エベン・モグレン
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エベン・モグレン
Eben Moglen
エベン・モグレン(2012年)
人物情報
生誕 (1959-07-13) 1959年7月13日(64歳)
国籍 アメリカ合衆国
学問
研究分野法制史
研究機関コロンビア大学
公式サイト
emoglen.law.columbia.edu
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エベン・モグレン(2007年)

エベン・モグレン(英語: Eben Moglen, 1959年7月13日 - )は、アメリカ合衆国コロンビア大学教授である。専門は法制史知的財産権を専門とする弁護士でもある。フリーソフトウェア財団(Free Software Foundation, FSF)を初めとするフリーソフトウェアオープンソースソフトウェアの開発を行う多くの非営利団体や個人をプロボノで援助する法的組織、Software Freedom Law Center(SFLC)を共同で設立し、2011年現在その理事顧問(Director-Counsel)並びに議長(Chairman, 代表)を務めている。2007年までFSFの顧問弁護士(法律顧問)であった[1]

リチャード・ストールマンらとともに、FSFのGNU General Public Licenseバージョン3(GNU GPL v3)の起草者並びに著作者である。
職歴

IBMコンピュータプログラミング言語の設計者として、まず最初の職歴を刻んでいる[2][3]。その後、彼はスワースモア大学で学び、在学中にフィリップ・M・ヒックス賞の文芸評論部門(Philip M. Hicks Prize for Literary Criticism)[4]を受賞している。1980年、同大学で学士号を取得した。1985年にはイェール大学ジュリス・ドクター(Juris Doctor, JD)と歴史学のMaster of Philosophy(M.Phil.)を授与されている。1987年からは、ハーバード大学テルアビブ大学バージニア大学に講師として招聘されている。

1986年から1987年まで、サーグッド・マーシャル判事のロー・クラーク(英語版)[注釈 1]を務めた。1987年、彼はコロンビア・ロー・スクールに入学し、1988年ニューヨークにて弁護士資格を得た[5]。彼は1993年にイェール大学にて歴史学のPh.D.も授与されている。

モグレンは、米国の特許制度の乱用を監視する非営利団体、Public Patent Foundationの理事(Director)を務めていた。

また、米国の暗号輸出規制の真っ只中、公開鍵暗号システムの実装であるPretty Good Privacy(PGP)を作成したフィル・ジマーマン(Phil Zimmermann)が当局の取り調べを受けたことに対し、彼の弁護士を務めていた[6]

2003年には、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation, EFF)のEFF Pioneer Award(英語版)を受賞している。

2005年2月Software Freedom Law Center(SFLC)を設立した。

モグレンとFSFとの関係は深く、1994年からは首席(法務)顧問(General counsel)、2000年から2007年までは理事を務めていた。顧問としてのモグレンの仕事は、FSFの法的な代理人として、GNU General Public License(GPL)の強制(エンフォースメント)に関する任務であった[7]。のちに彼はGPLv3の草稿策定作業にも深く関与するようになった。2007年4月23日、彼はFSFの理事を退く旨の記事をブログに書いた。モグレンはGPLv3草稿第3版を公開した後は、執筆活動や教育そしてSFLCの活動により注力したい旨語った[8]
FreedomBox Foundation

2011年2月、モグレンはFreedomBoxと呼ばれる非常に小さいサーバ用のソフトウェアの設計のため、FreedomBox Foundationという団体を創設した。この団体は、小規模な家庭用コンピュータ単位でありかつ自律動作する、大規模な分散型ソーシャル・ネットワークを構築する為のフリーソフトウェアを作成する事を目標に掲げている[9][10][11]。FreedomBoxは全てフリーソフトウェアで稼動しかつ諜報対策、防諜用秘匿通信を可能にする安価な個人用サーバである[9]。同財団創設の目的にはFreedomBoxのソフトウェア開発並びに展開のため資金調達を行うことも含まれている。モグレンは同年内に公式にFreedomBoxを立ち上げられるようにするため、500,000ドル以上を調達することを望んでいる[12]
フリーソフトウェアに対する姿勢

モグレンは、情報技術機器に取り囲まれ依存している我々が、民主主義自由社会を成立させるには、フリーソフトウェアが必要不可欠な要素であると主張する。彼は、これら機器がフリーソフトウェアの導入によりすべてオープンとなること以外に、ひとしく勢力均衡を図ることはできないと述べる[13]

ファラデーの法則の喩えから導かれた、モグレンの結論は、インターネットを介し接続される人類の思考における情報の発現と潮流は電磁誘導に類似する、というものである[14]。それ故、彼は、「抵抗者よ、立ち上がれ!」(Resist the resistance!)、「情報の流れを堰き止めるものを排除せよ」などというフレーズを残している[15]
主張と展望2006年インドベンガルールで開催されたGPLv3カンファレンスでのモグレン。

2006年インドニューデリーで語った[16][17]ところによれば、彼は、「複製される価値のあるものは皆共有される価値がある」(Anything that is worth copying is worth sharing.)という意見を述べている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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