エメラルド
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「エメラルド」のその他の用法については「エメラルド (曖昧さ回避)」をご覧ください。
エメラルドの原石

エメラルド(: emerald)は、緑柱石: beryl、ベリル)の一種で、強い緑を帯びた宝石である。和名は、翠玉(すいぎょく)、緑玉(りょくぎょく)である。また、5月の誕生石。
性質・特徴鉱物学的性質については「緑柱石」を参照

組 成 : Be3Al2Si6O18
アクアマリンと組成を同じくするが、クロム Cr やバナジウム V がドーパントとして混入している。

比 重 : 2.6 - 2.8

硬 度 : 7.5 - 8

屈折率 : 1.577 - 1.583

複屈折 : 0.0040 - 0.0070

内部に特有の傷が無数にあり、これが天然ものの標識ともなっている。当然ながら、大きく、傷が少ないほうが価値が高く、明るく濃い緑色のものが最上級とされる。エメラルドは天然には良質の石がほとんど産しないため、かなりの傷物も宝石として流通させることが一般に認められており、その場合オイル樹脂に浸すなど化学的処理を施して傷を隠したり、石の耐久度を高めたりする。特に無処理、ノンオイルとのことわりがない限り、この手の処理を施してあると考えて差し支えない。処理が下手な場合、時間の経過とともにオイルが蒸発する。かなり高度な処理であっても、近年宝石店の店頭でも盛んに行われている超音波洗浄機によりオイルが抜けてしまうことがあり、そうなると本来の傷物の姿に戻ってしまう。

また、緑柱石の中には黄緑色をした石もあるが、エメラルドとして扱われることはほとんどなく、ヘリオドール、グリーンベリルなどと呼ばれ価値も著しく下がる。発色の仕組みもイオンが関係しており、クロムバナジウムにより発色するエメラルドとは原理が異なる。これらの石は加熱処理によりアクアマリンへと変色させることができる。

モース硬度ではかなり硬い石だが、内部に多数の傷を抱えていると云う結晶の性質上、衝撃に極端に弱い。指輪の台に取り付けるだけで割れることさえあり、職人泣かせの石とされる。エメラルドカットと呼ばれるカットがされることが多いが、これは屈折率がダイヤモンドのように高くなく、ブリリアントカットを施しても屈折率の高い石に特徴的な煌き(ファイア)が見られないためで、印象的な緑色をより広く見せようとした結果である。それと、上述したこの石の脆さ、及び六角柱をした結晶から取り出せる大きさなどとの関係から、なるべく欠け易い角が少なくなるようなこのカットが生まれた。なお、透明度の低い石の場合はカボション・カットが施される場合もある。

稀にキャッツアイ効果(シャトヤンシー効果)の現れるエメラルド・キャッツアイやスター効果の現れるスターエメラルドが産出されることがあるが、非常に希少である。トラピチェ・エメラルドと呼ばれる均等に放射状に6つに割れた一見スターに見紛う石もあり、こちらも非常に希少である。

同じベリルに属するレッドベリルをアメリカの宝石業界がレッドエメラルドと呼ぶように他国と激しい議論を重ねているが、本来エメラルドには「緑色の」と言う意味があるのでこの名称は正しくない、と考える人もいる[1]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ベリルの語源であるギリシア語beryllosにも「海のような青緑の石」という意味がある[要出典]。
生産

コロンビアブラジルザンビアジンバブエマダガスカルパキスタンなど各地で産出されるが、現在は、コロンビアが最大の産出国である。

2000年の生産シェアはコロンビア (60%)、ザンビア (15%)、ブラジル (12%)、ロシア (4%)、ジンバブエ (3%)、マダガスカル (3%) である。
語源

エメラルドの語源はサンスクリット語で「緑色の石」を意味する「スマラカタ」にある。それが、ギリシャ語で「スマクラグドス」、ラテン語で「スマラグダス」と変化し、さらに「スマラルダス」に変化、そこからさらに古フランス語で「エスメラルド」に変化し、現在の「エメラルド」と言う呼称になったとされる。
色との関連


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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