エバー・アフター
Ever After
監督アンディ・テナント
脚本スザンナ・グラント
『エバー・アフター』(Ever After)は、1998年のアメリカ映画。グリム童話の『シンデレラ』を脚色したロマンティック・コメディである。全米第1位初登場の大ヒットとなった。 童話作家のグリム兄弟が陛下と呼ばれる貴婦人の邸宅に招かれ、彼らが集めた民話集を読んだ貴婦人から「灰かぶり娘」が気になると言われる。兄弟は魔法使いやカボチャの馬車が登場するペローの童話を信じる人もいると一笑し、ガラスの靴や革の靴という説もありどの話が正しいのかというと、貴婦人はダニエルという名の美しい女性の肖像画を紹介し、ダニエルのものだと言うガラスの靴を見せ、話が始まる。 16世紀のフランス。ダニエルの母親は幼い頃に亡くなり、父も男爵夫人と再婚してすぐに死んでしまう。父は『ユートピア』を読めといっていた。残されたダニエルは以後10年間、義母のロドミラと、義姉妹のマルガリートとジャクリーヌから召使い扱いされる日々を送っていた。そんなダニエルはある日、政略結婚を迫られ城を抜け出したフランス王子のヘンリーと出会う。召使いが奴隷に売られるのを助けようとしている時、父から読めと勧められた『ユートピア』を引用する。名前を聞かれたダニエルはとっさに亡き母の名前であるニコール・ド・ランクレ伯爵夫人[3]と名乗る。恋に落ちたヘンリーは城を訪れていたレオナルド・ダ・ヴィンチ[4]に「自分で運命を動かすのだ」と激励される。王子は、テニスやチョコレートなど新しいものが好きで、王になりたくないと思っていたが、「特権を持つ者には義務も課せられる」という情熱的なダニエルに影響され、大学や図書館を建て国民に解放するといった考えまで持つようになる。ダニエルは身分を隠したまま何度も王子と会うが、本当の境遇を告白する機会を失ったまま王子の結婚相手を発表する仮装舞踏会の日を迎えてしまう。 仮装舞踏会当日、ダニエルは王子との関係に気づいたロドミラによって閉じ込められていた。ダ・ヴィンチに助けられたダニエルだったが、身分違いの恋を「鳥が魚を愛してくれても暮らせる場所はない」とあきらめかけていた。ダ・ヴィンチから「羽根をあげる」といわれ、勇気を取り戻したダニエルは母親が残した結婚衣装を着て、背中に両羽をつけて舞踏会に現れる。婚約発表に間に合ったダニエルだったが、ロドミラに羽根をむしられ召使いであると暴露される。傷ついた王子は彼女から離れ、ダニエルはまたもとの生活に逆戻り。親子ほどの差がある商人ル・ビューに父の遺品と交換で売られる。王子は結婚式で泣き叫ぶスペイン王女を見て、自分が本当に愛しているのはダニエルだと気づき、彼女の救出に急いで向かう。その頃ダニエルは父から鍛えられた剣技があるとル・ビューを脅し、商人の家から自力で脱出していた。救出に来た王子は舞踏会でのことを謝罪し、ダニエルが落としていったガラスの靴を彼女に履かせ、愛の告白をする。その後、王子と結婚したダニエルは、末長く(エバー・アフター)幸せに暮らす。 物語を語り終えた貴婦人は、ダ・ヴィンチが結婚祝いに描いたダニエルの絵は曽祖母の母親の肖像画であるという。グリム兄弟にシンデレラと王子様はおとぎ話ではなく「2人は本当に生きたのだ」と伝えた。 ※括弧内は日本語吹替
ストーリー
キャスト
ダニエル - ドリュー・バリモア(松本梨香)
ロドミラ - アンジェリカ・ヒューストン(沢田敏子)
ヘンリー王子 - ダグレイ・スコット(石川禅)
貴婦人“陛下” - ジャンヌ・モロー(稲葉まつ子)
レオナルド・ダ・ヴィンチ - パトリック・ゴッドフリー
マルガリート - ミーガン・ドッズ
ジャクリーヌ - メラニー・リンスキー(佐々木優子)
フランシス王 - ティモシー・ウェスト(山野史人)
マリー王妃 - ジュディ・パーフィット(久保田民絵)
商人ル・ビュー - リチャード・オブライエン
オーギュスト - ジェローン・クラッベ(稲葉実)
グスターブ - リー・イングルビー
脚注^ “Fox renamed that toon”. Variety (1998年2月18日). 2022年12月7日閲覧。