エトロフ発緊急電
著者佐々木譲
発行日1989年10月
発行元新潮社
ジャンルミステリー・サスペンス
国 日本
言語日本語
ページ数394
前作ベルリン飛行指令
次作ストックホルムの密使
コードISBN 978-4-10-122312-4
(新潮文庫)
『エトロフ発緊急電』(エトロフはつきんきゅうでん)は、佐々木譲による日本の小説作品。第二次大戦三部作のひとつである。
新潮社のレーベルである"新潮ミステリー倶楽部"の収録作として、書下ろしで刊行された。
1993年に『エトロフ遥かなり』のタイトルでNHKによりテレビドラマ化された。 第二次世界大戦前夜、日本海軍の動向を探るため、憲兵に追われながらも単身日本(東京?エトロフ島)に潜入した日系アメリカ人スパイと、それとは知らずに恋に落ちる薄幸な女。そして彼らを取り巻く、様々な思いを抱く人々。戦争に翻弄される人々の過酷な運命を描く。
概要
書籍情報
単行本:新潮社〈新潮ミステリー倶楽部〉、1989年10月、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4106027147
文庫:新潮文庫、1994年1月(改版2017年4月)、ISBN 978-4101223124
受賞歴
第3回山本周五郎賞受賞
第43回日本推理作家協会賞長編部門受賞
第8回日本冒険小説協会大賞国内部門大賞受賞
このミステリーがすごい! 1989年版第4位
登場人物
ケニー斉藤(斉藤賢一郎)
主人公。日系アメリカ人スパイ。少年時代に弁護士を目指すも、出生による障害(アメリカ社会での日系人の扱い)によって断念する。船員などを経た後、スペイン義勇軍
岡谷ゆき
エトロフ島の駅逓女主人。エトロフ島に漂着し、一時的に駅逓に滞在したロシア人船員の父と、駅逓の1人娘である日本人の母を持つハーフ。許されざる出生(私生児)により、様々な迫害を受ける。札幌の写真館の主人と駆け落ちして島を去るも、程なく破局を迎え、その後様々な職業を転々とするもいずれも長続きせず、結局帰島する。叔父夫婦の跡を継ぎ、駅逓を切り盛りするようになったある日、宣造に発見されたケニーと運命的な出会いを遂げる。
金森(金東仁)
朝鮮人。アメリカ側スパイ。日本統治下の強制労働により反日感情に芽生え、日本国内でスパイ活動に従事するようになる。日本に潜入したケニーと共に東京でスパイ活動を行うが、情報授受の場を発見されたことで憲兵隊に追跡されるようになり、ケニーを逃がし、自らは射殺される。
ロバート・スレンセン
アメリカ人宣教師でスパイ。南京に赴任中、最愛の女性である美蘭(中国人女子学生)を日本陸軍に惨殺され、反日スパイ活動の仲介者となる。特命を帯びて日本に潜入したケニーに対して、任務の仲介、必要機材の提供などを行う。金森射殺後に逃げ込んだケニーをしばらく匿い、新たな任務に送り出した後、憲兵隊に踏み込まれ、その場で拳銃自殺を遂げる。
秋庭保
憲兵大尉。反日スパイの捜査中、海軍文官の披露宴で、ケニーの存在を知る。様々な情報を元に、スレンセンの教会に踏み込むが、あと一歩のところでケニーを取り逃がし、スレンセンにも自殺されてしまう。残された情報を元に、ケニーの行き先を推測し、逮捕を磯田に命じて、函館、さらにはエトロフ島に派遣する。