エステー株式会社
S. T. Corporation種類株式会社
機関設計指名委員会等設置会社[1]
市場情報東証プライム 4951
エステー株式会社(英: S. T. Corporation)は、主に家庭向け消臭剤、防虫剤、除湿剤、冷蔵庫脱臭剤などを販売している日本の日用雑貨メーカー。2007年8月1日にエステー化学(エステーかがく)から社名を変更した。 創業者が終戦後、疎開先の母親の着物が虫に食われていたことに胸を痛め、防虫剤を開発したのがルーツ[2][3]。社名のエステーとは、S(service…奉仕)とT(trust…信頼)を合わせた造語であり、また商品の最高を目指す(Super Top)の意味合いも持つ。 ヒット商品が多く、衣料用防虫剤の「ムシューダ」を始め、除湿剤「ドライペット」、家庭用芳香消臭剤「消臭力」、「消臭ポット」、「消臭プラグ」などがある。特に近年は消臭、芳香剤に力を入れている。数あるエステーの製品の中でも、特に「消臭力」(しょうしゅうりき)は、これまでにないエステーの自信作とされる。 2007年8月1日に、エステー化学株式会社から現在の商号に変更。これは、2006年に創業60年を迎えて、「真のパブリック企業」の実現を目指し、「これまでの経営理念を継承しながら、化学にとらわれない柔軟な発想で新しい挑戦を重ねていく」ということで社名から「化学」を外し、「エステー株式会社」とした。 トレードマークであるヒヨコのデザインは、快適な暮らし、社員の誠実さ、爽やかさ、謙虚さなどといった意味が込められている。1980年代初頭までは「ST」と書かれた浴槽の中に浸かっているヒヨコの絵だったが、1984年ごろに現在のようなヒヨコの歩いている絵に変更された。CMでは、最後のサウンドロゴの時に前述の「ST」と書かれた浴槽からヒヨコが出てくるアニメーションがあった。現在[いつ?]のデザインは1991年に変更された。CMの最後のサウンドロゴは、スローガンを継続使用し、「エステー化学」の文字が「ピヨピヨ」の音とともに上部が水滴のように出てくるテロップ(2007年6月まで)。スローガン変更に伴い2006年以降は下部に表示。現在[いつ?]の企業スローガンは「空気をかえよう」。それ以前のスローガンは「暮らし、さわやか」だった。 2007年前後に放送されていた社名変更告知CMでは、当時商品CMに出演していたタレント(森三中・今井朋彦・中西夢乃)に加え、取締役会議長(CMでは「新会長」)や代表執行役社長(CMでは「新社長」)など当社幹部社員まで出演している。またCM最後の女性ナレーションによるサウンドロゴ「エステー(化学)」の発音は、社名変更前後で変わっている(変更後は「テー」にアクセントが置かれている)。このナレーションは、計122回も録り直したと、テレビ朝日系の番組「シルシルミシル」で裏話が明かされている。但し、実際にCMに採用されているのは121回目の「エステー」である。
概要
ロゴマーク・サウンドロゴ・スローガン
沿革
1946年8月 - ナフタリン防虫剤製造を目的に東京都淀橋区(現在の新宿区)に「エステー化学工業所」として創業
1948年8月 - 「エステー化学工業株式会社」として法人化
1982年1月 - 「エステー化学株式会社」に社名変更
1984年1月 - 株式を店頭登録(現・東京証券取引所JASDAQ市場)
1986年4月 - 東京証券取引所市場第二部に上場
1991年12月 - 同市場第一部に指定替え
2003年
4月 - マイコール株式会社と業務提携
7月 - マイコールとの合弁会社「エステー・マイコール株式会社」を設立
2004年
5月 - 住友スリーエム株式会社と販売業務提携を締結
6月 - 委員会設置会社へ移行
7月 - 住友スリーエムとの合弁会社「スリーエム・エステー販売株式会社」を設立
2005年1月 - フマキラーの海外子会社「フマキラーインドネシア」にて消臭芳香剤の生産・販売を開始
2007年
6月 - 社長が初めて創業家以外の小林寛三に交代(2年後に鈴木喬会長が社長復帰)
8月 - 「エステー株式会社」に社名変更
10月 - レキットベンキーザー・アジアパシフィック・リミテッドとの自動食器洗い機専用洗剤の国内販売における業務提携を解消。「フィニッシュ」の販売元がアース製薬に移管し、当社は2008年2月に代替製品として「FRESH-UP(フレッシュアップ)」を発売。
2009年4月 - 「エステー・マイコール株式会社」を解散。マイコールとの提携業務は当社に移管。
2010年
5月 - フマキラー株式会社との資本業務提携を締結。
8月 - 住友スリーエム株式会社との販売業務提携を解消。これにより、スリーエム・エステー販売を通じて販売していた「スコッチ・ブライト」及び国内総代理店として販売していた「スコッチガード」の販売を住友スリーエムに、当社が扱う「ファミリー」、「激ピカ」、「ジッパーズ」を当社直販体制に戻した。
2012年
1月 - NSファーファ・ジャパン株式会社・フマキラー株式会社との相互業務・資本提携を締結。
4月 - 創業家以外で顧問の米田幸正が社長に交代、創業家の鈴木喬社長兼会長は再び会長に専念。当面は米田社長が本社業務執行(企業運営)・機能別部門組織統括などの執行業務を、鈴木会長がグループ統括・企業コミュニケーション(宣伝・広報)・資本政策などの執行業務をそれぞれ担当する。
2013年1月 - 米田幸正社長の辞任申し出により、その後任に創業者鈴木誠一の三女・現会長鈴木喬の姪・元日産自動車社員で取締役兼執行役の鈴木貴子[注 1]を、4月1日付で社長に昇格させることを発表した[4][5]。
2014年
3月 - グループ内の手袋事業を担う100%子会社として「エステーグローブ株式会社」を設立、同年4月より営業開始[6]。
12月 - カーケア事業を手掛けていた連結子会社の「エステーオート株式会社」を吸収合併[7]。
2018年
7月 - マイコール株式会社からカイロ事業を譲り受け、事業継承するための新会社として「エステーマイコール株式会社」を設立[8]。
9月 - カイロ「オンパックス」の販売とサポート(問い合わせ)をマイコール株式会社から引き継ぐ(パッケージの表記を「マイコール」ロゴから「エステー」ロゴに変更。製造元は従来通りマイコール株式会社)。
2019年4月 - マイコール株式会社からカイロ事業を正式に譲り受け、「エステーマイコール株式会社」の事業を開始。当社が扱うカイロ・温熱製品の製造元がエステーマイコール株式会社に変更される。
2024年6月 - 花王株式会社からニャンとも清潔トイレ事業を譲受する予定[9][10]。