エゾヒグマ
エゾヒグマ Ursus arctos yesoensis
のぼりべつクマ牧場(2019年1月) 多摩動物公園(2009年3月)
保全状況評価[1][2][3]
絶滅のおそれのある地域個体群(環境省レッドリスト)(石狩西部と天塩、増毛の地域個体群)
分類
エゾヒグマ(蝦夷羆、えぞひぐま、学名:Ursus arctos yesoensis)は、食肉目クマ科クマ属に分類されるヒグマの亜種で、北海道(かつての蝦夷地)に生息するクマ。日本に生息する陸棲動物としては最大である[1][10]。
分布エゾヒグマの生息地
北海道の森林および原野に分布する。夏季から秋季にかけての時期は中山帯と高山帯にも活動領域を広げる。石狩西部と天塩、増毛の地域個体群は北海道庁により、絶滅のおそれがある地域個体群(LP)に指定されている[1]。個体数は近年増加傾向にあり、2020年度の推計では北海道全域で11700頭程度と推定されている[11]。
江戸時代末期から明治時代初期(1865年 - 1868年)にかけては、集落などのように人が多い地域を除けば、北海道全域が本亜種の生息域であったといわれている[12]。
北海道本島のほか、国後島と択捉島にも分布する[13]。利尻島と礼文島には生息していない[14]。
ヒグマ種の化石はブラキストン線(津軽海峡)以南の本州と四国、九州の約1万年前の更新世末期の地層から発掘されており、本州以南にもヒグマ種が生息していたと考えられている[14]。
形態エゾヒグマ、北海道(2008年)
成獣の大きさはオスとメスとで異なり、オスの方が大きく、体長はオスが約1.9 - 2.3m、メスが約1.6 - 1.8m。体重はオス約120 - 250kg、メスが約150 - 160kg[15]。480kgの個体もある[16]。近年の記録に残されている最大の個体では、体重はオスが520kg(2007年、えりも町 推定17歳)、メスが160kg(1985年、推定8 - 9歳)。