していなくても平常時のヘマトクリット値が上限近くになる者が存在する為)ことから「ルールとして」のドーピングか否かが問われる事態となり、これ以降の数年間はこの状況に振り回される選手(マルコ・パンターニなど)が現れる始末だった。
調節機構
分子構造分子式C809H1301N229O229S5
分子量18,235.96
配列構造
脚注^ ⇒【全合成】At Last: Erythropoietin as a Single Glycoform、ChemASAP、2012年12月7日、2015年3月30日閲覧
^ “ ⇒ドーピングとの闘いー事例紹介”. 財団法人 日本分析センター. 2013年7月25日閲覧。
^ Lee Rodgers (2009年12月15日). “ ⇒アンチ・ドーピング専門家「選手たちは新型EPOが検出不可能だと間違って信じている」”. cyclingtime.com. 2013年7月25日閲覧。
^ “アームストロング氏、更なる訴訟に直面
関連項目
顆粒球コロニー刺激因子
トロンボポエチン
外部リンク
⇒トップアスリートの赤い闇 血液ドーピングなしには勝てない
表
話
編
歴
内分泌器とホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン)
視床下部 - 脳下垂体
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH