エターナルアルカディア
[Wikipedia|▼Menu]

『エターナルアルカディア』(Eternal Arcadia)とはセガより販売されたロールプレイングゲームである。制作はオーバーワークス。北米・ヨーロッパでのタイトルはSkies of Arcadia。
概要

空飛ぶ帆船が大空を行き交う異世界で、海賊ならぬ「空賊」の主人公が繰り広げる冒険を描いている。海外ゲームサイト「IGN」による「2006年版歴代全ゲームソフト名作ランキング」で58位にランクインする等、高い評価を得ている[1]

2000年10月5日ドリームキャスト用ソフトとして発売され、通常版のほか@barai版(後述)も発売された。2002年12月26日に様々な要素が追加、強化された『エターナルアルカディア レジェンド』がニンテンドーゲームキューブで発売された。レイティングはCERO:A(全年齢対象)PlayStation 2への移植版発売も告知されていたが、ゲームキューブ版に開発を専念するためという理由で開発中止となっている[2]

一部の登場人物は実在する通貨や、廃止された通貨と同じ名前の者がいる。本作のメインキャラクター3人が2008年のゲーム作品『戦場のヴァルキュリア』にサブキャラクターとしてゲスト登場している。詳細は#『戦場のヴァルキュリア』へのゲスト出演を参照。
システム
戦闘システム

本作の戦闘は、ターン制が採用されたシンプルな形態を取っている。最初に味方キャラクターの行動を決定した後、全体がそれぞれの行動を終了して1ターンが終了する。エンカウントランダムエンカウント方式
陣形
戦闘開始時、バトルフィールドには敵味方で分断して陣形を取っているが、ターンが経過すると次第にバトルフィールドには敵と味方が入り乱れていく。陣形をプレイヤーが手動で変更することが出来ず、一部の攻撃手段が特定の範囲を攻撃する仕様。
属性
本作には緑、赤、紫、青、黄、銀の6つの属性が存在し、プレイヤー側が使用するあらゆる攻撃には属性が割り振られている。通常攻撃や技を使用する際には使用する武器に割り振られた属性が適用される。武器の属性はキャンプメニューや戦闘時のコマンド設定時に変更することが可能で、戦闘時には属性変更ボタンを押すことで“緑→赤→紫→青→黄→銀→緑”の順にチェンジする。武器の属性は武器自体の色かキャラクターの顔アイコンを囲むカラーによって判別が可能。属性間に対立や循環関係のような物は存在せず、基本的に弱点の設定はモンスターによって個別に違うが、外見や設定上の所属によって固定される傾向にある(バルア帝国の関係者は黄、銀の文明の関係物は銀など)。また、敵の属性は戦闘時に見られる敵のアイコンを囲むカラーで確認が可能。
煌術(こうじゅつ)
6つの属性が割り振られた、武器の属性とは別に判断される通常RPGの魔法に相当するもの。戦闘終了時に各キャラクターが使っている武器の属性に応じて経験値が上がり、一定量に達すると新しい煌術を習得できる。煌術を使う際は声が割り振られているキャラクターのみ「月よ、力を!」と声が掛かる(バルア幹部のみ例外)。
ガッツシステム
本作のもっとも特徴的なシステムの一つ。戦闘の際、パーティには「ガッツ」というパーティ全体で共有されている能力値が存在する。各キャラクターにはガッツ基本値というステータスが個別に設定されており、毎ターンの始めにパーティ全体のガッツ基本値を合計した量が溜まる。ガッツ基本値は特定レベルに達することで上昇するため、パーティ全体が成長すればそれだけ毎時のガッツ増加量は増えることになる。また、コマンド設定時に「ガッツ」コマンドを選択することで選択キャラクター1人分のガッツが戦闘中に増加する。ただし戦闘不能あるいは「疲労」状態にかかったキャラクターはガッツを増加させられない。溜めたガッツは、技か煌術を発動する際に消費される。使用する技、煌術で消費ガッツの量はことなっており、本作におけるガッツの数値は通常RPGにおける「マジックポイント」の概念に非常に近い。効果が強力な物ほどガッツの消費も激しいため、パーティ全体で共用する仕様もあって計画的な運用が必要になる。なお、ガッツシステムは後述する砲撃戦においても適用されている。基本的な仕様は通常戦闘と同様だが、回復量などが異なる。
技の習得
当作では各キャラクターは「月の実」というアイテムの必要数に応じて技を覚えていく。ただし、技を覚えるのは順番通りで1つを覚えないと次を覚えられない(習得に月の実が一つ必要な技が2つあるアイカのみ、順番を選べる)。
状態変化
相手から攻撃された際、装備している武器の効果や技、アイテムによってキャラクターはパラメータの変化や、状態異常を付加させることができる。また、各状態変化はその状態で戦闘を終えると全て消え去る。

戦闘不能 - キャラクターのHPが0になった状態。戦闘不能になったキャラがいる状態で戦闘を終えるか、逃走に成功すると、そのキャラはHP1で行動することになる。パーティ全員が戦闘不能になるとゲームオーバーとなる。ボス戦や賞金首と戦って全員が戦闘不能になった場合、その戦闘を最初からやり直すか、ゲームオーバーするかを選ぶことになる。

疲労 - キャラの増加分のガッツが0になり、ガッツコマンドも無効になる。

石化 - しばらくの間全ての行動ができなくなる。

毒 - 毎ターンの終了時に一定数のHPが減っていく。

睡眠 - 相手に再び攻撃されるまで行動不能になる。

混乱 - 敵味方関係無く、近くにいるキャラを攻撃する。

衰弱 - キャラの全パラメーターが半減する。

強壮 - キャラの攻撃力・守備力が2,5倍になる。

機敏 - キャラの素早さが2倍になり、逃走の成功確率も上がる。

滋養 - 毎ターンの終了時に一定数のHPを自動的に回復する。

砲撃戦

本作には通常戦闘の他にパーティの所持、搭乗している船に乗り、敵対国や空賊の船、あるいは巨大な怪物との一対一の戦闘を行う「砲撃戦」と呼ばれる戦闘が存在する。通常戦闘とは異なりシンボルエンカウント方式で、敵が接近することでコンパスに「!!」の警告とともに敵の方向が示される。
フェイズ
砲撃戦では1ターンにパーティの人数分の「フェイズ」が存在し、各フェイズで味方と敵が1回ずつ行動する。各フェイズには敵の行動や敵との距離を予測した上で、こちらの攻撃の命中率や敵側の攻撃の危険性なども示されている。緑、黄、赤の順に安全度が高く、赤いフェイズでは危険な攻撃が飛んでくる可能性がある。逆にこちら側の攻撃が当たりやすいフェイズや必殺砲が撃てるフェイズも表示されるので、行動はこれを参考に取ると良い。
砲撃の種類
砲撃戦の際に武器となるのが、搭乗船に積載している砲台である。砲撃戦においてもガッツシステムが適用されており、砲撃をする際にはそれぞれの砲台に割り振られたガッツを消費する。必殺砲は搭乗船に予め積載されているが、それ以外の砲台は最大で4つまで装備変更が可能。

主砲 - 使用した1フェイズで命中させる砲台。攻撃力と命中率に優れており、砲撃戦の際の主力武器となる。砲台で唯一砲手の攻撃力が威力に反映される。

副砲 - 使用フェイズを始点に、2?4フェイズにわたって砲撃が出来る砲台。設定ガッツは一発ごとの消費量なので、砲撃時間を長くするほど消費も増える。1フェイズ辺りの威力が低い。

魚雷 - 発射後1?3フェイズ後に命中させる砲台。攻撃力が高いが命中率に難があり、装備や搭乗クルーによって強化しないと頼りにならないのが難点。ティカティカが乗っていればほぼ命中する。

必殺砲 - 「必殺砲フェイズ」でのみ使用できる、特殊な砲台。多量のガッツを消費するが、必中なのに加えて威力も高い。特に強力な敵を相手にする際は常に高いガッツを維持し、いつでも必殺砲を放てるチャンスを作ることが重要。

搭乗船の強化・クルーシステム
砲撃戦では搭乗船の能力が反映されることになるため、今作では船にもキャラクター同様にステータス値が定められており、船専用の装備品も数多く存在する。これらによって強化していく必要があるが、経験値、レベルと言った物はない。イベントボスなどを倒した際に手に入る「キャプテンマーク」というアイテムの使用がレベルアップに代わる手段となる。また、シナリオ後半で手に入る船の強化手段の一つとして「クルーシステム」がある。世界各地で招待、あるいは雇用したクルーを船に搭乗させることで搭乗させたクルーに設定された強化効果を砲撃戦時に発揮させる物で、この効果は搭乗させるだけで常時発動される物と戦闘中「クルー」コマンドで発動するコマンドタイプの物がある。搭乗させるクルーには11種の職業が設定されていて、各職業に2人、合計で22人存在する。搭乗させるクルーの変更はキャンプメニューからいつでも可能。また、クルーの雇用には条件が設定されていることが多い。
発見物

ワールドマップ上には町やダンジョンなどの他にゲームの世界において「未知なる存在」とされているオブジェクトが多数存在し、これらを「発見物」と呼ぶ。存在する場所に船が接近するとコンパスが突如回転しだし、ここで決定ボタンを押すことで発見物を見つける。発見したオブジェクトはキャンプメニューの「航海日誌」に記録され、情報をギルドに売却することが可能。

発見物ははじめから目視できる物と発見することで初めて目視が可能になる物の2つが存在。また止まっている物と広範囲を動き回っている物も存在し、数も多いため全てを発見するのは困難を極める。

一部シナリオ進行上必ず探すことになる発見物があるが、基本的にはシナリオ本筋との関係は全くないやり込み要素の一つ。また、GC版『?レジェンド』では発見物の総数が増加。既存の発見物よりも発見が困難な物が多く、コンプリートの難易度は一層高くなっている。また、サブイベントと連動している発見物も一つだけ存在する。
登場キャラクター

一部の登場人物は『戦場のヴァルキュリア』にゲスト出演しているが、その際の設定については#『戦場のヴァルキュリア』へのゲスト出演を参照。
メインキャラクター

パーティに加入するキャラクター。
ヴァイス
- 関智一本作の主人公。軍艦や武装した船しか襲わない青の空賊「ダイン一家」の一員の少年。クルーとしては敵船へ直接乗り込む切り込み役を担当している。好奇心旺盛な性格で、世界中の誰も行ったことのない未知の領域を駆けることを夢見ている。父親のダインのことは常に「オヤジ」と呼ぶが、その都度「船長」と呼ぶよう注意されている。また「どんなときも絶対にあきらめない」ことを信条に、どんなに困難な状況も打破する力をも有する。武器はカトラスという二刀流で愛用。趣味は地図の収集。空賊島をアルマダに襲撃され、ダイン達とファイナの奪還のため旅立ったことがきっかけで、月晶を巡る冒険に身を投じることとなる。その後、バルアとの熾烈な激突の中で最新鋭艦「デルフィナス」を一味の船として手に入れ、魔の空域の踏破や東方世界への到達、通説を覆す世界一周達成、ツキミハマチョウの生態解明や氷の大陸の発見など前人未到の快挙を次々と達成。最終的には冒険の中で出会った仲間たちと共にガルシアンとの決戦に挑むことになる。右目に着けている片眼のゴーグルは、風除け以外にレンズを通して望遠鏡のように離れた場所にあるものを大きく見ることができる。なお、戦闘中にあるコマンドを入力するとこれが外れ、素顔が見られる。戦闘では高い攻撃力を活かし、強敵に大ダメージを与えるアタッカーとして活躍できる。特に始めから覚えている技の「カトラスダンス」は序盤はボスなどへの強いダメージソースに、中盤以降はガッツ消費の効率から通常攻撃に代わる攻撃手段として活用の幅が広い。最終的に覚える「ジョリーロジャー」はガッツ消費が21と莫大だが、まともに進めていれば最大で10000越えのダメージをたたき出す本作最強の攻撃手段である。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:75 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef