エムトリシタビン
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エムトリシタビン
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

2',3'-dideoxy-5-fluoro-3'-thiacytidine
4-amino-5-fluoro-1-[(2R,5S)-2-(hydroxymethyl)-1,3-oxathiolan-5-yl]-1,2-dihydropyrimidin-2-one

臨床データ
販売名Emtriva
Drugs.commonograph
MedlinePlusa604004
ライセンスEMA:リンク
胎児危険度分類

AU: B1

US: B




法的規制

UK: 処方箋のみ (POM)

US: ?-only

投与経路Oral
薬物動態データ
生物学的利用能93%
血漿タンパク結合Very low (less than 4%)
代謝Hepatic oxidation and glucuronidation
CYP system not involved
半減期10 hours
排泄Renal (86%) and fecal (14%)
識別
CAS番号
143491-57-0 
ATCコードJ05AF09 (WHO)
PubChemCID: 60877
DrugBankDB00879 
ChemSpider54859 
UNIIG70B4ETF4S 
KEGGD01199  
ChEBICHEBI:31536 
ChEMBLCHEMBL885 
NIAID ChemDB004782
化学的データ
化学式C8H10FN3O3S
分子量247.248 g/mol
SMILES

FC=1\C(=N/C(=O)N(C=1)[C@H]2O[C@H](SC2)CO)\N

InChI

InChI=1S/C8H10FN3O3S/c9-4-1-12(8(14)11-7(4)10)5-3-16-6(2-13)15-5/h1,5-6,13H,2-3H2,(H2,10,11,14)/t5-,6+/m0/s1 

Key:XQSPYNMVSIKCOC-NTSWFWBYSA-N 

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エムトリシタビン(: Emtricitabine)は、一般にFTCと呼ばれ、IUPAC名 2', 3'-ジデオキシ-5-フルオロ-3'-チアシチジン[1]、商品名エムトリバ(Emtriva、旧称 Coviracil)で、HIV感染予防と治療のため成人と小児に用いられる、核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)。

エムトリシタビンは、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(ビリアード、Viread) との合剤のツルバダ(Truvada)、テノホビル アラフェナミドと(ベムリディ、Vemlidy)との合剤のデシコビ(Descovy)としても販売されている。

エムトリシタビン、テノフォビル、 エファビレンツ(ブリストル・マイヤーズスクイブが販売するサスティバ、Sustiva)の3剤の合剤は、2006年7月12日に米国食品医薬品局 (FDA)で承認され、商品名はAtripla。

エムトリシタビンは、クワッドピル(Quad pill 、商品名 スタリビルド(Stribild)、ゲンボイヤ(Genvoya))の4成分のうちの1つ。

エムトリシタビンは、WHO必須医薬品モデル・リスト必須医薬品の1つで、つまり基本的な健康システムに必要な最も重要な医薬品のリストに掲載されている[2]
医療用途
HIV感染症

エムトリシタビンは、成人のHIV感染の予防と治療のために、他の抗レトロウイルス薬と組み合わせて使用される。エムトリシタビンは市販されており、HIV感染の治療に関してFDAによって承認されている。
B型肝炎ウイルス感染症

エムトリシタビンはB型肝炎ウイルス(HBV)に対して臨床活性を示すが、HBV感染の治療に関しては、FDAによって承認されていない。 慢性HBV感染症の患者では、エムトリシタビン治療により、組織学的、ウイルス学的、および生化学的に有意な改善が見られる。治療中のエムトリシタビンの安全性プロファイルは、プラセボの安全性プロファイルと同様である。 エムトリシタビンは、他のすべてのFDA承認薬と同様に、HIV感染もHBV感染も治癒するものではない[3]。 HBV感染患者を対象とした研究では、治療を中止したエムトリシタビン治療を受けた患者の23%で感染症の症状が再発した[4]。慢性(chronic) HIV感染者を対象とした研究では、被験者が治療を中止したときにもウイルスの複製が再開する。HIV感染の治療に使用される薬物と同様に、HBV感染の治療に使用される薬物は、薬物耐性株の進化を防ぐために、組み合わせて使用する必要がある。 エムトリシタビンと他の抗HBV薬との併用の有効性は、まだ確立されていない。
副作用

臨床診療では、エムトリシタビンによる毒性は、まれ。 最も一般的な治療関連の有害事象は、下痢頭痛吐き気発疹。 これらの症状は通常、軽度から中程度の重症度であるが、臨床試験患者の1%が治療を中断した。通常、色素沈着過剰として報告される、通常は手のひらまたは足の裏の皮膚の変色は、2%未満の症例で報告されており、アフリカ系の患者にほぼ限定されている。

患者が経験する可能性のあるより重篤な副作用には、肝毒性乳酸アシドーシスがある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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