エタノール
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メタノール」とは異なります。

エタノール


IUPAC名

エタノール
別称エチルアルコール
メチルカルビノール
酒精
識別情報
CAS登録番号64-17-5 
ChemSpider682
KEGGC00469
RTECS番号KQ6300000
SMILES

CCO

特性
化学式C2H6O
モル質量46.07 g mol?1
示性式C2H5OH または
CH3CH2OH
外観無色液体
密度0.789 g/cm3
融点

?114.14 °C, 159 K, -173 °F
沸点

78.29 °C, 351 K, 173 °F
への溶解度水と任意に混合
酸解離定数 pKa15.9
粘度1.200 mPa s (cP) at 20.0 °C
双極子モーメント5.64 fC fm (1.69 D) (gas)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo?277.69 kJ mol?1[1]
標準燃焼熱 ΔcHo1367.6 kJ mol?1
標準モルエントロピー So160.7 J mol?1K?1
標準定圧モル比熱, Cpo111.46 J mol?1K?1
危険性
安全データシート(外部リンク) ⇒日本アルコール産業株式会社
ICSC 0044
EU分類 F
NFPA 704310
RフレーズR11 R20 R21 R22 R36
Sフレーズ(S2) S7 S16
引火点13 °C
関連する物質
関連物質メタノール
プロパノール
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

エタノール(: ethanol)は、アルコールの一種。揮発性の無色液体で、特有の芳香を持つ[2]。別名はエチルアルコール (ethyl alcohol)。を酒たらしめる化学成分であり、酒精(しゅせい)とも呼ばれる[2]。その分子は、油になじみやすいエチル基 CH3CH2- と水になじみやすいヒドロキシ基 -OH が結合した構造を持つ。

メタノールなど、他のアルコールが知られる以前から広く用いられてきた物質であり、エチルアルコールを指して単に「アルコール」と呼ぶことも多い。例えば、アルコール発酵で生じるアルコールはエタノールであり、アルコール飲料に含まれるアルコールもエタノールである。変性アルコールは、飲用への転用を防ぐために、毒性の強いメタノールや苦味の強いイソプロパノールが添加されたエタノールである[3]

発酵により生じたエタノールを蒸留精製すると、純度が93 %(質量パーセント濃度[注釈 1]のエタノールが得られる。残りの7 %は水分である。この水分を化学処理で取り除いて、エタノールの純度を99.5 %以上にまで高めたものが、無水エタノール(absolute ethanol または anhydrous ethanol)である。

酸化によって、アセトアルデヒド CH3CHO に化学変化し、さらに酸化されると酢酸 CH3COOH になる。空気中で完全燃焼すると、二酸化炭素 CO2 と水 H2O を生じる。殺菌消毒に用いられるほか、溶剤燃料として用いられる。
性質詳細は「アルコール」を参照

一般的な第一級アルコールとしての性質を持つ。また、炭化水素鎖が2つと充分に短く、親水性のヒドロキシ基の影響が強く出るために、プロトン性の極性溶媒であると自由な割合で混和することが可能。

そして2つとは言え、疎水性の炭化水素鎖を持っていることから、様々な有機溶媒とも比較的自由な割合で混和することが可能な場合がある。なお、エタノールそれ自体も、れっきとした有機溶媒の1種に数えられ、様々な物質を溶解させる能力を持つ。この他、金属組織を顕微鏡観察しやすくするための腐蝕液の溶媒として用いられる。
合成

エタノールの製造は、主にエチレン硫酸を反応させて硫酸エチルを生成した後に加水分解する方法で行われていたが[5]、現在はエチレンの水和反応にほぼ置き換わっている[6]

硫酸エチルを経由する場合は、実験室でエタノールと硫酸を140℃以下に保ちながら穏やかに沸騰させて反応させることにより製造することができる。反応自体は発熱が大きいため、硫酸を滴下するか、よく冷却しながら反応させる必要がある。 CH 2 CH 2 + H 2 SO 4 ⟶ CH 3 CH 2 − OSO 3 H + H 2 O {\displaystyle {\ce {CH2CH2 + H2SO4 -> CH3CH2-OSO3H + H2O}}}

こののち水に溶けて、徐々に硫酸とエタノールに分解する[7]

現在市場に出回っているエタノールは、アルコール発酵によって製造されている。 C 6 H 12 O 6 ⟶ 2 C 2 H 5 OH + 2 CO 2 {\displaystyle {\ce {C6H12O6 -> 2C2H5OH + 2CO2}}} 詳細は「アルコール発酵」を参照

一部は、化石燃料由来のエチレンの水和反応等の有機合成手法によっても製造される[8][9]リン酸を触媒とし、エチレンに高温・高圧の水蒸気を作用させて作る。[10] C 2 H 4 + H 2 O ⟶ C 2 H 5 OH {\displaystyle {\ce {C2H4 + H2O -> C2H5OH}}}
反応

エタノールに濃硫酸を混ぜて、130?140 °Cに加熱すると分子間脱水が起こり、ジエチルエーテルが生成する。 2 C 2 H 5 OH ⟶ C 2 H 5 OC 2 H 5 + H 2 O {\displaystyle {\ce {2C2H5OH -> C2H5OC2H5 + H2O}}}


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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