この項目では、アサ科の植物について説明しています。キシメジ科のきのこについては「エノキタケ」をご覧ください。
「榎」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「堰B(曖昧さ回避)」をご覧ください。
エノキ(榎[5]、学名: Celtis sinensis)は、アサ科[注 1]エノキ属の落葉高木。別名では、ナガバエノキ[1]、マルバエノキ[1]ともよばれる。 和名「エノキ」の由来については諸説あり、 などの説がある。 鍬などの農機具の柄に使われたからという説があるが[7]、奈良時代から平安時代初期には、エノキの「エ」はア行のエ(/e/)、柄(え)やそれと同源の語とされる「エ」はヤ行のエ(/ye/)で表記されており、両者はもともと発音が異なっていたことが明らかなので、同源説は成り立たない[要出典]。 漢字の「榎(エノキまたはカ)」は夏に日陰を作る樹を意味する和製漢字である[9]。音読みは「カ」。「榎」は、中国渡来の漢字ではなく、日本の国字の一つである。 日本、朝鮮半島、中国中部に分布する[10][8]。日本国内では本州、四国、九州の低地に分布する[10][11][5]。 山地や山野の明るい場所に生え、自然分布以外では人里にもよく植えられ、公園、河原などによく生えている[11][5]。大きな緑陰を作るため、ケヤキやムクノキなどとともに各地の一里塚や神社仏閣に植栽され、その巨木が今日でも見られる[10][5]。 落葉広葉樹の高木で[10]、高さは5 - 30メートル (m) [11][12]、幹の直径は2 - 2.5 mほどに達する[7]。ケヤキやムクノキよりも枝が横に大きく広がって丸い樹形になる傾向があり[11][5]、全体として大きな緑陰をつくる[13]。枝が多く、枝ぶりは曲がりくねっている。根元で数本に分かれていることもある。樹皮は灰白色から灰黒色で厚く、見た目はほぼ滑らかであるが、表面を触るとざらざらしている[10][5]。老木になると、いぼ状のものが多数つき[14]、枝の痕が一定間隔で並ぶことが多い[5]。一年枝は淡紫褐色で毛が生えており、その基部には古い芽鱗や副芽が残っている[5]。 葉は互生し、葉身は長さ4 - 10センチメートル (cm) の卵形または楕円形から長楕円形で[10][12]、先は尾状にのびて左右非対称[6]。
名称
縁起の良い木を意味する「嘉樹(ヨノキ)」が転じてエノキとなった。
秋にできる朱色の実は野鳥などが好んで食べることから、「餌の木」からエノキとなった[6]。
枝が多いことから枝の木(エノキ)と呼ばれるようになった[7][8]。
分布・生育地
形態・生態
Size:57 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef